【MotoGP】 ヤマハ:第5戦 フランスGP 決勝レポート
MotoGP フランスGPの決勝で、グリッド3列目からスタートしたMovistar Yamaha MotoGPのバレンティーノ・ロッシが、次々に順位を上げて最終的に3位を獲得。チームメイトのマーベリック・ビニャーレスも予選13位から7位へ上げてチェッカーを受けた。
バレンティーノ・ロッシは9番グリッドから絶好のスタートを切って6番手で第1コーナーへ。まもなく1台が転倒したことで5番手に浮上した。
その後ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)に先行を許したが、トップ走行中のアンドレアア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)の転倒により、再び5番手にポジションを上げてトップグループに続いた。
このあとヨハン・ザルコもまた転倒により戦線離脱。これで4番手に上がったバレンティーノ・ロッシは、表彰台獲得を目指してペースを上げていく。そしてついにホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)をパスして3番手に上がると、残り13ラップでは1分32秒426のファステストラップを記録するなどハイペースをキープし、2番手のペトルッチを追って行ったが、十分に差を詰めることができず、そのまま3位でチェッカーを受けた。
一方のマーベリック・ビニャーレスは序盤で苦戦。オープニングラップの最初のセクションを11番手で抜けたあと一旦は9番手まで上げたが、4台に先行を許して13番手まで後退してしまった。しかし、前後タイヤにソフトコンパウンドを選択していたビニャーレスは懸命にペースアップを図り着実にポジションを回復していった。
後半になると、コンスタントに1分33秒台前半で周回しながらアレックs・リンス(スズキ)との差を詰めてゆく。そして19ラップ目でこれをパス。さらに20ラップ目にはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)もとらえて7番手まで挽回すると、最後まで追撃の手を緩めることなく残り2ラップでは1分32秒871の自己ベストを記録。6位のロレンソに迫ることはできなかったが7位でチェッカーを受け、貴重なポイントを獲得した。
ビニャーレスは合計59ポイントでランキング2位に浮上し、バレンティーノ・ロッシは合計56ポイントでランキング4位。コンストラクターズランキングでは、トップから28ポイント差の2位。またチームランキングはランキング2位とし、トップを9ポイント差を追う。
Monster Yamaha Tech3のハフィス・シャーリンがチームのホームレースで果敢な走りを見せた。慎重にスタートしたあと少しずつペースを上げて、経験豊富なライダーたちをパス。着実に順位を上げて12位でチェッカーを受けた。
一方、ヨハン・ザルコは地元ファンの前でMotoGP初優勝を目指したが、8周目、トップ走行中に転倒。夢の実現は次回以降に持ち越された。
Movistar Yamaha MotoGP
バレンティーノ・ロッシ (3位)
「昨晩からずっと、懸命に努力してきました。この中でマシンのバランスについて2~3箇所のモディファイを試すと、それが功を奏してグリップがよくなり、同時に加速性能も上がったのです。だから午前中のウォームアップから好調で、"きっといいレースができる"と心のなかで繰り返していました。とは言え、3列目からのスタートは簡単ではありません。気持ちを集中し一気に飛び出すと、1ラップ目からパスしていくことができました。そしてトップグループに近い、とてもよい位置につけることができたのです。しかも周回を重ねるごとにペースがあがっていきました。ラップタイムとペースがよかったことが、今日の結果につながる重要な鍵となりました。この好調を維持し、よい仕事を続け、もっとマシンを煮詰めていきたいと思います」
マーベリック・ビニャーレス (7位)
「ル・マンに到着した時点では、このような結果は想像していませんでした。ライバルたちをパスするのに時間がかかってしまい、7位まで上がったときにはすでに上位から離されていました。上位で戦うことができなかったことがとても残念で、これは今後の課題になるでしょう。それでもランキング2位に上がることができたのは収穫です。ますます集中し、ハードワークを続けて次のテストに臨みます。第6戦イタリアGPを迎える前に、ワンステップ上げておきたいのです」
マッシモ・メレガリ (チームディレクター)
「今日の表彰台は、チームにとって非常に重要なもので大きな励みになりました。ロッシ選手はウイークの最初から最後まで決してあきらめることなく、その結果として3位を獲得することができたのです。彼には困難から立ち直る力があります。昨日は予選で苦しみましたが、豊富な経験を駆使してここまで挽回し、その実力を見せつけました。また多くのライダーをパスして表彰台までたどり着いたことは、私たちチームに次への活力を与えてくれました。ビニャーレス選手はスタートで遅れ、ライバルたちをパスするのに時間がかかってしまいました。一旦、前が開けるとラップタイムも上がっていきましたが、すでにトップから離されていて追いつくことはできませんでした。それでもポイントを獲得してランキング2位に上がったことはよかったと思います。第6戦の前にバルセロナでテストを行い、新しく舗装されたコースを試します。その結果によって、またマシンのバランスを見直していくことになるでしょう」
Monster Yamaha Tech3
ハフィス・シャーリン (12位)
「走行中はとてもフィーリングがよかったのですが、スタートが悪かったことが悔やまれます。ここで集団の後ろについてしまったので、1台1台、抜いていくのが大変でした。ペースがよいことはわかっていたので、この調子なら今日はトップ10を狙えると考えていましたが、ここはパスが難しく、結局は上位のグループから離されてしまいました。でも今日のレースは、とてもよい経験になりました。次につなげられるように多くを学び、理解していきたいと思っています。怪我はよくなってきているので、引き続き体力回復を図り、自分のライディングとセッティングに気持ちを集中してムジェロではまたベストを尽くします」
ヨハン・ザルコ (DNF)
「ホームグランプリで非常に残念な経験をすることになってしまいました。でもポールポジションを獲得し、よいパフォーマンスができたことは思い出になります。決勝ではまず2番手につけました。スタートは最悪だったのですが、最初のシケインでポジションを挽回。そのあとはロレンソとの戦いとなり、なかなか抜くことができませんでした。しばらく待ってから仕掛けましたが、小さなミスをしてしまったのです。コーナー進入が速すぎて少しはらんだあと、フロントから転倒してしまいました。マシンのフィーリングがとてもよかったので転倒は予想していませんでした。今になって思えば、タンク内の燃料が減るまでもう少し待つべきだったのでしょう。レースでは時に幸運、そして時に不運があります。このことを心に刻みつけ、これからも自分のするべきことに集中し、優勝を目指していきます」
エルベ・ポンシャラル (チームマネジャー)
「フランスGPが終わりました。土曜日の夜までは完璧だったのですが、残念ながら思い描いていたシナリオの通りにはいきませんでした。ザルコ選手はポールポジションを獲得し、それでも冷静にホームグランプリのプレッシャーをコントロールできているように見えました。しかし今朝のウォームアップセッションでルッチと絡んで転倒したことが、ひとつの警鐘でもありました。このようなことは、いつもの彼にはないことなのです。明らかに彼はナーバスになっており、自らを落ち着け、鼓舞しようと必死になっていました。そして決勝ではスタートで出遅れ、それでも最初のシケインで挽回してロレンソ選手に挑んでいきましたが、そのうちにマルケス選手が加わり3台のバトルになりました。ザルコ選手はおそらく、ブレーキを握り過ぎてフロントを失ったのだろうと思います。もちろんあとで考えれば、そんなに早く仕掛ける必要はなかったかもしれません。周回を重ねてマシンが軽くなれば、ペースも上がってくるのですから。21戦連続でポイントを獲得してきた彼が、そのホームGPで初めてDNFを喫し、私たちは非常に重要なことを学びました。ただ優勝を夢見て、少なくとも表彰台獲得を願って応援してくれたファンのみなさんには申し訳なく思います。でもこれもレースのひとつなのです。私たちは次のムジェロでもう一度トライします。ハフィス選手については非常に満足しています。体調が戻り、ベスト・ルーキーに返り咲きました。長い時間、モルビデリ選手につかまってしまったのは残念ですが、それがなければトップ10の可能性も十分にありました。でも12位の4ポイントもとてもすばらしい成果です。ウイークを通じての彼の仕事ぶりにも満足しています。いつも笑顔を絶やさず、貪欲に学び、チームの助言をしっかりと聞いてくれます。その結果としてスピードが上がってきているのですから、私たちとしては彼を誇りに思います」
関連:【MotoGP】 第5戦フランスGP 結果:マルク・マルケスが3連勝
カテゴリー: F1 / MotoGP
バレンティーノ・ロッシは9番グリッドから絶好のスタートを切って6番手で第1コーナーへ。まもなく1台が転倒したことで5番手に浮上した。
その後ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)に先行を許したが、トップ走行中のアンドレアア・ドビツィオーゾ(ドゥカティ)の転倒により、再び5番手にポジションを上げてトップグループに続いた。
このあとヨハン・ザルコもまた転倒により戦線離脱。これで4番手に上がったバレンティーノ・ロッシは、表彰台獲得を目指してペースを上げていく。そしてついにホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)をパスして3番手に上がると、残り13ラップでは1分32秒426のファステストラップを記録するなどハイペースをキープし、2番手のペトルッチを追って行ったが、十分に差を詰めることができず、そのまま3位でチェッカーを受けた。
一方のマーベリック・ビニャーレスは序盤で苦戦。オープニングラップの最初のセクションを11番手で抜けたあと一旦は9番手まで上げたが、4台に先行を許して13番手まで後退してしまった。しかし、前後タイヤにソフトコンパウンドを選択していたビニャーレスは懸命にペースアップを図り着実にポジションを回復していった。
後半になると、コンスタントに1分33秒台前半で周回しながらアレックs・リンス(スズキ)との差を詰めてゆく。そして19ラップ目でこれをパス。さらに20ラップ目にはアレイシ・エスパルガロ(アプリリア)もとらえて7番手まで挽回すると、最後まで追撃の手を緩めることなく残り2ラップでは1分32秒871の自己ベストを記録。6位のロレンソに迫ることはできなかったが7位でチェッカーを受け、貴重なポイントを獲得した。
ビニャーレスは合計59ポイントでランキング2位に浮上し、バレンティーノ・ロッシは合計56ポイントでランキング4位。コンストラクターズランキングでは、トップから28ポイント差の2位。またチームランキングはランキング2位とし、トップを9ポイント差を追う。
Monster Yamaha Tech3のハフィス・シャーリンがチームのホームレースで果敢な走りを見せた。慎重にスタートしたあと少しずつペースを上げて、経験豊富なライダーたちをパス。着実に順位を上げて12位でチェッカーを受けた。
一方、ヨハン・ザルコは地元ファンの前でMotoGP初優勝を目指したが、8周目、トップ走行中に転倒。夢の実現は次回以降に持ち越された。
Movistar Yamaha MotoGP
バレンティーノ・ロッシ (3位)
「昨晩からずっと、懸命に努力してきました。この中でマシンのバランスについて2~3箇所のモディファイを試すと、それが功を奏してグリップがよくなり、同時に加速性能も上がったのです。だから午前中のウォームアップから好調で、"きっといいレースができる"と心のなかで繰り返していました。とは言え、3列目からのスタートは簡単ではありません。気持ちを集中し一気に飛び出すと、1ラップ目からパスしていくことができました。そしてトップグループに近い、とてもよい位置につけることができたのです。しかも周回を重ねるごとにペースがあがっていきました。ラップタイムとペースがよかったことが、今日の結果につながる重要な鍵となりました。この好調を維持し、よい仕事を続け、もっとマシンを煮詰めていきたいと思います」
マーベリック・ビニャーレス (7位)
「ル・マンに到着した時点では、このような結果は想像していませんでした。ライバルたちをパスするのに時間がかかってしまい、7位まで上がったときにはすでに上位から離されていました。上位で戦うことができなかったことがとても残念で、これは今後の課題になるでしょう。それでもランキング2位に上がることができたのは収穫です。ますます集中し、ハードワークを続けて次のテストに臨みます。第6戦イタリアGPを迎える前に、ワンステップ上げておきたいのです」
マッシモ・メレガリ (チームディレクター)
「今日の表彰台は、チームにとって非常に重要なもので大きな励みになりました。ロッシ選手はウイークの最初から最後まで決してあきらめることなく、その結果として3位を獲得することができたのです。彼には困難から立ち直る力があります。昨日は予選で苦しみましたが、豊富な経験を駆使してここまで挽回し、その実力を見せつけました。また多くのライダーをパスして表彰台までたどり着いたことは、私たちチームに次への活力を与えてくれました。ビニャーレス選手はスタートで遅れ、ライバルたちをパスするのに時間がかかってしまいました。一旦、前が開けるとラップタイムも上がっていきましたが、すでにトップから離されていて追いつくことはできませんでした。それでもポイントを獲得してランキング2位に上がったことはよかったと思います。第6戦の前にバルセロナでテストを行い、新しく舗装されたコースを試します。その結果によって、またマシンのバランスを見直していくことになるでしょう」
Monster Yamaha Tech3
ハフィス・シャーリン (12位)
「走行中はとてもフィーリングがよかったのですが、スタートが悪かったことが悔やまれます。ここで集団の後ろについてしまったので、1台1台、抜いていくのが大変でした。ペースがよいことはわかっていたので、この調子なら今日はトップ10を狙えると考えていましたが、ここはパスが難しく、結局は上位のグループから離されてしまいました。でも今日のレースは、とてもよい経験になりました。次につなげられるように多くを学び、理解していきたいと思っています。怪我はよくなってきているので、引き続き体力回復を図り、自分のライディングとセッティングに気持ちを集中してムジェロではまたベストを尽くします」
ヨハン・ザルコ (DNF)
「ホームグランプリで非常に残念な経験をすることになってしまいました。でもポールポジションを獲得し、よいパフォーマンスができたことは思い出になります。決勝ではまず2番手につけました。スタートは最悪だったのですが、最初のシケインでポジションを挽回。そのあとはロレンソとの戦いとなり、なかなか抜くことができませんでした。しばらく待ってから仕掛けましたが、小さなミスをしてしまったのです。コーナー進入が速すぎて少しはらんだあと、フロントから転倒してしまいました。マシンのフィーリングがとてもよかったので転倒は予想していませんでした。今になって思えば、タンク内の燃料が減るまでもう少し待つべきだったのでしょう。レースでは時に幸運、そして時に不運があります。このことを心に刻みつけ、これからも自分のするべきことに集中し、優勝を目指していきます」
エルベ・ポンシャラル (チームマネジャー)
「フランスGPが終わりました。土曜日の夜までは完璧だったのですが、残念ながら思い描いていたシナリオの通りにはいきませんでした。ザルコ選手はポールポジションを獲得し、それでも冷静にホームグランプリのプレッシャーをコントロールできているように見えました。しかし今朝のウォームアップセッションでルッチと絡んで転倒したことが、ひとつの警鐘でもありました。このようなことは、いつもの彼にはないことなのです。明らかに彼はナーバスになっており、自らを落ち着け、鼓舞しようと必死になっていました。そして決勝ではスタートで出遅れ、それでも最初のシケインで挽回してロレンソ選手に挑んでいきましたが、そのうちにマルケス選手が加わり3台のバトルになりました。ザルコ選手はおそらく、ブレーキを握り過ぎてフロントを失ったのだろうと思います。もちろんあとで考えれば、そんなに早く仕掛ける必要はなかったかもしれません。周回を重ねてマシンが軽くなれば、ペースも上がってくるのですから。21戦連続でポイントを獲得してきた彼が、そのホームGPで初めてDNFを喫し、私たちは非常に重要なことを学びました。ただ優勝を夢見て、少なくとも表彰台獲得を願って応援してくれたファンのみなさんには申し訳なく思います。でもこれもレースのひとつなのです。私たちは次のムジェロでもう一度トライします。ハフィス選手については非常に満足しています。体調が戻り、ベスト・ルーキーに返り咲きました。長い時間、モルビデリ選手につかまってしまったのは残念ですが、それがなければトップ10の可能性も十分にありました。でも12位の4ポイントもとてもすばらしい成果です。ウイークを通じての彼の仕事ぶりにも満足しています。いつも笑顔を絶やさず、貪欲に学び、チームの助言をしっかりと聞いてくれます。その結果としてスピードが上がってきているのですから、私たちとしては彼を誇りに思います」
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カテゴリー: F1 / MotoGP