インディカー
最終戦でハータがキャリア2勝目。Hondaは2年連続マニュファクチャラーズ・タイトルを獲得
2019年NTTインディカーシリーズ最終戦は、サンフランシスコから約100マイル、海沿いのリゾート地にあるウェザーテック・レースウェイ・ラグナ・セカ(全長2.238マイル)で開催され、コルトン・ハータ(Harding Steinbrenner Racing)がポールポジションから圧倒的なスピードを保って優勝を飾った。

カリフォルニア州らしい真っ青な空のもと、気温の上がりすぎない心地よいコンディションに恵まれたサーキットには、とても多くのファンが詰めかけた。そして、地元カリフォルニア出身の、まだ19歳のルーキーが目覚ましい走りでベテランたちのアタックを最後まで跳ね除け続け、大歓声を浴びながらゴールへと飛び込んだ。

90周で争われたレースの83周をリードしてのキャリア2勝目は、ルーキーらしからぬ見事なものだった。レースを通じてディクソン、チャンピオン争いを行うシモン・パジェノー(シボレー)、ウィル・パワー(シボレー)からプレッシャーをかけられながら、それらに屈することなくトップを守り抜き、0.5875秒差での勝利を手に入れた。インディカーシリーズでは最終戦がダブルポイントとされているため、ポールポジションや最多リードラップのボーナスも獲得したハータは最大の104ポイントを加算し、シリーズランキングを13位から7位にまで大きく浮上させてシーズンを終えることとなった。

昨シーズンを含めた5回のシリーズタイトル獲得歴を誇るスコット・ディクソン(Chip Ganassi Racing)は3位でフィニッシュし、表彰台に上った。ハータとパワーが競い合っている6秒後方、ディクソンはパジェノーとの激しいファイトを25周に渡って続け、100分の11秒差でパジェノーを封じ込めた。ディクソンの3位フィニッシュにより、Hondaは最終的に1436ポイントを獲得し、ライバルのシボレーは1387ポイント、49ポイントの差で2年連続で同シリーズのマニュファクチャラーチャンピオンとなった。

今日のレースでは、予選14番手だったフェリックス・ローゼンクビスト(Chip Ganassi Racing)が、驚異的な追い上げで5位でゴールした。17戦で6回のトップ5入り、そのうち2回が優勝目前の2位フィニッシュ(ミッドオハイオとポートランド)という安定感もみせたスウェーデン出身の27歳は、年間ランキング6位でシーズンを終了。今日優勝したハータを5ポイント差で抑え、栄えあるルーキーオブザイヤーに輝いた。

コルトン・ハータ(優勝)
「ディクソン、パジェノー、パワーの3人のうちの一人が常にアタックする状況が続いていましたから、本当にたいへんなレースでした。彼らは簡単には勝たせてくれませんでした。ポートランドでも私たちは速かったのですが、タイヤの摩耗という問題を抱えました。その経験に学び、ポートランドと同じ速さを保ったまま、勝利へと前進することができました。優勝できたことは、完ぺきなレースを戦えたということだと思います。ミスを犯しながら勝利へと逃げきるのは難しいですからね。優勝するドライバー以外にも、勝ちそうなパフォーマンスを発揮するドライバーは、どのレースでも2、3人います。今日もそうでした。何人かのドライバーが勝てる力を見せていました。その彼らを私たちは打ち負かすことができました。彼らより速いペースを私たちは保ち続けることができました。今日は間違いなく、私たちがベストでした。勝利を手にする値する最強の存在になっていたと思います」

佐藤琢磨(21位)
「今シーズンはすばらしかったと思います。確かに、多少アップダウンはありました。しかし、私たちは2勝を挙げ、2度のポールポジション獲得し、表彰台に2回上がりました。とてもいいシーズンになったと思います。サポートをしてくれた方全員に、感謝をしても感謝しきれません。今シーズン中は難しい状況に陥ったこともありましたが、チームが全面的にバックアップをしてくれて、そのおかげで私はシーズンを最後まで戦い抜くことができました。今日のレースではいくつかの試練があり、最後はメカニカルトラブルに見舞われました。上位でフィニッシュし、ランキング5位に食い込むことができなかったのは残念です。結局、最終戦でランキングを大きく下げることになりました。カーナンバー30をまとったマシンは、今シーズンを通して美しい走りをしてくれました。チームメートのグレアム・レイホールと私は、シーズンを通してお互いにプッシュし合っていました。来シーズン、私たちはより一層の強さを身につけて開幕を迎えたいと考えています。そうできることを心から楽しみにしています。皆さん、今シーズンのサポート、本当にありがとうございました」

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カテゴリー: F1 / インディカー