マクラーレン 両F1タイトル獲得のためにランド・ノリス優先を決断
マクラーレンは、2024年のF1世界選手権の両タイトルを獲得するために、チームメイトのオスカー・ピアストリよりもランド・ノリスを優先する。

しかし、チーム代表のアンドレア・ステラは、ノリスがドライバーズタイトルを獲得するためにとる行動は、スポーツマンシップと公平性の原則に則ったものでなければならないと述べた。

ステラはBBCスポーツに対し、「全体的なコンセプトは、我々は勝利に非常に意欲的だが、正しい方法で勝ちたいということだ」と語った。

ノリスは今週末のアゼルバイジャン・グランプリで、ドライバーズ選手権でレッドブルのマックス・フェルスタッペンに62ポイント差をつけられているが、最終戦までに獲得可能なポイントは最大232ポイントある。

ピアストリは、フェルスタッペンに106ポイント差をつけられて4位につけている。

独占インタビューに応じたステラは「我々はランドへのサポートを優先するが、我々の原則をあまり妥協することなく行いたいと考えている」

「我々の原則は、チームの利益が常に最優先されることだ。スポーツマンシップは、レース全体において重要な要素である。そして、我々は両ドライバーに対して公平でありたい」

これまでマクラーレンは、チームが干渉することなく、ノリスとピアストリに互いに競い合わせることを許してきた。

ノリスがフェルスタッペンを打ち負かしてドライバーズタイトルを獲得するチャンスを高めるための方法を見つけるという方針転換は、イタリアグランプリの後、マクラーレンの幹部とドライバーたちとの一連のミーティングを経て行われた。

モンツァでは、ノリスとピアストリが予選で1位と2位を獲得したが、ピアストリは1周目でノリスを追い越し、この出来事がきっかけでフェラーリのシャルル・ルクレールが2台のマクラーレンの間に割り込んだ。ルクレールはレースで優勝し、ピアストリとノリスが続いた。フェルスタッペンは競争力のない6位でフィニッシュした。

ステラは「これ以上見たくないのは、モンツァのようなシケインをP1/P2で進入し、P1/P3で抜けるような状況だ。なぜなら、それはチームにとって不利益だからだ」と語った。

「チームの利益が第一であり、このような状況こそが何よりも修正すべきことだ。なぜなら、結局のところ、事実として、モンツァでのレース進入方法はこのような状況を招く扉を開けていたからだ」

「モンツァの後、3つの目標がある。コー0ス上で起こることは何でもチームに不利益にならないようにする必要がある」

「2つ目の目標は、両方のチャンピオンシップを勝ち取るために、両方のドライバーが協力することだ」

「しかし、我々が望んでいないのは、無謀な方法で勝つことだ」

「これらが3つのトピックであり、バクーでのレースの進め方を決定づけるものだ。これはバクー後にアップデートされる予定だ」

マクラーレン F1

両ドライバーが賛同
イタリアGPでフェラーリのシャルル・ルクレールが両マクラーレンを上回った。ステラは、チームがこの状況を繰り返さないようにしたいと述べている

フェルスタッペンはシーズン前半を支配し、他のドライバーが2勝以上を挙げられない中、7勝を挙げた。

しかし、フェルスタッペンは6月のスペインGP以来、6レース勝利から遠ざかっている。レッドブルは、マクラーレン、フェラーリ、メルセデスと比較して、自らのマシンがパフォーマンス面で後退している理由を理解できずにいることを認めている。

ステラは、マクラーレンの2人のドライバーが哲学の転換を受け入れたと述べた。

「会話は非常に協力的だった」とステラは語った。

「オスカーに『勝利をあきらめることができるか?』と尋ねたときも、彼は『つらいが、今やるべきことならやる』と答えた」

「ドライバーは誰でも勝利を目指して走るようにできている。だから、この期間に見られたチームスピリットや成熟度、協力のレベルにはいつも感銘を受けている」

ステラは、ノリスに有利になるような選択肢の詳細を明かすことを拒否したが、2人のドライバー間の干渉が「価値がある」かどうかについて、その都度判断が下されると述べた。

そして、ノリスはあらゆる面で自分にとって有利になるよう全力を尽くすという考えには賛成していないと強調した。

「ランドはコース上での勝利に値するからこそ、勝利を望んでいる」とステラは言う。

「チームメイトから時折サポートを受けるのは構わないが、チームメイトが当然のポイントを獲得している時に、ポイント獲得のためにレースを調整するようなやり方を計画的に利用するのは望ましくない。これはマクラーレンが望む勝利の形でもなければ、ランドが望む勝利の形でもない」

「もし私がランドに尋ねたら、彼は『アブダビ(シーズン終了時)で、いくつかの行動を取っていれば獲得できたであろうポイントを逃すのは残念だが、もしその行動がその時点で正しくなかったのなら、どうなるか分かるよね? チームは強さを保ち、チームは安定し結束している。来年も頑張ろう』というだろう」

コンストラクターズタイトルに最大の焦点を
コンストラクターズ選手権では、マクラーレンはレッドブルに8ポイント差で、今週末に首位に立つ可能性がある。フェラーリは3位で、マクラーレンとは31ポイント差だ。

ステラは「ドライバーたちに会話と注目が集まる一方で、コンストラクターズタイトルは少なくとも3人のドライバーによる戦いであるという事実を見失わないよう注意する必要がある」強調した。

ステラは、マクラーレンのこのアプローチの変更は、ノリスのエンジニアであるウィル・ジョセフがイタリアGPでチームラジオを通じて使用した、コース上でのドライバー同士の接触に関するルールを簡潔に表現した「パパイヤ・ルール」と呼ばれるものとは異なるものだと述べた。

ステラは「『パパイヤ・ルール』は、リスクのない、マクラーレン同士の接触のない、敬意を払ったレースのみに関係するものだ。それだけだ」と語った。

「ドライバーたちに『みんな、お互いにあまりリスクを負わないように戦おう』と簡単に思い出させる方法だ」

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カテゴリー: F1 / マクラーレンF1チーム / ランド・ノリス / オスカー・ピアストリ