角田裕毅 F1シートに新たな脅威 レッドブルが注目するリンドブラッドの急成長

リンドブラッドは現在17歳。レッドブルのジュニアプログラムに所属し、FIA F2選手権では第7戦スペインでフィーチャーレース初勝利を挙げ、ランキング3位に浮上した。彼のF1昇格に向けて、レッドブルはすでにFIAにスーパーライセンスの特例付与を申請しているとされる。リンドブラッドが18歳になるのは8月だ。
角田裕毅は今季マックス・フェルスタッペンのチームメイトとしてレッドブルに昇格したものの、苦戦が続いている。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは「今季いっぱいは角田がシートを維持する」と強調しているが、元F1ドライバーのジョニー・ハーバートは「リンドブラッドこそ角田の後任にふさわしい」と語る。
「角田のように苦しんでいると、いつシートを失ってもおかしくない。マックスのチームメイトは、ガスリーもアルボンも、そしてローソンも皆苦労した」とハーバートは語った。
「常に大きな差でチームメイトの後塵を拝する状況は、精神的に相当こたえる。角田は非常に厳しい立場にある」
「今、注目すべきは同じ週末にF2のフィーチャーレースを制したリンドブラッドだ。レッドブルの育成ドライバーで、信じられないスピードで階段を駆け上がってきた。私は彼が14歳でカートをしていた頃に会ったことがあるが、非常に明晰な考えを持っていて、F1に進むという目標に対して明確なビジョンを持っていた」
「リンドブラッドは角田の代役として理想的な候補だ。マックスより優れたドライバーが現れる可能性はゼロではない。仮にそれがリンドブラッドだとしたら? ただし本当の試練は、フェルスタッペンの隣のガレージで走ることだ」
「角田は、自分が期待された仕事を果たせていない以上、常に背後を気にする状況になる。F1は非常に厳しい精神ゲームだ」

ハジャーかリンドブラッドか?
ルーキーながらF1で好成績を残しているアイザック・ハジャーも、2026年に向けたレッドブル昇格候補とされている。現在、ハジャーは2025年F1ドライバーズランキングで9位につけ、レッドブル関連ドライバーの中では角田裕毅やチームメイトのリアム・ローソンを上回っている。
だがハーバートは、仮にリンドブラッドがF2王者となれば、その実績でハジャーを一気に追い抜く可能性があると語る。
「ハジャーは非常に印象的な走りをしている。何より安定感がある。完璧な週末とはいかなくても、毎回安定したパフォーマンスを見せている」
「ただ、常に新たな才能は現れるものだ。私自身もかつてそうだったし、ジャン・アレジのような例もある」
「仮にハジャーが良いパフォーマンスを見せていたとしても、リンドブラッドがF2チャンピオンになれば、レッドブルはその実績を重視して彼をF1に昇格させるだろう。それほど、彼の成長は急速だ」
「ハジャーはF2タイトルを獲得しなくてもレッドブルを悩ませる存在になっている。そして、もしフェルスタッペンが移籍するという噂が現実になれば、レッドブルにはハジャーとリンドブラッドという2人の逸材が控えていることになる」
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