F1アカデミー 全10チームが複数年契約を更新 2027年からキャデラックも参加

この合意は、2024年に導入されたモデルを基盤としている。F1チームがそれぞれ指定ドライバーを支援し、マシンに自チームのカラーを採用する方式だ。
契約延長により、この仕組みはさらに数年間継続される。また、2026年にF1に参入するキャデラックが、2027年からF1アカデミーにも参加することも決まった。
F1アカデミーは木曜日に契約更新を発表すると同時に、参戦規定のアップデートも明らかにした。2027年からは、すでに2シーズン参戦したドライバーに対し、明確な成長ポテンシャルを示した場合に限って3年目の参戦を認める特例措置が導入される。主催者はこれを「才能育成に向けた個別最適化アプローチ」と説明している。
「現行のF1全10チームによる長期的な支援の継続、そして2027年からキャデラックが加わることは、F1アカデミーの未来に非常に力強いメッセージを送るものだ」と、シリーズのマネージングディレクターを務めるスージー・ウルフは語った。
「私たちは現世代の女性ドライバーに舞台を提供するだけでなく、今後の世代の才能を支える道を一緒に築いている。高いポテンシャルを持つドライバーが最大3シーズン参戦できるようにするなど、個別育成への焦点をより鋭くしたことで、常に最高の女性ドライバーがグリッドに揃うことが保証される」
F1アカデミーは2023年に創設され、女性のレース参戦の道筋を明確化し、草の根レベルでの参加拡大を目指すシリーズとして位置づけられた。初年度は単独シリーズとして行われたが、2024年からはF1のサポートレースとして世界各地のグランプリと併催されている。
2025年シーズンはラスベガス(11月20〜22日)でタイトル決定戦を迎える。現在、メルセデス支援のドリアーヌ・ピンが、フェラーリ支援のマヤ・ウーグに9ポイント差で首位に立っている。
2024年王者でアルピーヌの支援を受けていたアビ・プリングは、今季GB3選手権へステップアップ。シリーズが女性ドライバーの育成とキャリア形成の場として成功を強めていることの証左となっている。
F1アカデミー参戦継続の意味:F1が“義務”ではなく“投資”として扱い始めた
今回の合意は、単なる形式的な支援継続ではなく、F1がアカデミーを“長期的な投資対象”として扱い始めたことを示す動きだ。
■ 全10チームによる継続はシリーズの安定を保証
■ 2027年からキャデラックが参入し、F1アカデミーの拡張性がさらに強化
■ 3年目の参戦特例は、才能ある選手の“中途離脱”を防ぐ仕組み
■ 支援モデルが継続されることで、ドライバー発掘と育成がより体系化
F1アカデミーは創設時より「女性にとってF1への道を広げる最も現実的な階段」として設計されてきたが、2024年以降のF1全チーム支援モデル採用により実効性が増した。
今回の継続合意と制度強化により、ドライバーは“シート喪失や昇格不透明”を理由にキャリアが途切れるリスクが減少。シリーズとしても再現性のある育成サイクルを構築できるようになる。
キャリア形成の出口戦略がより明確に
アビ・プリングがGB3に進んだように、F1アカデミーは実際に“次のカテゴリーへの橋渡し”として機能し始めている。
今後、F3やFRECAなど上位カテゴリーへの昇格事例が増えれば、シリーズの価値はさらに高まる。
■ 1〜2年で成長が止まらない場合も救済される
■ チームが支援することで才能の可視化が進む
■ 女性ドライバーの“次のステップ”がより現実的に
F1アカデミーを通じたキャリアルートが定着すれば、F1全体のダイバーシティ推進にも大きく寄与することになる。
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