F1 2027年に“50対50”パワー配分を廃止へ PU規則変更で60対40案に合意

狙いは、内燃エンジン側の出力を高め、バッテリーへの要求を下げることで、各サーキットでエネルギー不足に陥る場面を減らすことにある。
これにより、ドライバーにとってより直感的に扱えるマシンに戻し、今季ここまで表面化していた複雑なエネルギーマネジメントの副作用を抑える狙いがある。
2028年を待たずに2027年導入へ
金曜日に行われたオンライン会議には、チーム、パワーユニットメーカー、F1、FIAが参加した。この場で、2027年に向けたハードウェア変更を進めるべきだという方向性で合意が形成された。
2027年導入に向けた時間的余裕は大きくない。パワーユニットの耐久性を高める作業に加え、燃料タンク拡大に伴うシャシー側の調整も必要になるためだ。それでも関係者は、2028年まで待つのではなく、今すぐ動くべきだという判断に至った。
FIAは会議後に声明を発表し、燃料流量の増加によって内燃エンジン側の出力を50kW引き上げる一方、電動要素については350kWから300kWへ引き下げる方針を示した。
「最終的なパッケージを決定する前に、チームとパワーユニットメーカーで構成される技術作業部会において、さらに詳細な議論が必要であることが合意された」
マイアミで導入された暫定変更も継続評価
今回の会議では、マイアミGPで導入された回生量とデプロイメント量の調整についても確認された。短期的な追加変更の可能性は残されており、FIAは今後のレースに向けたさらなる調整を検討している。
「マイアミ・パッケージの評価は継続中であり、今後のイベントでさらなる調整を導入することを視野に入れている」
「これには、スタート時の安全性を改善する改定や、ウエットコンディション下での安全性を高める措置が含まれる。これらは定義され次第、各チームに伝達される。カナダGPに向けて、視覚的シグナル措置の改善も評価されている」
50対50構想から現実的なバランスへ
2026年F1レギュレーションは、内燃エンジンと電動要素の出力配分を大きく近づけることを前提として導入された。しかし、実戦ではバッテリー残量やエネルギー回生・放出の制約が走行に大きく影響し、ドライバーが自然に攻められない場面が出ていた。
2027年案は、電動化の方向性そのものを否定するものではなく、内燃エンジン側に比重を戻すことで、レース中のエネルギー不足を緩和するものだ。350kWから300kWへの電動出力引き下げと、内燃エンジン側の50kW増加が実現すれば、マシンの挙動やレース展開にも大きな変化をもたらす可能性がある。
提案は今後、詳細な技術評価を経たうえで、F1コミッション、パワーユニット諮問委員会、そしてFIA世界モータースポーツ評議会という正式なガバナンス手続きに進むことになる。現行規則の課題が開幕から早くも表面化したなか、F1は2027年に向けてパワーユニット規則の軌道修正に踏み出した。
Source: The Race
カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟) / F1マシン
