F1技術解説:2022年F1エンジンの開発は今後数年を決める危険な境界線
2022年のF1パワーユニットのホモロゲーション期限は、エンジンメーカーにとって“一度越えると元には戻れない境界線”とF1ジャーナリストのクレイグ・スカボローは語る。

2022年の話題は完全に新しいレギュレーションの元で開発されるF1マシンが中心であり、エンジンに関しては2026年の次世代のエンジン形式がどうなるかに焦点が集まっている。

だが、実際には2022年のF1エンジンは、少なくとも今後数年間の勢力図を決する重要な役割を果たすことになるかもしれない。新しいシャシーが導入されても、過去数年のように最終的なパフォーマンス決定要因はエンジンになる可能性があるからだ。

フェラーリとルノーは、2022年に完全に新しいエンジンを導入するとしており、メルセデスも今シーズンの信頼性問題の解決は「2022年の開発とのバランスを取る必要がある」と語っている。

今シーズンでF1から撤退するホンダのF1エンジンは、レッドブル・パワートレインズへと引き継がれるが、新型エナジーストアを含め、パフォーマンスに影響を与えるパーツはすでに開発が終了している。

2022年シーズンが開始するまでの時間は各メーカーがF1エンジンに大幅な変更を加えることができる最後のチャンスとなる。その後、エンジン開発は凍結され、新しいエンジン形式が導入されるまでほぼ手を入れることができなくなる。

それを考えれば、2022年のF1エンジンは“一度越えると元には戻れない重要な境界線”だとクレイグ・スカボローは語る。

「彼らは新しいエンジンをホモロゲートする必要がある。それらは変更できなくなるので、彼らはかなりアグレッシブにトライするかもしれない」とクレイグ・スカボローは語る。

「そのエンジンは少なくとも2025年まで走ることになる。その期間は、様々な理由でエンジンに変更を加えられる部分は限定的となる。今はそれが2026年まで延長される可能性さえある・・・」

「したがって、今回のホモロゲーション期日は、各エンジンメーカーが適切なパッケージが導入されることに本気で注意しなければならない一度越えると元には戻れない重要な境界線となる」

「彼らがそのパッケージで何かを見逃した場合、それを取り換えることはできない。彼らが何かを導入するのが早すぎて準備ができていない場合、彼らは解決できる信頼性の問題を抱えることになる。だが、彼らは今その設計を変更することはできない」

「そこにはかなりの危険がある」

2022年からエンジン開発の凍結が終了すると、新しい、おそらく非常に異なるエンジン規制が導入される。それらが正確にどのようなものになるかはまだ決定されていないが、スポーツは電力に向かって動く可能性がある。すでにMGU-Hが廃止され、それを補うためにMGU-Kが強化されるとの情報もでている。

マクラーレンF1のモータースポーツ会計部門の責任者であるリチャード・サックスビーは、フォーミュラEをエミュレートして完全に電気を使うよりも、50/50のアプローチが最善のアプローチだと語る。

「電化に直接飛び込むのではなく、最初は50/50のバランスをとるのが良いと思う」とリチャード・サックスビーは語った。

「我々はノイズが好きであり、F1のドラマが好きなファンがまだいると思う。エンジンはそれを提供できると思う」

「そして、それらは効率も提供することができる。現在、効率は約50%で実行されているが、それはすべてパラメーターの管理方法によって異なる」

「しかし・・・50/50はそれほど遠くないと思う」

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カテゴリー: F1 / F1マシン