ジョージ・ラッセル メルセデスF1契約に“自動更新条項” 2027年残留は「自分次第」
メルセデスF1のジョージ・ラッセルは、自身の新契約に「パフォーマンス条項」が盛り込まれていることを明かし、2027年のシートが「自分の手の中にある」と語った。

ラッセルは10月のF1アメリカGP直前に新契約を発表。公式には2026年までとされているが、実際には1+1形式(チーム側のオプション)ではなく、一定の成績基準を満たした場合に自動更新される条項が設定されているという。

2027年の去就は「自分のパフォーマンス次第」
ラッセルはメキシコGP直前、『The Telegraph』紙の取材で次のように語った。

「これまで公には言っていなかったけど、契約には特定の条項がある。もし来年、自分があるパフォーマンス基準を達成すれば、2027年まで自動的に更新される。だから、僕のシートは自分の手の中にある。チームに引き延ばされているわけじゃない。もし僕が結果を出せば、100%メルセデスに残る」

この契約形態により、ラッセルはトト・ヴォルフの判断に左右されず、自身の成績で将来を決めることができる立場を得た。

フェルスタッペンとの交渉が影響した背景
この「パフォーマンス条項」は、2025年のドライバー市場にも大きな意味を持つ。トト・ヴォルフ代表は今年初め、レッドブルのマックス・フェルスタッペンと交渉を行ったとされ、これがチーム内の緊張を高めた要因となった。

ヴォルフはかねてからフェルスタッペンを高く評価しており、メルセデスへの移籍を望む姿勢を隠していなかった。結果としてラッセルの契約交渉は遅れたが、最終的にはこの“駆け引き”が彼にとって有利に働いた。

好調な成績で交渉力アップ 年俸は約30億円に
ラッセルは2025年シーズンここまで2勝を挙げ、6回の表彰台を獲得してドライバーズランキング4位につけている。これにより、彼は当初よりも好条件で契約を締結できたと明かす。

「すべてうまくいったよ。実は2024年10月に契約したかったけど、今の方がずっといい条件を手にできた。時には自分の能力を信じることが大事だと思う。僕はさらに強くなっていると感じている」

新契約の年俸は推定3,000万ポンド(約30億円)とされ、フェルスタッペン、ルイス・ハミルトンに次ぐ高額水準。広報活動など義務的な業務日数も減らされ、より競技に集中できる環境を得たという。

ジョージ・ラッセル メルセデスAMG・ペトロナス・モータースポーツ F1

ヴォルフの「二枚舌」交渉の勝者はラッセル
今回の契約更新は、トト・ヴォルフの“フェルスタッペン構想”を前提にした中で、ラッセルが実力で自らの地位を確立したことを示している。

アンドレア・キミ・アントネッリが将来のエースと見なされているメルセデスにおいて、ラッセルはチームの安定軸として評価を取り戻した格好だ。

2027年に向けてフェルスタッペンの移籍が再燃する可能性はあるものの、今回の契約条項により、ラッセルは「実績で残留を勝ち取る」道を手に入れた。

彼が今後も結果を出し続ける限り、メルセデスのシートは揺るがないだろう。

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カテゴリー: F1 / ジョージ・ラッセル / メルセデスF1