マクラーレンF1、長年レッドブルで活躍したロブ・マーシャルをTDに起用
ジェームス・キーがテクニカルディレクターを退任したことを受けて決定したマーシャルの役割は、ピーター・プロドロモウ、デヴィッド・サンチェスとともにF1テクニカル・エグゼクティブ・チームに所属し、チーム代表のアンドレア・ステラの直属となる。
ロブ・マーシャルをサポートするのは、新設されたエンジニアリング＆デザイン担当副テクニカルディレクターのニール・ホウルディで、この2人は「勝利するF1マシンを設計するために必要な最高の技術基準を評価し、確立する」ことを目的とした上級技術体制を構築する予定である。
ロブ・マーシャルは、レッドブルで17年間、特にチーフ・エンジニアリング・オフィサーとして活躍した後、マクラーレンに移籍する。マクラーレンは、彼の就任を「グリッド上位への旅を支えるためにチームがとった基本的なステップの1つ」と説明している。
マクラーレンのF1チーム代表であるアンドレア・ステラは、「ロブがマクラーレンに加入することを大変嬉しく思っている」とコメント。
「25年以上モータースポーツに携わってきたロブは、レッドブル・レーシングでの在職期間と実績により、豊富な専門知識と経験をもって我々のもとにやってくる」
ロブ・マーシャルは、レッドブル・レーシングの強力なRB19を生み出したチームの一員だった。「ロブの就任は基本的なステップのひとつであり、勝利の道へ返り咲くためのチームの旅を助けるために自然に適合したものだ」
「我々はチャンピオンシップを戦うという野心を持ったチームだが、ここ数シーズン、トラック上での競争力という観点からは、安定した上昇傾向を示すことができていない。この数カ月間、我々はこの傾向を逆転させことために取り組んできた」
「我々が採用したアプローチは包括的なもので、人材と専門知識の観点からチームを強化することに基づいており、まもなく実現するテクノロジーとインフラのアップグレードのための進行中のプロジェクトも含まれている」
「人材と文化は、我々にとって最も重要な資源だ。我々は最近、マクラーレン社内の才能を開発し、力をつけるために投資し、取り組んできた。そして、すでにその効果を感じ、測定している」
「それと並行して、新しい才能を迎え入れることで、ロースターを強化してきた。ロブのようなハイエンドでスキルの高い人材が加わることで、マクラーレンが最高の技術水準を確立し、勝利するF1マシンを設計するための条件がさらに強固なものになるだろう。近い将来、ロブを迎え入れることを楽しみにしている」
ロブ・マーシャルはレッドブル・レーシングで多くの成功を味わってきた。マクラーレンのプレスリリースに加え、レッドブル・レーシングも独自のコミュニケーションを発表し、マーシャルの退団を確認するとともに、チーム代表のクリスチャン・ホーナーを通じて彼に賛辞を贈った。
「ロブが過去17年間にチームのためにしてくれたすべてのことに感謝したい」とホーナーは語った。
「2010年から2013年にかけて、4回の驚異的なチャンピオンシップダブルを実現したマシンの世代における彼の仕事は本当に傑出したものだった」
「それ以来、彼はチームの重要な人物であり続け、2016年にはチーフ・エンジニアリング・オフィサーという幅広い役割を担うようになり、ビジネス全体の他のプロジェクトにも携わるようになった」
「彼の影響力は惜しまれるが、改めて彼のこれまでの功績に感謝し、彼の新しい役割での成功を祈っている」
マクラーレンは今、困難な局面を迎えている。ランド・ノリスはモナコで現在「過去5～6年の中でシーズンをスタートするのに最悪のマシンの一台」であることを認めた。
大きな変化が必要だった。3月にジェームス・キーがテクニカルディレクターの職を離れ、CEOのザク・ブラウンとチーム代表のアンドレア・ステラがその役割を3つに分けることを決定したのがその始まりだった。
ロブ・マーシャルは、2010年から2013年の華やかな時期にレッドブル・レーシングに在籍していた。その3人のうちの1人が、過去17年間レッドブル・レーシングに在籍し、レッドブルに初優勝と2010年から2013年の4年連続ダブルチャンピオンシップ、そして最近の2021年と2022年の成功をもたらした重要な役割を果たしたロブ・マーシャルとなる。
マクラーレンは、数カ月前から注目を集める技術責任者を探していた。もちろん、F1の第一人者であるエイドリアン・ニューウェイを含む、このスポーツで最も優れた技術者たちの門をたたいた。
しかし、彼らがその中で最もふさわしいと判断したのはロブ・マーシャルだった。フェルナンド・アロンソを擁してチャンピオンになったルノーを含め、20年以上のF1経験を持つだけでなく、勝利のメンタリティーを持っている。
ニューイというF1界で最も優れた人物と仕事をしてきた彼のデザイン能力はマクラーレンにとって非常に貴重なものとなるだろう。そして、フェラーリ出身のデビッド・サンチェスや、32年間F1に携わってきたピーター・プロドロモウの専門知識とうまく連携することになるはずだ。
マクラーレンは、何年も一貫して前進を続けてきたにもかかわらず、一気に急降下する危険性をはらんでいた。彼らが流れを止めて戦線に反撃するには、マーシャルやサンチェスのような既存の才能を補強する大物スクープが不可欠であり、注目の資産であるランド・ノリスを保持することも不可欠である。
カテゴリー： F1 / マクラーレンF1チーム
