ランド・ノリス 「マクラーレンF1にパパイヤ・ルールなんて最初から存在しない」
ランド・ノリスは、マクラーレンのいわゆる「パパイヤ・ルール」をめぐる誇張された噂に冷や水を浴びせ、チームメイトのオスカー・ピアストリとの間に存在するとされる行動規範は、実際には神話にすぎないと主張した。

この話題は、イタリアGPで緊張の瞬間があったことで再燃した。ノリスがピットストップでの作業遅れによって順位を落とし、チームからピアストリに2番手を譲り返すよう指示が出された場面だ。

モンツァの表彰台ではファンからノリスにブーイングが浴びせられ、批判者たちは「マクラーレンはエースドライバーを守るためにルールを曲げている」と主張した。しかしノリスはすぐさま真実を明らかにした。

「もうパパイヤ・ルールなんてない。最初から存在しなかった」とノリスはDAZNに語った。

ポストイットに収まるルール
チーム内のレース作法が複雑なものとされてきたことについて、ノリスは実際にはごくシンプルなものだと強調した。

「ページ1枚にも満たないんだ」と彼は説明した。「重要なのは『フェア』と書かれていること。これが多くのことをカバーしていて、僕にとってもオスカーにとっても公平であることを意味している」

「僕がこういうことを選んでいるわけじゃない。過去に何があったかは気にしない。ただ僕たちは正しいと思うことをやるだけなんだ」

その明快さは、モンツァでの件にも直接当てはまるという。ホイールナットの不具合でピット作業が遅れたノリスは、コースに戻った時にはピアストリの後ろに位置していた。そこでマクラーレンはピアストリに順位を戻すよう指示し、ピット前のオーダーを再現した。

「僕が望んだわけでもチームが望んだわけでもない。状況を複雑にしてしまうし、順位もややこしくなる」とノリスは認めた。

「でも、それが僕たち全員、チームとして、両ドライバーとして正しいと決めたことなんだ。修正しなければならなかった。もしオスカーに同じことが起きていたら、僕たちは全く同じことをしていただろう」

マクラーレン F1 ランド・ノリス

ピアストリも決定を支持
ピアストリは当初チームラジオで不満を口にしたが、後にはこの決定の妥当性を支持し、短期的な痛みよりも長期的な公平性が重要だと強調した。

「長い目で見ればベストな判断だったと思う」と彼はレース後に説明した。

「ランドは週末を通して僕の前にいたし、その判断を理解している。だからほとんど即座に順位を入れ替えたんだ。まだ話し合うべきことはあるけど、僕にとっては問題なかった」

この結果、ノリスは2位、ピアストリは3位でフィニッシュし、ノリスは選手権争いで残り8戦を前に31ポイント差にまで詰め寄った。

両ドライバーが同じ見解を公に示したことで、マクラーレンの「ルール」はパパイヤ色の枷ではなく、「フェアに走る、クリーンに戦う、そしてチームを前進させる」という握手の合意にすぎないことが明らかになった。

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カテゴリー: F1 / ランド・ノリス / マクラーレンF1チーム