小林可夢偉
小林可夢偉が、2014年のF1開幕戦にむけて改めて今回のケータハムでのF1復帰への決意を語った。

2012年末にF1シートを失った小林可夢偉は、昨年スクーデリア・フェラーリと契約し、F1デモイベントに参加しつつ、WEC世界耐久選手権に参戦していた。

実は、今年もフェラーリから契約を延長をオファーされていた。それはWECのドライバーとしての契約延長だけでなく、シミュレーター作業などのF1チームでの役割も拡大されたものだった。

最下位チームのF1カーを走るためにフェラーリでのキャリアに背を向けるドライバーはそうは多くない。だが、小林可夢偉はその道を選んだ。

「チャンスがあるなら、トライしてみる必要があります」と小林可夢偉は説明する。

「この決断がどういうことかはわかっています。フェラーリにとどまっていれば、長くいることができたかもしれませんし、簡単にお金を稼げたかもしれません」

「ドライブ面ではそれほど辛い思いはしないでしょうし、そこにいる多くの理由を見つけることができます。でも、僕はチャレンジしたいです。人々は『おまえは馬鹿だ』と言います今僕は27歳で今年28歳になります。自分でも子供みたいだと思います」

契約オファーを断り、ケータハムでF1を戦うという決断をどのようにフェラーリに伝えたのか。

「『すいません』と言いました。そう言うしかありませんでした。フェラーリの人々には『君は馬鹿だ』と言われました。自分が馬鹿なのはわかっていますが、そうしなければならなかったんです」

「とても素晴らしいオファーでしたし、もちろんフェラーリでのレースを楽しんでいました。でも、僕はF1でレースをする必要があります。これが僕の夢なんです。F1に復帰する最後のチャンスかもしれませんでした。なので、この決断をしました」

小林可夢偉は、募金サイト「KAMUI SUPPORT」で集まった資金を持ち込むだけでなく、無報酬で走ることを提案してケータハムと契約した。

「僕はとてもラッキーです。多くのファンがいてくれていますし、ファンから多くのお金を出してもらって、ファンのお金でこのシートを得ることができました。それは新しいストーリーです」

「映画のようなストーリーですよね。でも、実際に実現したんです! ファンとのコミュニケーションを増やそうと思ったのもそれが理由です。F1の中にいる新しいスタイルになるかもしれない? 全員がスポンサーを獲得するのに苦労していますし、スポンサーロゴのないクルマもたくさんいます。マクラーレンでさえそうですでも、彼らはまだかなり多くのお金を費やしています」

「『違う方法を見つける必要があるのでは?』と考えました。僕たちにはYouTubeチャンネル『KAMUI SUPPORT』があります。通常、僕たちはレースレポートにしか使っていませんでしたが、今はファクトリーツアーや舞台裏を紹介したり、Q&Aを実施しています。ゲストを呼んでトークをするかもしれません。自分でやっていますが、面白いですよ。これが僕モータースポーツを広めるための僕なりのやり方法です」

小林可夢偉はケータハムのシートが“得ることができる唯一のチャンスだった”と述べ、チームがグリッドで順位を上げるのを助けるために自分の経験を使っていくと決意している。

「本当に満足しています。ファクトリーに来たときに予想していた以上です。トヨタにいた人がたくさんいるので知っています。彼らは進歩することができると思いますし、いつかはトップチームになれると思います」

「レッドブルと同じです。最初、ジャガーを買収したときは全然でしたが、今はチャンピオンシップに勝ち続けています。先のことはわかりません」

ケータハムはすぐにチャンピオンシップに挑戦できないのは明らかだが、小林可夢偉は「僕はレースに勝つ必要があります」と語る。それがケータハムかという質問には「わかりません」と小林可夢偉は語る。「でも、今年何かしらを得ることが重要です」

「『彼は素晴らしい仕事をした』と言ってもらえるようでなければなりません。成功できなければ、F1を離れなければならないでしょう。とてもシンプルなことです。それが僕がここにいる理由ですし、やらなければならないことはわかっています」

ケータハムのチーム代表トニー・フェルナンデスは、小林可夢偉がチームに上昇するためのモチベーションを与えてくれると考えている。

「我々は可夢偉が活気をもたらしてくれると考えた。それは定量化することはできないものだ」

「250人にモチベーションを与えるには『今の我々にはチャンスがある。我々にはそこにいってチームを上昇させられる戦士がいる』ということだ。それが人々を突き動かす」

「実際、可夢偉にはそれほど財政的なことは考慮しなかった。もちろん、日本からの利益はあったがね。だが、それは主な理由ではなかった。一番の理由は、我々は彼の戦士のような姿勢が好きだったからだ。(フットボールクラブ)QRPで彼に会い、最終的に決断した。いろんな場所で『彼の目には何かがある』と考えた。彼はハングリーだった。このチームの全員にハングリーでいてほしい」

「ピットウォールに座って、『頑張ろう!』と言うこともなく、保守的でいなければならないのは退屈だ。可夢偉はそれをもたらしてくれると感じている。いくつかのレースは大きな失敗をするかもしれないが、トライしないよりは、むしろトライして死にたい」

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カテゴリー: F1 / 小林可夢偉 / ケータハム