【F1】 2018年F1マシンのトレンドは『ギアボックスウイング』
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昨年、F1チームはマシン中央部分のテクニカルレギュレーションに抜け穴を見い出し、パフォーマンスを改善させるためにシャークフィン後端の高い位置にハンガーのような“Tウィング”を生み出した。
しかし、その見た目の醜さにF1ファンから多くの批判の声が寄せられたこともあり、2018年のレギュレーションではTウィングを禁止するようにその領域が改訂された。同様にシャークフィンとモンキーシートも禁止となっている。
14日(水)にはハース、15日(木)にはウィリアムズが2018年の画像を公開。シャークフィンはなくなり従来型の形状になった一方で、両チームともレンダリング画像にも関わらず、マシン後方に新たなデバイスが追加されていた。
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F1レギュレーションの3.5.1では、エンジンカバー部分を規制する三角形とリアホイールの中心線から前を繋いだ三角形で形成される長方形に近いエリアの開発が規制されているが、基準面から550mと650mmの間の100mmの部分に小さな領域が残ってしまっている。
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ウィリアムズは昨年からこの領域に目をつけてウイングをテスト。ギアボックス付近に搭載されていることから、ウィリアムズのチーフテクニカルオフィサーを務めるパディ・ロウはそれを『ギアボックスウイング』と名付けている。
F1チームは小さなウィングが気流を管理してダウンフォースを増加されるメリットを認識しており、Tウィングとモンキーシートの禁止によって失われるダウンフォースを取り戻すためにギアボックスウイングを搭載することになるだろう。
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「Tウイングは違法だが、まだ我々が“ギアボックスウイング”と呼ぶものが残っている。それは我々が昨年クルマに最初に搭載したものだ」とパディ・ロウはコメント。
「低い位置のTウイングのようなものであり、我々はそれを継続している。今後、他のクルマの多くもこのスペースにあのようなウイングを搭載してくると想像している」
また、2018年F1マシンはバージボードの開発も進められることになるようだ。ハース VF-18、ウィリアムズ FW41ともに、昨年フェラーリなどが採用したものをより複雑にしたバージボードを備えている。
「2017年レギュレーションはバージボードのエリアに新たな自由をもたらしたし、2017年はそのエリアに新しいデバイスが増加したのを目にした」とパディ・ロウは説明する。
「そのプロセスはまださらに続いている。クルマを近くで見れば、我々がそのエリアをさらに開発したことがわかるはずだ。ライバルのクルマにも同じようなものを目にすると予想している。昨年のこの新しいレギュレーションでまだ十分に活用されていない最大の機会だ」
カテゴリー: F1 / F1マシン