メルセデス、F1モナコGPでの“意外”なチームオーダー
メルセデスは、F1モナコGPでニコ・ロズベルグにルイス・ハミルトンを先に行かせるようにチームオーダーを出した。
前戦F1スペインGPでは、同士討ちによってダブルリタイアに終わっていた二人。これまでも二人のチーム内でのライバル関係は大きな話題となっている。
しかし、F1モナコGPでは、ニコ・ロズベルグが16周目にボー・リバージュであっさりとポジションを譲った。
その時点でニコ・ロズベルグはペースに苦戦しており、チームから指示が出た時にはラップリーダーのダニエル・リカルド(レッドブル)に対して1周あたり1.6秒を失っていた。
ニコ・ロズベルグのパフォーマンス不足は、セーフティカー先導の序盤8周の間にブレーキとタイヤ温度を失ったことが原因であり、それ以降もニコ・ロズベルグはタイヤを交換するまでペースを取り戻せていない。
まず、メルセデスはニコ・ロズベルグにペースを上げるように無線で指示を出したが、ペースアップが困難と分かるとルイス・ハミルトンに道を譲るよう伝えた。
ニコ・ロズベルグは競争することなくライバルにオーバーテイクさせたことが“とてもつらかった”と認めつつも、チームのルールに従って行動したと主張している。
「まず、あの時はとても単純だった。ずっと決めてあるルールがあるからね。あのペースでは優勝など争えないし、本当に最悪だったけど、ルイスにチャンスを与える必要があったのは明らかだ」とニコ・ロズベルグは述べた。
「チームからはペースを上げるように警告されていたけど、できなかったからね、次のステップはルイスを先に行かせることし、たぶん、そういう意味ではチームにとって最終的なリザルトに価値をもたらしたと思っている。だから、あの時はああするのが正しかった。そうしなければルイスは勝てていなかっただろうしね」
「あれがあったから、チームはモナコで勝利を掴むことができた。だから、完全に理にかなったことだし、とてもシンプルな話だ。もちろん、とてもつらかった。それは間違いないけど、覚悟を決めるのは簡単だったし、ずっと言っているように、あの瞬間は別にチャンピオンシップのことなんて考えていない」
「モナコで勝ちたかったのでガッカリしている。ホームレースで勝ちたかった。シーズンの中で一番エキサイティングなレースだし、僕は勝つためにここに来ているので、まったく届かなかったことにとても落胆している。それだけだ。何ポイント差とか、そういうのは気にしていないからわからない」
ルイス・ハミルトンは、ニコ・ロズベルグへの感謝を示している。
「それまで何があったか知らなかった。彼にトラブルがあったのかと思っていた」とルイス・ハミルトンは説明。
「多分温度だと思う。僕もそうだったからね。僕は何とかブレーキとタイヤの温度をキープできた」
「ニコの後ろにいたとき、僕の方がずっと速いことはわかっていた。でも、彼の水しぶきで何も見えなかったし、後ろに引っかかっていたら二人ともこのレースでは勝てないと思っていた。でも、彼が話したように、僕たちにはチームからプッシュを求められたときにそれができず、チームの優勝チャンスを潰すような状況についての合意がある」
「そういう合意はあるけれど、ここでそれを聞くまでそういうことだとは知らなかった。だから、ジェントルマンでいてくれて感謝している」
ルイス・ハミルトンは、チームにニコ・ロズベルグをどかせるように要請はしていないという。
「全然。彼をどかせるように言うなんて、そんなこと本当に滅多にないことだ。僕はニコのすぐ後ろにいて、エンジニアから言われて、僕の方がずっと速いけれどパスするのはとにかく厳しいって答えた。そこから何かが起こったのかどうかは知らないけど、僕はこのレースに勝てると感じつつ、後ろにひっかかっていることでチームの優勝はないなと思っていた」
メルセデスを率いるトト・ヴォルフは、ニコ・ロズベルグに対する指示をチームが軽く決断したわけでないと強調している。
「まず、どのドライバーにとってもあのよな決定を受け入れるのは非常に難しいことだ。我々はそれを理解している。だからこそ、何周にも渡って状況を調べた。結果、多くのレースタイムを失っている」
「数周ほど様子を見て、タイヤが機能し始めることを願ってはみたが、ほとんどダメージを負ったマシンのような状態だったのであの判断に至った。これまでやって来たことではなかったので、何度も話し合ったが、マシンに問題があるのは明らかだった」
トト・ヴォルフによると、ピットウォールからの指示に対してニコ・ロズベルグは疑問さえ口にしなかったという。
「ひとつの質問もなかった。最初はできるならペースを上げるように指示し、そうでなければ道を譲るようにと言った。1周後、先に行かせるようにと言ったらすぐに対応してくれた」
F1モナコGPで、ルイスハミルトンとニコ・ロズベルグとのポイント差を一気に19ポイントまで縮まった。
元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーは、ニコ・ロズベルグの行為に疑問を呈している。
「チームはニコは一流だったと言っているが、最終的に彼はワールドチャンピオンになりたいはずだ。最後にニコが2〜4ポイントで逃したら、彼はルイスを先に行かせたことを思い出すだろう。それにルイスは同じことはしないと思う」と Bild に述べた。
ニコ・ロズベルグのこの行為はチームとの契約のためだとの見方もある。今年末でメルセデスとの契約が切れるニコ・ロズベルグは、チームと契約を延長するための交渉の真っ最中であり、すでに1年契約か複数年契約かを決めるだけの段階だと噂されている
だが、ニコ・ロズベルグは、レースで道を譲る際にそのようなことが頭をよぎることはなかったと主張した。
「そういうことは考えていない。僕にとってそれは最上位の問題ではない。今までだってそうだったし、このレース後も同じだ。繰り返すけど、僕はメルセデスに満足しているし、メルセデスも僕に満足している。だから、僕はまだ何年もここにいることになるだろう」
カテゴリー: F1 / メルセデスF1
前戦F1スペインGPでは、同士討ちによってダブルリタイアに終わっていた二人。これまでも二人のチーム内でのライバル関係は大きな話題となっている。
しかし、F1モナコGPでは、ニコ・ロズベルグが16周目にボー・リバージュであっさりとポジションを譲った。
その時点でニコ・ロズベルグはペースに苦戦しており、チームから指示が出た時にはラップリーダーのダニエル・リカルド(レッドブル)に対して1周あたり1.6秒を失っていた。
ニコ・ロズベルグのパフォーマンス不足は、セーフティカー先導の序盤8周の間にブレーキとタイヤ温度を失ったことが原因であり、それ以降もニコ・ロズベルグはタイヤを交換するまでペースを取り戻せていない。
まず、メルセデスはニコ・ロズベルグにペースを上げるように無線で指示を出したが、ペースアップが困難と分かるとルイス・ハミルトンに道を譲るよう伝えた。
ニコ・ロズベルグは競争することなくライバルにオーバーテイクさせたことが“とてもつらかった”と認めつつも、チームのルールに従って行動したと主張している。
「まず、あの時はとても単純だった。ずっと決めてあるルールがあるからね。あのペースでは優勝など争えないし、本当に最悪だったけど、ルイスにチャンスを与える必要があったのは明らかだ」とニコ・ロズベルグは述べた。
「チームからはペースを上げるように警告されていたけど、できなかったからね、次のステップはルイスを先に行かせることし、たぶん、そういう意味ではチームにとって最終的なリザルトに価値をもたらしたと思っている。だから、あの時はああするのが正しかった。そうしなければルイスは勝てていなかっただろうしね」
「あれがあったから、チームはモナコで勝利を掴むことができた。だから、完全に理にかなったことだし、とてもシンプルな話だ。もちろん、とてもつらかった。それは間違いないけど、覚悟を決めるのは簡単だったし、ずっと言っているように、あの瞬間は別にチャンピオンシップのことなんて考えていない」
「モナコで勝ちたかったのでガッカリしている。ホームレースで勝ちたかった。シーズンの中で一番エキサイティングなレースだし、僕は勝つためにここに来ているので、まったく届かなかったことにとても落胆している。それだけだ。何ポイント差とか、そういうのは気にしていないからわからない」
ルイス・ハミルトンは、ニコ・ロズベルグへの感謝を示している。
「それまで何があったか知らなかった。彼にトラブルがあったのかと思っていた」とルイス・ハミルトンは説明。
「多分温度だと思う。僕もそうだったからね。僕は何とかブレーキとタイヤの温度をキープできた」
「ニコの後ろにいたとき、僕の方がずっと速いことはわかっていた。でも、彼の水しぶきで何も見えなかったし、後ろに引っかかっていたら二人ともこのレースでは勝てないと思っていた。でも、彼が話したように、僕たちにはチームからプッシュを求められたときにそれができず、チームの優勝チャンスを潰すような状況についての合意がある」
「そういう合意はあるけれど、ここでそれを聞くまでそういうことだとは知らなかった。だから、ジェントルマンでいてくれて感謝している」
ルイス・ハミルトンは、チームにニコ・ロズベルグをどかせるように要請はしていないという。
「全然。彼をどかせるように言うなんて、そんなこと本当に滅多にないことだ。僕はニコのすぐ後ろにいて、エンジニアから言われて、僕の方がずっと速いけれどパスするのはとにかく厳しいって答えた。そこから何かが起こったのかどうかは知らないけど、僕はこのレースに勝てると感じつつ、後ろにひっかかっていることでチームの優勝はないなと思っていた」
メルセデスを率いるトト・ヴォルフは、ニコ・ロズベルグに対する指示をチームが軽く決断したわけでないと強調している。
「まず、どのドライバーにとってもあのよな決定を受け入れるのは非常に難しいことだ。我々はそれを理解している。だからこそ、何周にも渡って状況を調べた。結果、多くのレースタイムを失っている」
「数周ほど様子を見て、タイヤが機能し始めることを願ってはみたが、ほとんどダメージを負ったマシンのような状態だったのであの判断に至った。これまでやって来たことではなかったので、何度も話し合ったが、マシンに問題があるのは明らかだった」
トト・ヴォルフによると、ピットウォールからの指示に対してニコ・ロズベルグは疑問さえ口にしなかったという。
「ひとつの質問もなかった。最初はできるならペースを上げるように指示し、そうでなければ道を譲るようにと言った。1周後、先に行かせるようにと言ったらすぐに対応してくれた」
F1モナコGPで、ルイスハミルトンとニコ・ロズベルグとのポイント差を一気に19ポイントまで縮まった。
元F1ドライバーのクリスチャン・ダナーは、ニコ・ロズベルグの行為に疑問を呈している。
「チームはニコは一流だったと言っているが、最終的に彼はワールドチャンピオンになりたいはずだ。最後にニコが2〜4ポイントで逃したら、彼はルイスを先に行かせたことを思い出すだろう。それにルイスは同じことはしないと思う」と Bild に述べた。
ニコ・ロズベルグのこの行為はチームとの契約のためだとの見方もある。今年末でメルセデスとの契約が切れるニコ・ロズベルグは、チームと契約を延長するための交渉の真っ最中であり、すでに1年契約か複数年契約かを決めるだけの段階だと噂されている
だが、ニコ・ロズベルグは、レースで道を譲る際にそのようなことが頭をよぎることはなかったと主張した。
「そういうことは考えていない。僕にとってそれは最上位の問題ではない。今までだってそうだったし、このレース後も同じだ。繰り返すけど、僕はメルセデスに満足しているし、メルセデスも僕に満足している。だから、僕はまだ何年もここにいることになるだろう」
カテゴリー: F1 / メルセデスF1