アストンマーティンF1 ブラジルまで躍進を阻んだ「公の場での研究開発」
アストンマーティンF1は、先週末のサンパウロGPで最近の不振をどのように覆したのか、またその不振が2024年の開発作業とどのように関係しているのかについて明かした。

アストンマーティンF1は、インテルラゴスで表彰台に返り咲いたが、それ以前の6戦では6位が最高位で、2台揃ってポイント圏内に入ったのは7月のベルギーGP以来だった。

この調子の低下はAMR23に一連のアップグレードを導入したことと重なり、ドライバーたちはイベントを重ねるごとに順位を下げていった。

アストンマーティンF1のパフォーマンスディレクターであるトム・マッカローは、最近のアップグレードでチームが取っていたアプローチを説明した。

「来年に向けて、大規模なテストと理解を行うことに本格的に取り組み、持っているすべてのデータを使用してそれを実行していた」とマッカローは語った。

「今は、我々がこれまでやってきたことをすべて組み合わせて最高のスペックのマシンを組み立て、クリーンな週末を実行することだけが重要だ。なぜなら、すべての研究開発を行うのは、特にスプリントイベント中は大変だからだ」

チームは、2週間前のアメリカGPのようにセットアップを変更するためにマシンをピットレーンからスタートさせ、週末を台無しにすることを避けようとした。

「ピットレーンからスタートしたくないし、ああいうことはやりたくない。我々はトラック上でやりたいことは分かっていて、それをやり遂げた。我々が望んでいたほど簡単には起らなかったが、スプリントイベントでフリープラクティスがうまくいかなければ、それが起こる。すべてが計画からかなり早く外れてした」

チームはラウンドごとに「決して同じ仕様のマシンを走らせない」とマッカローは説明した。

「特定のサーキットには特定のビットがあり、我々は常にマシンを開発し、そのトラックの要件(低速、中速、高速、直進効率)に対して最高のマシンを提供する要素を組み合わせようとしている。だから、開発ツールやCFD、風洞と比較すると、常に思うようなパフォーマンスを発揮できない部分が常に存在する」

「我々はトラック上のマシンを本当によく理解している。この10年間、この分野にはかなり力を入れてきた。リアリミテットのトラックや、スルーコーナーの『これ』、低速から高速の『あれ』など、ドライバーのリミットに対して、『これがいい、こう走るべきだ』とすぐに言うことができる。適切な部分を組み合わせることで、今週末はそれが見えてくると思う」

マッカローのコメントは、ランス・ストロールとフェルナンド・アロンソがブラジルGPの予選でアストンマーティンをそれぞれ3番手と4番手につけた後のものだった。アロンソはその日、ザントフォールトでのオランダGP以来となる表彰台に上り、ストロールは5位でフィニッシュし、4か月で最高のレース成績を収めた。

「9週間前のザントフォールトでは、とても満足のいくマシンに仕上がっていた」とマッカローは語った。「それは少しトラックに特化している。いくつかのパーツを導入し、テストを行った。皆さんの前で、しかも2回のレースウィークエンドにわたって、少し研究開発をやりすぎたが、今になって考えると、それは正しい行動ではなかったかもしれない」

「だが、来年に向けたカギとなるクルマの開発方法をよく理解できたことには満足している。これは来年につながる重要なデータだ。それを手に入れたからには、あとは残り3レースをできる限り力強く戦えるように努めるだけだ」

アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

クルマだけでなく、チームが研究開発作業に取り組む方法にも改善が必要だったとマッカロー氏は付け加えた。

「レギュレーションに基づき、我々の理解、風洞、CFDを適応させなければならなかった。誰もがそうしなければならなかった」

「これらのツールの相関性を高めるために、かなり極端なことをしなければならなかった、クルマにはたくさんのエアロ・レーキを見ることができる。同時に、実際のクルマでこれを行ったときに、クルマのフロントからリアにかけての流れ場がどうなっているかが重要なんだ。それが我々が手に入れる必要があったものだ」

「我々はそのデータを入手した。そしてそれはすべて相関関係と開発の一部であり、来年のマシンに反映される」

アストンマーティンのドライバーたちがブラジルでより競争力を発揮できたのは、チームが2024年に向けての開発に取り組むのではなく、現在のマシンを最大限に生かすことにフォーカスを切り替えたからだ。

「ドライバーたちはとても満足している」とマッカローは認めた。「少なくともこのトラックでは、彼らがドライブし、ハードに走れるマシンを提供できた」

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カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム