F1アゼルバイジャンGP 決勝展開:角田裕毅がマクラーレンのノリス抑え6位

終盤はアンドレア・キミ・アントネッリとサインツの表彰台争い、そしてリアム・ローソンを先頭に角田裕毅、ランド・ノリス、ルイス・ハミルトンが連なるP5トレインが白熱。ノリスはP7で6点を加算し、ポイント差は25に縮小した。
1)スタート~1周目:ピアストリがジャンプスタート→壁、SC導入
消灯直後、フェルスタッペンが好発進。2番手サインツ、3番手ローソンは隊列維持のままターン1をクリアする一方、ピアストリはスタートで動いて止まり、再始動ののちターン5でロックアップしてバリアへ。唯一のDNFとなりセーフティカーが導入された。再開後はメルセデス勢の並走でラッセルが一時ポジションを落とすなど、上位は緊張感の高い立ち上がりだった。
2)前半:フェルスタッペン管理走行、P5トレインの主役はローソン
8~12周にかけてフェルスタッペンは2~3秒台のリードを安定維持。中団ではローソンの背後にアントネッリ、ラッセルが連なり、そのさらに後方で角田裕毅が堅実にラッセルを抑え込む場面も。風は強く、路面は徐々にラバーが乗るが、雨は降らず。ノリスは角田裕毅の後方で足止めされ、選手権巻き返しの足掛かりを探る展開になった。
3)ピットウインドウ(19~21周):アントネッリ先手、ローソンがアンダーカット阻止
19周、メルセデスはチームオーダーの混乱回避も兼ねてアントネッリをピットへ(ハード)。20周、ルクレールが先に動き、21周にはローソンもハードへスイッチ。アウトラップでの丁寧なタイヤワームアップで、アントネッリの温まったタイヤからの圧力を耐え切り、ポジションを死守した。ここは本日のキーモーメントの1つだ。
4)中盤:ウィリアムズの判断、メルセデスのロング、マクラーレンに乱れ
ウィリアムズは28周にサインツを2.6秒の好ストップでリリースし、アントネッリに対して3秒の“年齢差タイヤ”アドバンテージを確保。上位勢はフェルスタッペン/ラッセルがハードで引っ張る。対照的にノリスは38~39周のピットでフロント右の装着にもたつき計4.1秒のロス。直後の40周、ラッセルがピットしサインツの前で復帰、メルセデスのロングスティント作戦が的中した。
5)終盤(42~49周):サインツvsアントネッリ、P5攻防は“ローソン列車”
41~46周にかけてフェルスタッペンはミディアムで最速を更新しつつ独走。背後ではサインツがアントネッリの追撃を1.8秒前後でコントロールし、表彰台の芽をつなぐ。中団はローソンを先頭に角田裕毅、ノリス、ハミルトンの“四つ巴”。ターン1~4でたびたび仕掛けが入るが、ローソンはDRSなしでも丁寧なブレーキングと立ち上がりで封じ込み、角田裕毅も冷静なラインディフェンスで応戦した。
6)最終盤~チェッカー:フェルスタッペン連勝、ラッセル2位、サインツが歴史的3位
50~51周はフェルスタッペンが余力を示してファステストで締め、今季4勝目&連勝達成。ラッセルは“引っ張り→カバー”の王道で2位確保。サインツはアントネッリの圧力を最後まで受け止め、ウィリアムズに2021年以来のポディウムをもたらした。ローソンはP5を守り切り、角田裕毅P6、ノリスPで選手権争いは25点差に接近した。ポイント圏はハミルトン、ルクレール、ハジャーが締めた。

表彰台コメント
マックス・フェルスタッペン(レッドブル/優勝)「今週末は我々にとって本当に素晴らしかった。両コンパウンドでクルマはよく機能して、レースはかなりストレートフォワードだった。セーフティカーが多くなくて良かった。直近2週はチームにとって最高だ」
ジョージ・ラッセル(メルセデス/2位)「カルロスとウィリアムズにおめでとう。自分個人としては楽ではない週末だったが、表彰台に戻れてうれしい。正直チェッカーを見てホッとした。金曜よりはだいぶ良くなった」
カルロス・サインツ(ウィリアムズ/3位)「言葉にならないほどうれしい。ずっと戦ってきて、スピードがあって条件がそろえば素晴らしいことができると証明できた。ミスなく走り、多くのクルマを抑えきった。ウィリアムズの皆を誇りに思う。信じ続ければ必ず報われるという人生の教訓だ」
本日のハイライト(要点)
・フェルスタッペンが完勝、ラッセル2位、サインツがウィリアムズ躍進の象徴となる3位
・ピアストリはジャンプスタート→1周目クラッシュで唯一のDNF、ノリスはP7で差25へ
・“ローソン列車”の攻防はP5死守で決着、角田裕毅は堅実なP6
・メルセデスはロングスティント+好ピットで成果、マクラーレンはピットミスで痛手
・軽い降雨予報は杞憂、風と路面の変化が主因の難コンディション
カテゴリー: F1 / F1アゼルバイジャンGP