ホンダF1:2020年 第12戦 F1ポルトガルGP プレビュー
ホンダF1は、2020年のF1世界選手権 第12戦 F1ポルトガルGPにレッドブル・レーシングおよびアルファタウリ・ホンダとともに連続表彰台をかけて挑む。

今シーズン、いくつかのサーキットが新しくF1カレンダーに加わったが、79番目のF1開催地となるポルティマオのアルガルベ・サーキットもそのひとつ。アルガルベ・サーキットは2008年にオープンし、高低差のある全長4.6kmのコースはテストコースとしても活用されてきた。

全F1チームにとって金曜日が初の本格走行になる。サーキットの特性を理解し、セットアップの最適化を進める上で非常に重要で、あわただしい一日になる。

アルガルベ・サーキットでのF1は初開催ですが、過去にはポルトガルでもF1が行われてきました。ホンダF1が最後にポルトガルでレースをしたのは1992年のエストリル・サーキットで、ゲルハルト・ベルガーとアイルトン・セナが、ウィリアムズの盟友ナイジェル・マンセルに続く2-3フィニッシュを果たした。

ホンダF1エンジン勢は今シーズンここまで、10戦連続で表彰台登壇を果たしており、残り6戦もこの勢いでいい結果を出せるよう全力を尽くす。

田辺豊治(ホンダF1 テクニカルディレクター)
「F1グランプリ第12戦が行われるポルトガル・アルガルベ・サーキットは、第9戦のムジェロ・サーキットと同じくF1初開催となるサーキットです。リスボンから南へ約300km、ポルトガルの南西端に近いアルガルベ地方の丘陵地帯に2008年に建設され、全周に渡ってアップダウンの繰り返しがあるのが特徴のサーキットです。当然、過去の走行データがありませんのでシミュレーションを元にチームとともに入念な準備を重ねてきました。同じくハイブリッドレギュレーションでの初走行となった今シーズンのムジェロやニュルブルクリンクでの経験も生かしながら、金曜から更にセットアップの最適化を進めていきます。ここ数戦、アストンマーティン・レッドブル・レーシング、スクーデリア・アルファタウリ・ホンダの2チームともにいい走りを見せていますので、今週末も是非その勢いを維持していきたいと思っています。私自身としては、ポルトガルでのレースはエストリル・サーキットで行われた1990年以来になります。その際にはセナ選手が2位、ベルガー選手が4位でした。今回もそれに負けないような結果を残せるよう、チーム一丸となって挑みます」

マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)
「今年初めにGTマシンでポルティマオを走りましたが、素晴らしいコースです。2日間の滞在で、ほとんど雨でしたが、走っていて楽しく、ウエットは特によかったです。高低差に富んでおり、レイアウトもとても面白いです。テクニカルな部分はあるものの、おおむね高速サーキットと言え、F1マシンで走るのがとても楽しみです。全員にとって環境が異なり、それが変化をもたらして面白さが増すので、未知のサーキットでのレースは好きです。ニュルブルクリンクはいいレースウイークとなり、マシンも一歩前進することができたと思います。メルセデスに近づけたことはとてもいいことですし、新たな初開催のコースとなるので、僕らがどのくらいやれるのか楽しみです」

アレクサンダー・アルボン(レッドブル・ホンダ)
「ポルティマオではF3時代にポールポジションと表彰台を獲得しており、いい思い出があります。さまざまな特性を併せ持つ素晴らしいコースで、流れるような走りができます。もっとも印象的なのは1周を通して続くアップダウンだと思います。暑さもあって体力的には厳しくなりますが、バンプが多く進入がブラインドになるコーナーがいくつもあるので走っていて楽しいトラックです。急勾配の地点では先が全く見えず、まるでマシンが離陸するような感じを受けたと思えば、すぐに下り坂になり、さらにその先は上り坂のブラインドコーナーと続きます。ブレーキングして、ターンインしていくと自分がどこに向かうのか分からなくなる感覚の中で、いきなり右側にコーナーが現れ、そこからまた急降下するといった感じです。強烈な印象のサーキットで、ムジェロでもそうだったように、初開催のコースは楽しく、面白さも増すのでいいことだと思います。各チームがサーキットに適応できるかは、賽が振られるまで分かりません。新たなサーキットでの開催は、経験の浅いドライバーにとってチャンスだと思います。僕らはジュニアカテゴリーの頃から未経験のサーキットで走ることに慣れています。F1では、ベテランドライバーは毎年同じコースで走っていますが、こうした取り組みでは、みんな同じ条件でFP1に入っていけますし、レースをより面白くすると思います」

ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)
「ニュルブルクリンクでの6位はとてもうれしい結果でした。土曜まではそこまで相性のいいサーキットだと感じていなかっただけに、喜びもひとしおでした。チームとしてみんなで取り組んできたことに自信を感じましたし、僕らはレースごとにどうすればマシンの力を引き出すことができるか、理解が深まっています。これまでの進み方に満足できており、結果がついてきているのもうれしいです。また、チームができることすべてに取り組んでくれているのも喜ばしいことです。この勢いで次のレースに臨みます。これまでポルティマオには行ったことがありませんが、2日間のシミュレーターでイモラと合わせて準備をしました。イモラでは少しだけ走ったことがあるだけで、どちらのコースもよく知りませんが、エキサイティングになるはずです。僕にとって新しい場所でのレースは面白く感じられるので、ムジェロでのF1初開催や、F1マシンで初めて走るニュルブルクリンクも楽しむことができました。ポルティマオもとても面白いコースのように思います。高低差が大きく、普段見られないようなコーナーもありますが、かなり昔にテストを行ったチームがいるものの、F1のレースでは全く使われていません。フリー走行からきちんと仕事をするためにも、事前の準備が重要です。どうなるか楽しみです。現状、予選で少し苦戦しても日曜のレースでは力強く、ポイント争いができています。ニュルブルクリンクはかなり寒かったのですが、今回は暖かくなりそうで、普段のコンディションが戻ってくることも楽しみです」

ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
「ニュルブルクリンクでのレースは、不運にも12周目にアルボン選手にヒットされたことでうまくいきませんでしたが、これもレースです。彼はペナルティーを受けましたが、僕のレースも、そのときにマシンに負ったダメージで苦しいものになりました。それまではポイントを目指して戦っていましたし、予選でのラップも満足のいくものでした。しかし、自分ではコントロール外の出来事であり、今年はなかなか運が回ってきません。なにもしなければ得られるものはありません。すべてにおいてハードワークを続けていくのみです。そして、新たな戦いへと進んでいきます。エンジニアと掘り下げながら取り組んでおり、毎週末のこうしたアプローチ方法に満足しています。マシンの理解はかなり進んでいるので、よくなっていくと思います。ここ数戦はいい感じで、ポイントを逃したのは前回だけです。次戦が行われるポルティマオには行ったことがなく、全く新しい経験ですが、ほとんどのドライバーが同じはずなので、面白いチャレンジになります。しばらく前にシミュレーターでアルガルベ・サーキットを何周かしましたが、あまり覚えていません。金曜と土曜のフリー走行で懸命に取り組み、できる限り学びを進める必要があります。新鮮な感覚です! かなり変わったレイアウトで、高低差が激しいので、普段とは違う部分が出てくるはずです。この時期の天候としては暖かく、気温は20℃前半になりそうなので、ニュルブルクリンクでの厳しい天候よりもだいぶいいはずです」

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カテゴリー: F1 / ホンダF1 / レッドブル・レーシング / スクーデリア・アルファタウリ / F1ポルトガルGP