MotoGP:ヤマハ 2022年 開幕戦 カタールGP 決勝レポート
2022年の開幕戦でクアルタラロとモルビデリが9位、11位
Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロは好スタートを切り、最初の数ラップで大きく順位を上げると9位でチェッカー。チームメイトのフランコ・モルビデリは中段グループからなかなか抜け出せず苦戦したが、最後までプッシュして11位を獲得している。
ロサイル・インターナショナル・サーキットは好天に恵まれ、シーズン開幕戦に相応しい絶好のコンディション。グリッドに並んだ24人のライダーは、期待を胸に第1コーナーへ飛び込む準備を整えていた。
クアルタラロは作戦を完ぺきに実行し、11番グリッドから一気に7番手にジャンプアップ。オープニングラップのなかでひとつ下げて8番手に落ち着いた。そのあとはなかなか順位を上げられずに10番手まで後退したが、12ラップ目に前方でF・バニャイア(ドゥカティ)とJ・マルティン(ドゥカティ)の転倒があり、再び8番手へと浮上。残り11ラップはタイヤをいたわりながら走行し、最終的にはトップから10.543秒差の9位でゴールした。
チームメイトのモルビデリはスタートで順位を上げることができず、1ラップ目を16番手で終えると、さらにひとつ順位を下げて17番手となる。その後はほぼ単独走行となり、自分のペースに集中した。12ラップ目までに前方の転倒などにより11番手まで浮上したあとは、このポジションを守り切ってチェッカーを受けた。トップとの差は16.712秒だった。
この結果、クアルタラロとモルビデリはそれぞれ7ポイントと5ポイントを獲得してランキング9位と11位。ヤマハはコンストラクター・ランキングで7ポイントを獲得して6位、Monster Energy Yamaha MotoGPはチーム・ランキングで12ポイントを獲得して6位となっている。
第2戦インドネシアGPは2週間後、マンダリカ・サーキットで開催される。
WithU Yamaha RNF MotoGP TeamがMotoGPデビューを果たす
WithU Yamaha RNF MotoGP Teamのアンドレア・ドビツィオーゾは、シーズン開幕戦で14位獲得と健闘した。20番グリッドから絶好のスタートを切ると一気に数台をパス。しかしその後リズムをつかめず、5ラップまでに22番手へ後退してしまう。それでも周回を重ねるなかで少しずつスピードを上げ、12ラップ目にはポイント圏内まで浮上。さらに13ラップ目には自己ベストも記録した。レース後半も豊富な経験を生かして巧みに走り切り、14位でチェッカーを受けて今季初ポイントを獲得している。
チームメイトのダリン・ビンダーもMotoGPデビュー戦で素晴らしい走りを見せた。予選ではルーキーらしいミスが出てグリッド最後尾に留まったが、決勝はスタート良く飛び出して7ラップ目で20番手に浮上。さらに少しずつ前方との距離を縮めていった。後半はルーキー同士で好バトルを展開するなど健闘し、一時はポイント圏内まで上がっていたが、最終的には0.012秒の僅差で16位となった。
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ(9位)
「スタートはとてもうまくいきました。初めからタイヤの空気圧が高くて少し奇妙な感じがあったのですが、それでも最大限までプッシュしていきました。期待したほどペースが上がらず苦しい状況でしたが、今日はこれが精一杯でした。100%の準備をし、100%集中することが私の仕事です。そのことをすべてのレースで、すべてのポジションで実行するだけです。3位でも5位でも15位でも、ポジションに関係なく常にベストを尽くします」
フランコ・モルビデリ(11位)
「難しいレースでした。今回はずっとリアタイヤのグリップに苦戦していて、良いパフォーマンスにつなげることができません。スタートで大きく出遅れ、最初の数ラップも、もっといければよかったのですが、それができずに集団に飲み込まれてしまいました。そのあと少し落ち着いてからはペースを守り、まずまずの走りができたと思います。今の自分の最大限に近づき、良いフィーリングをつかむこともできました。しかし私の最大限では、まだトップに立つことはできず、このことは問題です。でもカタールは特殊なコースであり特殊なレースなので、ここから前を向いて進んでいきます。問題点を心に留め、必ず解決していきます。次のマンダリカも全力で臨み、全力で仕事に励みます。その結果、どの位置に立てるかが楽しみです」
マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)
「昨日の予選が終わった時点で、今日の苦戦は十分に予想できました。しかしそれでも、この結果はとても残念です。このサーキットに到着したときには、もっと大きな期待を持っていました。ふたりとも、レース開始直後からタイヤの空気圧の異常な高さを感じていて、このことで本来のパフォーマンスを発揮することができませんでした。私たちは原因を追求していきます。クアルタラロ選手は絶好のスタートが有利に働き、難しい状況のなかでベストを尽くしてくれました。モルビデリ選手はスタートに少し手間取りましたが、その後は安定したリズムで走り切りました。第2戦に向けて前進を目指し、私たちが本来いるべきトップポジションに近づいていきます」
WithU Yamaha RNF MotoGP TeamがMotoGP
アンドレア・ドビツィオーゾ(14位)
「決して喜べる状態ではありません。序盤でポジションを上げることができましたが、フロントの空気圧に問題があり、マシンの制動が思うようにできませんでした。3回も転倒しそうになり、2回コースアウトしてしまったのです。これで大きく順位を下げてしまいました。それでも後半、空気圧の状態がいくらか改善されてくると、またプッシュできるようになり、通常のラップタイムで走行できるようになりました。とは言えスピード自体はまだ十分ではありません。そして特別な乗り方をしなければ、たとえそれほど速くなかったとしても、タイヤを使い過ぎてしまうような状況です。これには満足できません。だから私たちはもっと勉強し、何をすべきかを理解するため努力を続けなければなりません」
ダリン・ビンダー(16位)
「カタールでの開幕戦を終え、全体的にはとてもハッピーです。学ぶべきことが多過ぎて、ウイークの限られた時間のなかですべてを完ぺきに行うのは難しいでしょう。昨日は予選で失敗してしまったので、今日はとにかくひとつひとつ、できるだけ多くを学びたいと思って臨みました。スタートはまずまずうまくいって、序盤はペースも良かったので何台かパスもして、初めの何周かはプッシュしすぎたかもしれません。レースは長いので、5ラップ目くらいまでは一歩下がって自分の足元を確認するべきでした。終盤はガードナー選手と好バトルを展開し、ルーキー同士の競り合いを楽しむこともできました。レース全体を通してたくさんのことを学び、最後は何とか15位を獲得したいと思いましたが、わずかに届きませんでした。決勝を完走し、22ラップの経験を積んだ今、次の課題もわかっています」
ラズラン・ラザリ(チーム創設者・代表)
「とてもいいレースだったと思います。ビンダー選手が他のルーキーたちと競り合い、最後にMoto2チャンピオンのレミーにわずかに及ばなかったことを、非常にうれしい気持ちで見ていました。1ポイントを獲得することも良いと思いますが、それ以上に、ルーキー同士の競り合いを経験できたことのほうが、ずっと価値があります。今後のレースのなかで、できることがもっと多くなってくるでしょう。ドビツィオーゾ選手については、すでに多くの貢献をしてくれおり、その状況を見れば、ここからさらに改善できると思っています。チームとしては、数ポイントを獲得できた今回のレースに満足しています。次も楽しみです」
ウィルコ・ズィーレンベルグ(チーム・マネジャー)
「開幕戦を終えて、ダリンのパフォーマンスにはうれしい驚きがありました。'ルーキー・オブ・ザ・ルーキー'と言われるなかでのスタートは簡単ではありませんが、彼は本当によくやりました。好スタートを決め、他のルーキーとバトルし、たくさんのことを学びました。ポイントは逃しましたが、昨年のMoto2チャンピオン、レミーに敗れただけなのです。これからも彼らと戦っていくでしょう。それが私たちの目標です。アンドレアは序盤、混戦のなかでマシンの制動などに苦戦しました。フロントタイヤの感触がつかめず、後半は55秒台を回復しましたが、それでは十分ではありませんでした。彼は戦うため、パフォーマンスを発揮するために戻ってきました。問題を解決し、強さを発揮できるよう私たちも頑張ります」
カテゴリー: F1 / MotoGP
Monster Energy Yamaha MotoGPのファビオ・クアルタラロは好スタートを切り、最初の数ラップで大きく順位を上げると9位でチェッカー。チームメイトのフランコ・モルビデリは中段グループからなかなか抜け出せず苦戦したが、最後までプッシュして11位を獲得している。
ロサイル・インターナショナル・サーキットは好天に恵まれ、シーズン開幕戦に相応しい絶好のコンディション。グリッドに並んだ24人のライダーは、期待を胸に第1コーナーへ飛び込む準備を整えていた。
クアルタラロは作戦を完ぺきに実行し、11番グリッドから一気に7番手にジャンプアップ。オープニングラップのなかでひとつ下げて8番手に落ち着いた。そのあとはなかなか順位を上げられずに10番手まで後退したが、12ラップ目に前方でF・バニャイア(ドゥカティ)とJ・マルティン(ドゥカティ)の転倒があり、再び8番手へと浮上。残り11ラップはタイヤをいたわりながら走行し、最終的にはトップから10.543秒差の9位でゴールした。
チームメイトのモルビデリはスタートで順位を上げることができず、1ラップ目を16番手で終えると、さらにひとつ順位を下げて17番手となる。その後はほぼ単独走行となり、自分のペースに集中した。12ラップ目までに前方の転倒などにより11番手まで浮上したあとは、このポジションを守り切ってチェッカーを受けた。トップとの差は16.712秒だった。
この結果、クアルタラロとモルビデリはそれぞれ7ポイントと5ポイントを獲得してランキング9位と11位。ヤマハはコンストラクター・ランキングで7ポイントを獲得して6位、Monster Energy Yamaha MotoGPはチーム・ランキングで12ポイントを獲得して6位となっている。
第2戦インドネシアGPは2週間後、マンダリカ・サーキットで開催される。
WithU Yamaha RNF MotoGP TeamがMotoGPデビューを果たす
WithU Yamaha RNF MotoGP Teamのアンドレア・ドビツィオーゾは、シーズン開幕戦で14位獲得と健闘した。20番グリッドから絶好のスタートを切ると一気に数台をパス。しかしその後リズムをつかめず、5ラップまでに22番手へ後退してしまう。それでも周回を重ねるなかで少しずつスピードを上げ、12ラップ目にはポイント圏内まで浮上。さらに13ラップ目には自己ベストも記録した。レース後半も豊富な経験を生かして巧みに走り切り、14位でチェッカーを受けて今季初ポイントを獲得している。
チームメイトのダリン・ビンダーもMotoGPデビュー戦で素晴らしい走りを見せた。予選ではルーキーらしいミスが出てグリッド最後尾に留まったが、決勝はスタート良く飛び出して7ラップ目で20番手に浮上。さらに少しずつ前方との距離を縮めていった。後半はルーキー同士で好バトルを展開するなど健闘し、一時はポイント圏内まで上がっていたが、最終的には0.012秒の僅差で16位となった。
Monster Energy Yamaha MotoGP
ファビオ・クアルタラロ(9位)
「スタートはとてもうまくいきました。初めからタイヤの空気圧が高くて少し奇妙な感じがあったのですが、それでも最大限までプッシュしていきました。期待したほどペースが上がらず苦しい状況でしたが、今日はこれが精一杯でした。100%の準備をし、100%集中することが私の仕事です。そのことをすべてのレースで、すべてのポジションで実行するだけです。3位でも5位でも15位でも、ポジションに関係なく常にベストを尽くします」
フランコ・モルビデリ(11位)
「難しいレースでした。今回はずっとリアタイヤのグリップに苦戦していて、良いパフォーマンスにつなげることができません。スタートで大きく出遅れ、最初の数ラップも、もっといければよかったのですが、それができずに集団に飲み込まれてしまいました。そのあと少し落ち着いてからはペースを守り、まずまずの走りができたと思います。今の自分の最大限に近づき、良いフィーリングをつかむこともできました。しかし私の最大限では、まだトップに立つことはできず、このことは問題です。でもカタールは特殊なコースであり特殊なレースなので、ここから前を向いて進んでいきます。問題点を心に留め、必ず解決していきます。次のマンダリカも全力で臨み、全力で仕事に励みます。その結果、どの位置に立てるかが楽しみです」
マッシモ・メレガリ(チーム・ディレクター)
「昨日の予選が終わった時点で、今日の苦戦は十分に予想できました。しかしそれでも、この結果はとても残念です。このサーキットに到着したときには、もっと大きな期待を持っていました。ふたりとも、レース開始直後からタイヤの空気圧の異常な高さを感じていて、このことで本来のパフォーマンスを発揮することができませんでした。私たちは原因を追求していきます。クアルタラロ選手は絶好のスタートが有利に働き、難しい状況のなかでベストを尽くしてくれました。モルビデリ選手はスタートに少し手間取りましたが、その後は安定したリズムで走り切りました。第2戦に向けて前進を目指し、私たちが本来いるべきトップポジションに近づいていきます」
WithU Yamaha RNF MotoGP TeamがMotoGP
アンドレア・ドビツィオーゾ(14位)
「決して喜べる状態ではありません。序盤でポジションを上げることができましたが、フロントの空気圧に問題があり、マシンの制動が思うようにできませんでした。3回も転倒しそうになり、2回コースアウトしてしまったのです。これで大きく順位を下げてしまいました。それでも後半、空気圧の状態がいくらか改善されてくると、またプッシュできるようになり、通常のラップタイムで走行できるようになりました。とは言えスピード自体はまだ十分ではありません。そして特別な乗り方をしなければ、たとえそれほど速くなかったとしても、タイヤを使い過ぎてしまうような状況です。これには満足できません。だから私たちはもっと勉強し、何をすべきかを理解するため努力を続けなければなりません」
ダリン・ビンダー(16位)
「カタールでの開幕戦を終え、全体的にはとてもハッピーです。学ぶべきことが多過ぎて、ウイークの限られた時間のなかですべてを完ぺきに行うのは難しいでしょう。昨日は予選で失敗してしまったので、今日はとにかくひとつひとつ、できるだけ多くを学びたいと思って臨みました。スタートはまずまずうまくいって、序盤はペースも良かったので何台かパスもして、初めの何周かはプッシュしすぎたかもしれません。レースは長いので、5ラップ目くらいまでは一歩下がって自分の足元を確認するべきでした。終盤はガードナー選手と好バトルを展開し、ルーキー同士の競り合いを楽しむこともできました。レース全体を通してたくさんのことを学び、最後は何とか15位を獲得したいと思いましたが、わずかに届きませんでした。決勝を完走し、22ラップの経験を積んだ今、次の課題もわかっています」
ラズラン・ラザリ(チーム創設者・代表)
「とてもいいレースだったと思います。ビンダー選手が他のルーキーたちと競り合い、最後にMoto2チャンピオンのレミーにわずかに及ばなかったことを、非常にうれしい気持ちで見ていました。1ポイントを獲得することも良いと思いますが、それ以上に、ルーキー同士の競り合いを経験できたことのほうが、ずっと価値があります。今後のレースのなかで、できることがもっと多くなってくるでしょう。ドビツィオーゾ選手については、すでに多くの貢献をしてくれおり、その状況を見れば、ここからさらに改善できると思っています。チームとしては、数ポイントを獲得できた今回のレースに満足しています。次も楽しみです」
ウィルコ・ズィーレンベルグ(チーム・マネジャー)
「開幕戦を終えて、ダリンのパフォーマンスにはうれしい驚きがありました。'ルーキー・オブ・ザ・ルーキー'と言われるなかでのスタートは簡単ではありませんが、彼は本当によくやりました。好スタートを決め、他のルーキーとバトルし、たくさんのことを学びました。ポイントは逃しましたが、昨年のMoto2チャンピオン、レミーに敗れただけなのです。これからも彼らと戦っていくでしょう。それが私たちの目標です。アンドレアは序盤、混戦のなかでマシンの制動などに苦戦しました。フロントタイヤの感触がつかめず、後半は55秒台を回復しましたが、それでは十分ではありませんでした。彼は戦うため、パフォーマンスを発揮するために戻ってきました。問題を解決し、強さを発揮できるよう私たちも頑張ります」
カテゴリー: F1 / MotoGP