メルセデスF1副技術責任者レスタ 2026年新レギュレーションに「驚きはない」

2026年からF1は、内燃機関におけるMGU-Hの廃止、電力依存の拡大、アクティブエアロダイナミクスの導入、車重の削減といった、大幅なレギュレーション変更を迎える。
当初、一部のチームや関係者の間では「パワー依存の高いサーキットで、ストレート中にバッテリーが切れるのではないか」との懸念も噴出。これに乗じてV10エンジンへの回帰を求める動きも一部で見られたが、最終的にF1とFIAは2026年レギュレーションへの方針を堅持。現在は全チームがFIAと緊密に連携しながら問題解決に取り組んでいる。
レスタは、懸念された技術的な落とし穴についても「すでに多くが解消されつつある」とし、こう語る。
「FIAは各チームからの意見を積極的に受け入れており、規則の抜け道を塞ぐ作業が進んでいる。サプライズはないと思う。ルールはかなり明確に定義されており、各チームが差をつけるための多様なプロジェクトが見られるはずだ」
「FIAはよくやっていると思う。非常に包括的なルールパッケージをまとめ、チームに大きな自由度を与えている。今は話す時ではなく、行動する時だ」

バッテリー切れの懸念が囁かれている高速サーキットについても、レスタは限定的な影響に留まるとの見通しを示す。
「たしかに、どのサーキットかによって理解すべき課題はあるかもしれない。だが、多くのサーキットでは問題は顕著にはならないと思う。モンツァでは影響が出るかもしれないが、パワーユニットの使い方にも変更があるため、大きな問題にはならないだろう」
開発作業については、1月以降すでにトンネルおよびCFD(数値流体力学)による解析が始まっており、レスタは「失われたダウンフォースの回復が進んでいる」と語る。
「レギュレーションは進化を重ねてきたが、現時点では安定しており、成熟してきたと言える。空力面ではまだ細かい調整が続いているものの、基本的な枠組みは定まった。これはポジティブなことだ。各チームは実際に開発を開始し、今まさにその過程にある」
アストンマーティンに移籍したエイドリアン・ニューウェイも「初見の印象よりも柔軟で創造的なアプローチが可能」と語っており、技術革新が新時代の鍵を握ることになりそうだ。
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