カルロス・サインツJr.「F1スプリントは退屈」 リバースグリッド導入を提案
ウィリアムズのカルロス・サインツJr.は、F1がスプリント週末の形式を抜本的に見直し、短距離レースの退屈さを打破するべきだと主張している。

2025年シーズンも続くスプリントレースへの批判の一つは、使用されるタイヤ戦略の単調さにある。多くのチームがミディアムタイヤを選び、結果として「日曜決勝の第1スティントのコピー」に見えてしまう点だ。ソフトタイヤはほとんど使われず、展開も乏しくなりがちである。

そんな中、前戦アメリカGPでウィリアムズ史上最高位となるスプリント3位を記録したサインツは、F1がもっと思い切った変更をすべきだと語る。「全員がソフトタイヤで走る」ルールの導入を提案し、さらには「リバースグリッド案にも完全に反対ではない」とも明かした。

「カナダでウェットレースになったり、シンガポールでにわか雨が降ったりすれば、それが史上最高のスプリントになるかもしれない」とサインツは語った。

「でも、今必要なのはフォーマットの変化だと思う。ステファノ(ドメニカリ)はそれに前向きだ。今のスプリントは好きじゃない。なぜなら日曜の第1スティントがどうなるかをそのまま見せてしまうからだ。予選形式も決勝と同じだしね。もっとスプリント独自のアイデアがあっていいと思う」

その上で、短期的な改善策としてソフトタイヤの義務化を挙げた。

「全員がソフトタイヤで走るようにすればいい。高デグ(摩耗率の高い)タイヤだし、それで十分に変化が起こせる。通常のレースでソフトを第1スティントに使うことはごくわずかだから、これはすぐにできる解決策だ。しかも、今はソフトを予選で1周だけ使って捨てている。ピレリがどこで保管しているのか知らないけど、僕らにとっては“1周だけのタイヤ”なんだ。もったいないよ」

さらにサインツは、より大胆な試みにもオープンであると強調した。

「スプリントにはもっと“スパイス”が必要だ。だから、さまざまなフォーマットを試してみるべきだと思う。うまくいけばそのまま続ければいいし、ダメなら『これは違ったね』と言って捨てればいいだけだ。僕はリバースグリッドの大ファンじゃないけど、完全に拒否はしない。スプリント予選(SQ)でも、たとえばSQ3を“スーパーポール方式”にしてもいい。とにかく少しずつ違うことを試してみて、良ければ残す、ダメならまた変える。それでいいと思う」

スプリント改革への現実的提案──「“実験の場”としての活用」
サインツの発言は、スプリントを「日曜レースの予告編」としてではなく、むしろフォーマット実験の“試験台”とする提案だ。ピレリのソフトタイヤ義務化は、廃棄されるセットの再利用にもつながる実用的な案であり、環境面からも支持を得やすい。

リバースグリッドやスーパーポール導入などは賛否を呼ぶだろうが、スプリントが現行フォーマットのままでは興味を失うファンも多い。

サインツのようなベテランの声が、2026年以降の新しいスプリント形態への議論を後押しすることになりそうだ。

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カテゴリー: F1 / カルロス・サインツJr. / ウィリアムズ・レーシング