エイドリアン・ニューウェイ RB7
エイドリアン・ニューウェイが、レッドブルの2011年マシン「RB7」のデザインについて語った。

シンプルな質問から始めます。なぜRB7はあんなに速いのですか? 全体的なパッケージですか?それとも1〜2つの事がライバルよりも優れているからですか?
我々は常にパッケージとしてマシンをデザインしようとしているし、全体論で見て全てのコンポーネントを調和させようとしている。すべてのコンポーネントの相互作用、特に空力はその方法をとるべきだ。

セバスチャン・ベッテルは、チャンピオンを獲ったRB6よりもRB7でのドライビングの方が快適だと言っています。快適性は重要ですか?
それが我々が成し遂げようとしていることだ。ダブルディフューザーがなくなり、ダウンフォースが少なくなることはわかっていたので、我々はドライバーが快適にダウンフォースを使えることを確実にしたかった。マシンは特にセバスチャンやマーク(ウェバー)に合わせて設計しているわけではないが、少なくとも彼らのフィードバックの成果はある程度ある。我々は彼らの言うことを耳を傾け、フィードバックに注目し、一緒に物事を育てている。浸透のプロセスだ。

マクラーレンは、“タコ”エキゾーストを捨てて、レッドブルのようなシステムを展開したときから主要なライバルになったように思えます。それについての見解は?
腹立たしいが、嬉しいことでもある。確かに彼らはそれによって大きな前進を果たしたし、彼らにとっては特にうまく働いているように思える。それがF1の特性だ。我々は開発を続け、前に留まるために新しいアイデアを考え出していかなければならない。

あなたがグリッドで他チームのマシンをじっと見つめて立っている姿がよく見られます。現時点で際立ったなにかはありますか?
おっと! 特に際立ったものは覚えていない。グリッドで他のマシンを見るのは当然のことだ。彼らがどのように解決策をとっているかね。単純に、見に行ってそれを直接コピーすると言っているわけではない。だが、他のソリューションを見て「今、彼らはなぜそれをしているのか?」と考えることによって、自分たちのクルマに新しいアイデアが浮かぶかもしれない。

ルノーが上昇しているように思います。彼らはあなた達と同じエンジンと似たようなKERSを持っていますが、非常に革新的なエキソース処理をしています。似たようなことを試みましたか?
冬の間、ルノーが出してきたエキゾーストの噂を聞いていたが、それの調査に時間を費やすことはしなかった。利用できる時間を自分たちのことに集中することに決めた。それがF1というものだ。異なる手法を用いることはよくあることだし、どれが最も成果を挙げるかを予測するのは非常に難しい。誰にもわからないことだ。ルノーは彼ら自身の開発を進めるだろうし、我々よりも究極のポテンシャルを見い出すかもしれない。知ることはできないし、すべての手法を調べることは不可能だ。薄く分散し過ぎてしまうと思う。

前年の努力と比較して、RB7はあまり急進的には見えません。今シーズンの未知な部分は、あなたを保守的にしましたか?
RB7は、RB5の孫だ。2009年に新しいレギュレーションが導入され、RB5で以前のレッドブルとは非常に異なるマシンになった。レギュレーションに則したそれなりのソリューションだった。RB6は、その進化版であり、RB7はRB6の進化版だ。RB5と今のRB7を並べれば、そこにはまだかなり強い類似点がある。RB6と異なる部分はいくつかあるが、それほど明確ではない。ボディワークを外さない限りはね。我々はいくつかのエリアを境界までプッシュしてきた。他のエリアは閉ざされた進化だ。

RB5はシングルディフューザーでスタートし、それを最大限に引き出すためにほぼ10年間見られなかったプルロッド・サスペンションを引っ張り出しましたね。今でもそのアドバンテージは残っていますか?
私の意見では、プルロッド・リアサスペンションはシングルディフューザーのマシンにとってより優れたソリューションだ。ダブルディフューザーのマシンでは、プルロッドとプッシュロッドとの選択はそれほど明確ではなかった。なので、我々には他チームよりも2年間のプルロッドの経験がある。RB5とRB6で進化のためのそれなりの基礎を築けたと思う。正当な理由がない限り、異なって見えるようなクルマを作り出しても意味はない。

レッドブルのマシンがセッションを支配するときは、いつもフロントウイングの合法性について囁かれ始めます。それにはどのように応えていますか?
正直、ちょっと退屈だ。昨年、我々のフロントウイングについて不満を言われながらシーズンを過ごした。FIAによるテストはより厳しくなっているし、詳細に調べられている。つまり、率直に言って、レギュレーションはフロントウイングに何ができるか、何ができないかについて非常に明確なので、レギュレーションを変えることは特定のチームの努力だと思う。残りはどのようにマシンを走らせるかにかかっている。我々はマシンにかなり多くの傾斜をつけることを選んだ。リアが高くなり、フロントが低くなるということだ。他チーム、例えばマクラーレンは、逆の方法を選んだ。彼らはかなり傾斜が少ないマシンを走らせている。リアが低いマシンを走らせれば、自動的にフロントウイングは高いということになる。

今年の技術戦争はどこになると思いますか?
うーん・・・すでに見てきたようにエキゾーストシステムは開発において大きなエリアだ。去年と比較して変ったことは、ディフューザーとエキゾーストだ。マシンをタイヤに合わせ、ダブルディフューザーの禁止に対処することが、表面上での開発における最大のエリアだ。KERSもそうだが、それは主にパッケージングの課題だ。



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カテゴリー: F1 / レッドブル・レーシング