カルロス・サインツJr. レッドブルF1移籍破談の内幕「彼らは僕を拒んだ」

しかし、最終的にサインツが2025年に選んだのはウィリアムズ・レーシングだった。
最近配信されたポッドキャスト番組「El Cafelito Podcast(チニギート・インサイド提供)」の中で、サインツはレッドブルとの交渉について率直に語り、なぜ契約に至らなかったのか、そしてなぜレッドブルがルーキーのリアム・ローソンを選んだのかを明かした。
レッドブルとの交渉を振り返るサインツ
El Cafelito Podcastでのインタビューにて、サインツは2024年に行われたレッドブルとの交渉について次のように述べた。
「レッドブルとは話をした。でも彼らは僕を望まなかった。いろいろな理由で合意には至らなかった。F1のことを分かっている人なら、なぜレッドブルが僕を選ばなかったのか察しがつくと思う。彼らや彼らの判断に対して、僕は何も否定的な感情は持っていない」
また、FIA会長選への出馬を検討しているカルロス・サインツSr.は、オーストリア紙『Kronen Zeitung』の取材に対し、「マックスの隣で彼がレッドブルに乗る姿を見たかった。でも、それは実現しなかった」と語った。
サインツ陣営は、レッドブルの“セカンドシート”を狙っていたことを明確にしていたが、2024年6月には、サインツが2025年にウィリアムズへ移籍することが正式に発表された。
サインツはウィリアムズ加入以降、ジェームス・ボウルズ代表およびチームメイトのアレックス・アルボンと連携し、チームの未来に向けた強化に取り組んでいる。彼の豊富な経験は、ウィリアムズにとって大きな財産となっている。
レッドブルがルーキーを選んだ理由
2025年シーズンのレッドブルは、4度のワールドチャンピオンであるマックス・フェルスタッペンとルーキーのリアム・ローソンというドライバーラインアップを選択。サインツは除外される形となった。
この決定の背景には、サインツ自身の発言にもあるように、フェルスタッペンとの過去の関係が影響している可能性がある。
「F1を知っている人なら、なぜレッドブルが僕を望まなかったのか分かるはずだ」と彼はポッドキャスト内で再び繰り返した。
サインツとフェルスタッペンは、2015年にトロ・ロッソ(現レーシングブルズ)でチームメイトとしてF1デビューを飾ったが、両者は常に良好な関係ではなかった。特に2016年の開幕戦オーストラリアGPでは、フェルスタッペンが無線でサインツの後ろに留め置かれていることへの不満を繰り返し訴え、最終的に接触未遂を起こし、10位に終わっている。
2016年シーズン開幕4戦目、レッドブルではダニール・クビアトが降格され、その後任として昇格したのはサインツではなくフェルスタッペンだった。この判断をきっかけに、両者のキャリアは大きく分岐することになった。
サインツは2017年末にトロ・ロッソを離れ、ルノー、マクラーレン、フェラーリとキャリアを重ね、2025年にウィリアムズへとたどり着いた。
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