FIAの粛清は続く:F1の最高責任者ティム・メイヤーが解雇
FIA(国際自動車連盟)はF1で最も尊敬されている役員の1人であるティム・メイヤー氏との契約を解消。F1パドックを再び困惑させることになるだろう。

58歳のメイヤー氏は、15年にわたってスチュワードを務め、その後、名誉ある会長職にまで上り詰めた、このスポーツ界では不動の存在であった。

F1レースディレクターのニールス・ヴィチヒと、統括団体のコンプライアンスオフィサーのパオロ・バサリの解雇からわずか2週間での退任であり、FIAの指導者層の安定性に対する疑問をさらに大きくする結果となった。

ティム・メイヤーのオフィシャルとしての評判は完璧だった。マクラーレンの共同創設者であるテディ・メイヤーの息子として、モータースポーツは彼の血筋に流れていた。長年にわたり、彼は公平性、誠実さ、そしてF1の複雑な事情に対する比類なき理解の代名詞となった。

長年にわたる貢献にもかかわらず、メイヤーがスチュワードの議長を務めたのは、10月にテキサス州オースティンで開催されたアメリカGPが最後となった。それ以来、彼は審判を任されることはなかった。

さらに、レース後にファンがトラックに侵入した件で厳しい視線にさらされたオースティンの主催者側ともメイヤーは関わりがあった。

この件の処理をめぐって、メイヤーとFIA会長のモハメド・ビン・スライエムとの間に緊張関係が生じたとの指摘もあるが、メイヤー解任の公式な説明はなされていない。

国際自動車連盟

今週、FIAが解任を命じたのはメイヤーだけではない。フォーミュラ2のレースディレクター、ジャネット・タンも職を解かれた。

タンは今週末のカタールGPでF1の新レースディレクター、ルイ・マルケスの後任を務める予定であり、2025年にはフルタイムでその役割を引き継ぐことがほぼ確実視されていた。

今回もまた、FIAはタン退任の理由を明らかにしておらず、これは特にマルケスにとって、ルサイルでのF1週末スケジュールに新たな変化をもたらすものとなった。

タンが不在となったため、マルケスは、すでに過密な週末のスケジュールに、カタールでのフォーミュラ2レースの監督という新たな責任を負うことになる。

フォーミュラ2の追加業務によりマルケスの仕事量は増えるが、レースディレクターの役割に対する要求は、レースコントロール内のサポート体制が改善されたことにより、近年はいくらか軽減されている。

マルケスには、現場で彼をサポートする4人のスタッフチームがおり、トラックリミットの検出やスチュワード関連の業務については、技術部門やIT部門からのサポートも受けられる。

さらに、FIAのリモートオペレーションセンターも大幅に強化され、4人から6人のチームがF1レース週末中にライブサポートを提供している。

このエントリーをはてなブックマークに追加

カテゴリー: F1 / FIA(国際自動車連盟)