アストンマーティンF1、ジャック・クロフォードを2026年サードドライバーに起用
アストンマーティンF1チームは、ジャック・クロフォードを2026年シーズンのサードドライバー(リザーブドライバー)に起用することを発表した。この役割により、クロフォードは来季の全レースでチームのリザーブドライバーを務めることになる。

20歳のクロフォードは、2024年にチームのヤングドライバーデベロップメントプログラムに加入して以来、すでにF1マシンで2000km以上の走行を積み重ねてきた。

直近では、メキシコシティGPの週末にランス・ストロールのマシン「AMR25」をドライブし、FP1セッションでグランプリウィークエンドデビューを果たした。

2025年を通じてクロフォードは、AMRテクノロジーキャンパスにおけるシミュレーター業務にも継続的に参加しており、レース運営で使用されるAMR25および次世代マシン「AMR26」の開発作業の両面で貴重な技術的フィードバックを提供してきた。

現在、クロフォードはフォーミュラ2で3年目のシーズンを戦っており、ドライバーズ選手権では2位につけている。シリーズは来月カタールで最終2戦のうち最初のラウンドを迎える。

クロフォードは「2026年のサードドライバーに決まって本当に誇らしい。アストンマーティン・アラムコとともに歩んできた僕のキャリアにおいて大きな瞬間であり、これからも学び続け、チームに貢献していく大きなモチベーションになる」とコメント。

「この2シーズン、ファクトリーでも現場でもF1の環境の中で多くのことを学んだ。チームを全力でサポートしながら、自分自身のドライバーとしての成長を続けていく」

アストンマーティンF1のCEO、アンディ・コーウェルは「ジャックが2026年にサードドライバーとしてステップアップすることを非常にうれしく思う」とコメント。

「この2年間で彼は我々のドライバースクアッドの重要な一員として価値を示し、多くの経験とテスト走行距離を積み重ねてきた」

「彼はAMRテクノロジーキャンパスで定期的にシミュレーター作業を行い、レース運営やマシン開発を支えてきた。また、フォーミュラ2でのパフォーマンスも見事であり、より大きな役割を担う彼の成長を今後も支援できることを楽しみにしている」

ジャック・クロフォード アストンマーティン・コグニザント・フォーミュラワンチーム

クロフォードの昇格が意味するアストンマーティンの長期計画
この発表は、アストンマーティンが育成ドライバー体系を本格的に整備し、将来的なレースドライバー候補を内部から育てる戦略を加速させていることを示している。クロフォードはすでにチームの開発・シミュレーションに深く関わっており、2026年のリザーブ就任によって、2027年以降の正ドライバー昇格に向けた準備段階に入ったと見られる。

さらに、クロフォードはアストンマーティン初の「完全アカデミー育成→F1実戦デビュー」候補となる可能性が高い。アンディ・コーウェル体制のもと、チームはエンジニアリング主導の一貫した育成ルートを築いており、シミュレーター作業での技術理解やF2での堅実な結果が評価された形だ。

現在、ランス・ストロールの将来が不透明な中、クロフォードが次世代の正ドライバー候補として実戦体制に組み込まれたことは、チーム内のポスト・アロンソ時代への布石とも言える。

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カテゴリー: F1 / アストンマーティンF1チーム / ホンダF1