デビッド・クルサード、2011年F1シーズンを総括
デビッド・クルサードが、最新ブログの中で終わったばかりの2011年のF1シーズンを振り返り、一番印象的だったチームやドライバーを明らかにした。
ドライバー・オブ・ザ・シーズン
F1ドライバー・オブ・ザ・シーズンとして、僕がセバスチャン・ベッテルの名前を挙げても、えこひいきしていると責められることは絶対にないだろう。
フェルナンド・アロンソもペースをキープするのに苦労したフェラーリで良くあそこまで戦ったと思う。ジェンソン・バトンの功績は、マクラーレンのチームメイトのルイス・ハミルトンを破ったことだけではない。アロンソや、ベッテルと同じクルマに乗っていたレッドブルのマーク・ウェバーを破ったのも見事だった。だが、ドライバーではセバスチャンがずば抜けていた。疑問の余地はない。
がっかりしたドライバー・オブ・ザ・イヤー
ワースト・ドライバー・オブ・ザ・イヤーとは言いたくない。F1に乗れるドライバーが悪いドライバーなわけがないからね。でも、実力が発揮できなかったドライバーが何人かいたのは確かだ。特に気になったのがフェラーリのフィリペ・マッサ、マクラーレンのハミルトン、レッドブルのウェバー。僕が表彰するのはフィリペだ。最大の理由はレースに優勝しなかったこと。実際、5位より上でのフィニッシュはなかった。マラネロでの彼の立場は危うくなっているだろう。
レース・オブ・ザ・シーズン
これはカナダしかない。今年一番の大失敗になるかと思われたが、僕の記憶にある中でも最もドラマチックなフィナーレになった。ジェンソンの優勝はまさに予想外。レースは残り20分だっただけに、魔法のようだった。
論争オブ・ザ・イヤー
バーレーン、ルイス対フィリペ…大きな話題になったものがいくつかあったが、中でも一番目立ったのは(自分に一番身近な問題だからかも知れないけれども)、SKYとBBCの契約だろう。ネガティブなことを沢山書かれたけれども、言われているほどひどくはないと思う。ライバル関係は質の高い放送に繋がる。SKYはF1の全てが知りたいハードコアなファンや、腐るほどお金を持っている人の要望に応えることができる。一方、BBCは生放送や特番、インターネット、BBC Red Buttonなどを通して、質の高い報道を続けるだろう。僕は来年度のBBCとの契約が決まったことを嬉しく思っているし、来年以降も続けて行きたいと思っている。僕はこの3年間で成長したと思う。まだみんなの期待に応えることができているわけではないけどね ― 'Vettel'がちゃんと発音できていないという苦情も続くと思うけれども(Heidfeldがシーズン半ばでいなくなったのはラッキーだ。苦情が凄かったからね!)、これからも、今まで以上に一生懸命に取り組みたいと思っている。僕の解説がレースファンの皆さん何かの役に立つことを願っている。
コメント・オブ・ザ・シーズン
モナコのペナルティに関しての質問に答えたルイスの「たぶん僕が黒人だからだ」という一言は良かったね。でも、個人的にはセバスチャンの「もう思春期は終わった」というのが気に入っている。ブラジルGPのBBCのインタビューの最中に、オレンジ色の大きな付け髭をして言ったんだ。最高だね。
モーメント・オブ・ザ・シーズン
デリーのダウンタウンでの撮影はすごい経験だった。それと、来年、F1開催が予定されている、アメリカ・オースティンのサーキット・オブ・ザ・アメリカズの建設予定地で、埃まみれになりながらF1カーを運転したのも楽しかった。でも、今年一番の思い出深い瞬間は、先週、ルーベンス・バリチェロとおしゃべりをしていた時にやってきた。僕たちは、彼がドライバー人生の中で泣いた時のことを全て思い出そうとしていた。彼は感情豊かな男だからね。彼の良き先輩で友達でもあったアイルトン・セナが死んだ1994年のイモラから、今日までの彼の関わりを思い出したら、すごく感動したんだ。この17年間がどれほど素晴らしかったか、自分がどれほど今でもF1を愛しているかに気づかされた。2012年が楽しみだ。
デビッド・クルサードは英デイリー・テレグラフ紙に寄稿すると共に、レッドブル・レーシングとウィングス・フォー・ライフの親善大使を務めている。12月1日には、ウィングス・フォー・ライフとデビッドによる、脊髄損傷研究のためのチャリティーオークションが開催される
「F1ファンも、F1ファンではない人も応援してください。あなたの支援が、脊髄研究の大きな発展に繋がるのです」
カテゴリー: F1 / デビッド・クルサード
ドライバー・オブ・ザ・シーズン
F1ドライバー・オブ・ザ・シーズンとして、僕がセバスチャン・ベッテルの名前を挙げても、えこひいきしていると責められることは絶対にないだろう。
フェルナンド・アロンソもペースをキープするのに苦労したフェラーリで良くあそこまで戦ったと思う。ジェンソン・バトンの功績は、マクラーレンのチームメイトのルイス・ハミルトンを破ったことだけではない。アロンソや、ベッテルと同じクルマに乗っていたレッドブルのマーク・ウェバーを破ったのも見事だった。だが、ドライバーではセバスチャンがずば抜けていた。疑問の余地はない。
がっかりしたドライバー・オブ・ザ・イヤー
ワースト・ドライバー・オブ・ザ・イヤーとは言いたくない。F1に乗れるドライバーが悪いドライバーなわけがないからね。でも、実力が発揮できなかったドライバーが何人かいたのは確かだ。特に気になったのがフェラーリのフィリペ・マッサ、マクラーレンのハミルトン、レッドブルのウェバー。僕が表彰するのはフィリペだ。最大の理由はレースに優勝しなかったこと。実際、5位より上でのフィニッシュはなかった。マラネロでの彼の立場は危うくなっているだろう。
レース・オブ・ザ・シーズン
これはカナダしかない。今年一番の大失敗になるかと思われたが、僕の記憶にある中でも最もドラマチックなフィナーレになった。ジェンソンの優勝はまさに予想外。レースは残り20分だっただけに、魔法のようだった。
論争オブ・ザ・イヤー
バーレーン、ルイス対フィリペ…大きな話題になったものがいくつかあったが、中でも一番目立ったのは(自分に一番身近な問題だからかも知れないけれども)、SKYとBBCの契約だろう。ネガティブなことを沢山書かれたけれども、言われているほどひどくはないと思う。ライバル関係は質の高い放送に繋がる。SKYはF1の全てが知りたいハードコアなファンや、腐るほどお金を持っている人の要望に応えることができる。一方、BBCは生放送や特番、インターネット、BBC Red Buttonなどを通して、質の高い報道を続けるだろう。僕は来年度のBBCとの契約が決まったことを嬉しく思っているし、来年以降も続けて行きたいと思っている。僕はこの3年間で成長したと思う。まだみんなの期待に応えることができているわけではないけどね ― 'Vettel'がちゃんと発音できていないという苦情も続くと思うけれども(Heidfeldがシーズン半ばでいなくなったのはラッキーだ。苦情が凄かったからね!)、これからも、今まで以上に一生懸命に取り組みたいと思っている。僕の解説がレースファンの皆さん何かの役に立つことを願っている。
コメント・オブ・ザ・シーズン
モナコのペナルティに関しての質問に答えたルイスの「たぶん僕が黒人だからだ」という一言は良かったね。でも、個人的にはセバスチャンの「もう思春期は終わった」というのが気に入っている。ブラジルGPのBBCのインタビューの最中に、オレンジ色の大きな付け髭をして言ったんだ。最高だね。
モーメント・オブ・ザ・シーズン
デリーのダウンタウンでの撮影はすごい経験だった。それと、来年、F1開催が予定されている、アメリカ・オースティンのサーキット・オブ・ザ・アメリカズの建設予定地で、埃まみれになりながらF1カーを運転したのも楽しかった。でも、今年一番の思い出深い瞬間は、先週、ルーベンス・バリチェロとおしゃべりをしていた時にやってきた。僕たちは、彼がドライバー人生の中で泣いた時のことを全て思い出そうとしていた。彼は感情豊かな男だからね。彼の良き先輩で友達でもあったアイルトン・セナが死んだ1994年のイモラから、今日までの彼の関わりを思い出したら、すごく感動したんだ。この17年間がどれほど素晴らしかったか、自分がどれほど今でもF1を愛しているかに気づかされた。2012年が楽しみだ。
デビッド・クルサードは英デイリー・テレグラフ紙に寄稿すると共に、レッドブル・レーシングとウィングス・フォー・ライフの親善大使を務めている。12月1日には、ウィングス・フォー・ライフとデビッドによる、脊髄損傷研究のためのチャリティーオークションが開催される
「F1ファンも、F1ファンではない人も応援してください。あなたの支援が、脊髄研究の大きな発展に繋がるのです」
カテゴリー: F1 / デビッド・クルサード