フェルナンド・アロンソ インディカー インディ500
フェルナンド・アロンソのインディカー初テストを見守ったアンドレッティ・オートスポーツの面々は、一様にフェルナンド・アロンソの資質に感銘を受けたと語る。

フェルナンド・アロンソは3日(水)にインディアナポリスでインディカーをテスト。初のオーバルコースでインディ500参戦に必要なルーキー・オペレーションをクリアし、最終的に合計で110周を走行して、最高速度222.548mphに到達した。

アンドレッティ・オートスポーツのチーム代表であり、インディ500ではフェルナンド・アロンソの戦略を指揮するマイケル・アンドレッティは「彼は完璧な仕事をした」とコメント。

「彼はやるべきことをすべて成し遂げ、ルーキー・オリエンテーション・プログラムの3つのフェーズをこなした。走行の合間にはデータをチェックしし、走行中のフィーリングとデータを見比べていた。彼はもうオーバルでの走りについて理解している。彼は世界最高レベルのドライバーとみなされているが、その理由がわかった。ラインを調整しながら、1周ごとに変更しながら感触を掴んでいた。ややアンダーステアだったが、アンダーステアに対応してラインをアジャストしていた。彼は本物だ。彼はいろいろなことを試していた。少しペースが遅いと思ったら、次のラップにはペースを戻していたい。今月のインディ500ではかなりの強さを見せつけると思う」

アンドレッティのCOOを務めるロブ・エドワーズは「彼の実績を考えれば、良い仕事を期待しないわけがない」とコメント。

「彼が準備に費やした時間を考えれば、あらゆる点で彼にはとにかく素晴らしかった。何を予想すればいいかについて独学で多くの時間を費やし、努力をしていた。あらゆる点で期待通りだったと思う。天候によって妨げられはしたが、全てのチェックリストを埋めることができた。全員が分かったと思うが、我々は安全な走行をしていた。彼はルーキーがカーブデイまでチャンスを得られないターン4の立ち上がりを経験できた。彼の探究心が垣間見れた。何度か彼はターン4よりもターン3を入念に行っていた。今日トラックの出来る限り多くの側面を経験しようとしていたからだ。彼が行っていた全てに感銘を受けた。それが彼の資質なのだから、驚くべきではないかもしれないがね」

フェルナンド・アロンソのレースエンジニアは、チップ・ガナッシでスコット・ディクソンをインディ500の勝利と3度のインディカーチャンピオンに導いたエリック・ブレッツマンが務める。

「彼はシミュレーターで数周走っていたが、もちろん、どのような展開になるかは決して確信できないものだ」とエリック・ブレッツマンは語る。彼が予想していたものにより近かったし、彼はかなり早い段階でそれなりに快適に走れていた。それは彼がいかにイメージができていたかによるところが多いと思う。それが全てではないかもしれないがね。彼はトラックの詳細とニュアンス、異なるコーナーやラインについて非常に良い理解と評価ができたと思う。彼は多くの正しい質問をしてきた。正しいことを多くを心配しているようだ。かなり印象的だ」

インディカーのルーキーのなかには初日を終えて圧倒されてクルマから降りる者もいるが、フェルナンド・アロンソにはそういった様子は見られなかったとエリック・ブレッツマンは語る。

「雨が降らなければ、彼は日が沈むまで走っていただろう」とエリック・ブレッツマンは語る。「現時点では先走ってはいないし、それは良いことだ。彼には対処しなければならないより多くの経験がある。トラフィックのなかでの走行については経験していないので、夜にそれについて話をした。それが彼の次の大きなチャレンジであり、どうすべきか理解しなければならないことだ。我々にとっての次の大きなチャレンジは、彼が望むクルマに仕上げられるようにより広いウインドウにクルマを維持しておくことだ」

フェルナンド・アロンソの資質とアンドレッティ・オートスポーツのクルマのクオリティを考えれば、220mph台のスピードで走れるのは間違いない。エリック・ブレッツマンは、アロンソに自信をつけされるために快適なダウンフォースを保っていたが、F1スペインGP後に戻ってくるときにはそこを変えていく必要があると語る。フェルナンド・アロンソは、エリック・ブレッツマンが何を求めているかを把握するところまで到達することがプロセスの一部となり、アンドレッティ・チームは何を望み、何を避けるべきかを教育していく必要がある。

「我々は誰もが陥る気をつけなければならないいくつかの落とし穴を彼に教えている。もちろん、プッシュを抑え続けることはできないものだ。ウォールへ向かうアンダーステアなど厳しい方法を理解していくことになるからね。彼はかなり良いハードディスクを搭載しているようであり、多くのことをうまく処理している。我々は彼に練習方法を教え、彼必要としている疑問を理解する手助けをしなければならない」

例えば、サスペンションの調整はアロンソのメンタル面のデーターベースに加えられたとエリック・ブレッツマンは語る。

「彼はおおらかさとこだわりが驚くほど組み合わされている。我々は左リアのサスペンションに変更を施した。彼が以前に経験したことのない、非対称の変更を感じられるようにね。F1ではそんなことはしないだろうが、オーバルでは普通のことだ。だが、彼は右フロントの感覚を変えるような左リアのスピリングの変更は決して感じたことはなかった。シミュレーターでそれを試していたが、彼は『なるほど。面白いね...』と注目していた。なので、我々はそれを現実世界で彼に経験させたかった」

「彼はひとつのことをやるためにここにいる。それはレースに勝つことだ。彼が準備のためにやっているすべてはその目標を達成するためだ。彼はインディ500に参戦したくてここにいるわけではない。彼はインディ500に勝ちたくてここにいる」

「彼はよそよそしくもないし、うぬぼれてもいない。そのような先入観があったかもしれない。彼は走ることを楽しんでいる。彼は称賛し、チームの全員が非常に短い時間で彼に好意を寄せいている。彼が達成してきた全てに関して、彼は非常に現実的で、非常にノーマルだし、彼と仕事をするのは非常に素晴らしいことだ」

フェルナンド・アロンソの唯一のトラブルは、午後のセッションでは2羽の鳥がマシンに巻き込んだことだ。それはテストプランの一部だったかと質問されたエリック・ブレッツマンは、チェックリストにはなかったことだと笑った。

「彼は2羽の鳥を捕まえたことを見せびらかしていたね・・・」とエリック・ブレッツマンは笑う。「長年やってきたが、1羽以上は決してなかった。過去に多くの鳥を捕まえてきたが、一度に2羽はなかったね」

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カテゴリー: F1 / フェルナンド・アロンソ / インディカー