フェルスタッペンとルクレール “速いほど遅くなる”共通問題 アレジが指摘

アレジによれば、両者はコーナーで速く走ろうとする本来の持ち味が、現行のパワーユニット時代ではかえって不利に働いているという。特に電力回生とストレートでのエネルギー運用が重要になった現在のF1では、コーナーでの攻めすぎがラップ全体の損失につながる構図が浮かび上がっている。
新レギュレーションが速いドライバーを苦しめる構図
F1は2026年、シャシーと空力規則に加えてパワーユニット規則も大きく刷新した。フェルスタッペンはこの新規則に対して最も強く不満を示してきたひとりであり、その将来にまで言及する場面も出ている。
フェルスタッペンは3月のF1日本GPで、2015年以来初めて鈴鹿でQ3進出を逃した。決勝でも8位に終わった後、自身の将来について「価値があるのか決めなければならない」と語っていた。
アレジは、鈴鹿での予選結果こそ、フェルスタッペンとシャルル・ルクレールが似た問題を抱えている証拠だったとみている。ルクレールは日本GPで4番グリッドを獲得し、そのまま今季2度目の3位表彰台につなげたが、予選で感じている課題はフェルスタッペンと共通しているという見方だ。
“コーナーで速いほど遅くなる”という逆説
ルクレールはここまで予選で苦戦しており、新規則への適応に取り組んでいる。日本GPでは、2026年規則下の予選について「正直、予選には本当に耐えられない」と不満を漏らし、コーナーで速く走るほどストレートでタイムを失う現状を嘆いた。
ルクレールの問題は、わずかなスロットルオフでもフェラーリが大きくエネルギーを失ってしまい、そのぶんストレートで使える電力が減ってしまう点にある。現在のF1では、バッテリーを回復させるためにコーナーでのプッシュを犠牲にする必要があり、それがストレートでの速さに直結している。
こうした状況についてアレジはRacingNews365に次のように語った。
「マックスは今、本当に苦しんでいる。かなり苦しんでいる。というのも、今のマシンのシステムや、彼らのスロットルの扱い方を見ると、電力が少ないからだ」
「現時点では、速いドライバーほど他のドライバーより苦しんでいる段階なのか? たぶんそうだ。というのも、今回の予選では、マックスとシャルルはすべてのコーナーでより速かったのに、ラップタイムの最後では遅くなっていたからだ」

フェルスタッペンはマシンバランスの問題も抱える
フェルスタッペンの場合、苦戦の原因はエネルギー運用だけではない。レッドブルRB22は慢性的なバランス問題も抱えており、コーナーで思い切って攻め込むことが難しくなっている。
フェルスタッペンは日本GP予選中、このマシンを「運転できない」と表現した。ターンインでアンダーステアに悩まされ、その後は加速時に突然オーバーステアが出る不安定な挙動に直面していた。
その結果、日本GP予選でのフェルスタッペンのベストは1分30秒262の11番手。メルセデスのアンドレア・キミ・アントネッリがQ2で記録したトップタイムから1.214秒遅れ、ルクレールにも0.811秒差をつけられた。さらに、Q3進出ラインではレーシングブルズのアービッド・リンドブラッドに0.153秒及ばなかった。
成績は分かれても、根本の悩みは共通している
開幕3戦を振り返ると、フェルスタッペンはオーストラリアGPでの6位が最高位で、中国GPでは6位走行中にリタイアするなど、ここまで上位争いに加われていない。
一方のルクレールは開幕3戦すべてでトップ4入りを果たし、オーストラリアで3位、中国で4位と安定して結果を残している。ただし、その差はマシン全体の競争力による部分が大きく、アレジの見方では、ふたりが抱える“速く走るほど不利になる”という根本問題は同じだ。
2026年F1では、ドライバーが本来の攻め方を貫くだけでは速さにつながらない。コーナーでの速さ、スロットル操作、電力回生、そしてストレートでの展開力が密接に結びつく今の時代において、フェルスタッペンとルクレールは、その難しさを最も象徴する存在になっている。
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