2009年 F1チーム

2009年のF1世界選手権に参戦するF1チーム。2009年のF1は、空力レギュレーションの変更、スリックタイヤの復活、KERSの導入など、全チームにとって白紙からのマシン開発となる興味深いシーズン。ドライバーに大きな変更はなく、ルーキーはトロ・ロッソのセバスチャン・ブエミのみ。注目は、ホンダF1撤退によりチームを引き継いだブラウンGP。

ボーダフォン・マクラーレン・メルセデス

ルイス・ハミルトン ヘイキ・コバライネン
MP4-24

Vodafone Mclaren Mercedes

昨年はルイス・ハミルトンがワールドチャンピオンを獲得したマクラーレン。今季もルイス・ハミルトンとヘイキ・コバライネンのコンビでシーズンを戦うが、これまでマクラーレンの指揮を執っていたロン・デニスがチームを離れ、マーティン・ウィットマーシュがチーム代表に就任した。

今季マシンのMP4-24は、プレシーズンテストでダウンフォース不足が露呈。エアロダイナミクスに大きな問題があると思われ、苦しいシーズン序盤を迎えている。ただし、百戦錬磨のマクラーレンのこと、シーズンが進めば問題を克服しトップ争いに戻ってくることだろう。開幕戦からKERSを使用している。

スクーデリア・フェラーリ・マールボロ

ジャンカルロ・フィジケラ キミ・ライコネン
F60

Scuderea Ferrari Marlboro

2008年はコンストラクターズタイトルを獲得したフェラーリ。ドライバーはキミ・ライコネンとフェリペ・マッサの3年目コンビとなるが、カーナンバーはフェリペ・マッサに3番が与えられた。昨年は些細なトラブルでポイントを逃してきたフェラーリだが、今年もマシンの信頼性とレース中の判断ミスが目立ち、開幕から3戦を終えた時点でノーポイントと苦しいシーズンスタートとなっている。

今年のマシン「F60」は昨年マシンF2008の流れをくむエアロマシン。しかし、“タイヤに優しい”フェラーリマシンの特性によりグリップ不足に苦労しているシーンもしばしばみられる。開幕戦からKERSを使用するが信頼性とパフォーマンスに問題を抱えており、第3戦中国GPではKERSを外して戦った。“ダブル・ディフューザー”の開発を含め、シーズン後半の復調に注目が集まる。

F1ベルギーGPで負傷したマッサの代役として、ヨーロッパGPからルカ・バドエル、イタリアGPからはジャンカルロ・フィジケラを起用。

BMWザウバーF1チーム

ロバート・クビサ ニック・ハイドフェルド
F1.09

BMW Sauber F1 Team

今年もロバート・クビサとニック・ハイドフェルドのコンビでシーズンを戦うBMWザウバー。昨年は初優勝を果たし、今年はチャンピオン争いを目標に掲げている。プレシーズンでは優れたパフォーマンスをみせ、優勝争いの1つと期待されているが、序盤戦では苦戦が続いている。

今年のマシン「F1.09」は、幅の広いノーズと“怒り型”のサイドポンツーンが特徴。KERSに対して最も積極的な姿勢をみせていたBMWだが、重量面の問題で開幕3戦はニック・ハイドフェルドのみがKERSを搭載している。

シーズン中に2009年限りでF1を撤退することを発表。今後のチームの将来が注目を集めている。

INGルノーF1チーム

フェルナンド・アロンソ ロマン・グロージャン
R29

ING Renault F1 Team

フェルナンド・アロンソが新たに2年間の契約を延長。ネルソン・ピケJr.も残留し、昨年と同じコンビでシーズンを戦うルノー。序盤は、パフォーマンスに苦労しているが、昨シーズン後半には、素晴らしい追い上げをみせており、今シーズンの巻き返しにも期待がかかる。

今季のマシン「R29」は、空力コンゼプトを一新。幅の広いフロントノーズや、すでに今年のトレンドとなっている覆いかぶさるようなサイドポンツーン後部の処理など、アグレッシブなコンセプトを採用している。炎をイメージしたカラーリングも斬新。開幕戦からKERSを搭載。

ハンガリーGP後にネルソン・ピケJr.を解雇。ヨーロッパGPからは新人のロマン・グロージャンを起用。

パナソニック・トヨタ・レーシング

ヤルノ・トゥルーリ ティモ・グロック
TF109

Panasinic TOYOTA Racing

参戦8シーズンを迎えるトヨタにとって、今シーズンは勝負の年。昨年に引き続き、ヤルノ・トゥルーリとティモ・グロックのコンビでチーム初優勝を狙う。

今季マシン「TF109」は、バランスのとれたコンサバティブな印象。細く高いノーズや話題の“ダブル・ディフューザー”を搭載。シーズン序盤から高いポテンシャルを発揮している。

スクーデリア・トロロッソ

ハイメ・アルグエルスアリ セバスチャン・ブエミ
STR4

Scuderia Toro Rosso

ベッテルの後任として、ルーキーのセンバスチャン・ブエミが加入。2年目を迎えるセバスチャン・ブエミとともに新しい“ダブル・セバスチャン”で戦うトロ・ロッソ。

今季マシン「STR4」は、基本レッドブル RB5と同じマシン。RB5同様、プルロッド式リアサスペンションを搭載。RB5が優れたパフォーマンスを発揮していることから、当然STR4も高いポテンシャルを持っている。エンジンはレッドブルとは異なりフェラーリエンジンを搭載する。

ドイツGP終了後にセバスチャン・ブルデーの解雇を発表。後任として19歳のハイメ・アルグエルスアリがハンガリーGPより参戦している。

レッドブル・レーシング

マーク・ウェバー セバスチャン・ベッテル
RB5

Red Bull Racing

トロ・ロッソから若手の注目ドライバーであるセバスチャン・ベッテルが移籍。ベテランのマーク・ウェバーとのコンビで戦うレッドブル。中国GPでは、早くもベッテルがチームに初優勝をもたらし、マーク・ウェバーとともにワン・ツー・フィニッシュを飾っている。

今季マシン「RB5」は、鬼才エイドリアン・ニューウェイが手がけた徹底的なエアロマシンとなっている。極端に細く、高いノーズからの流れるようなボディは芸術的。リアサスペンションには、プルロッド方式を採用し、リアの徹底的な低重心化が図られている。

A&T ウィリアムズ

ニコ・ロズベルグ 中嶋一貴
FW31

A&T Williams

昨年と同じくニコ・ロズベルグと中嶋一貴のコンビで戦うウィリアムズ。これまでニコ・ロズベルグは、金曜フリー走行では優れたパフォーマンスを見せるもレースでは低迷。決勝でもそのパフォーマンスを見せられるようになれば、興味深い存在になるだろう。今年で契約が満了となる中嶋一貴にとっては、真価が問われるシーズンといえる。

今年のマシン「FW31」は、ウィリアムズらしい堅実なデザインの中にも細かなディテールにこだわりが見られるマシン。開幕戦から話題の“ダブル・ディフューザー”を搭載するチームの一つ。また、ウィリアムズはKERSにフライホイール式を選択。シーズン中盤には投入されるとみられている。

フォース・インディア・フォーミュラ1チーム

エイドリアン・スーティル ヴィタントニオ・リウッツィ
VJM02

Force India Formula One Team

今年からマクラーレン・メルセデスとパートナーを組むフォース・インディア。ドライバーは昨年に引き続きはエイドリアン・スーティルとジャンカルロ・フィジケラが務める。

今季マシン「VJM02」は、フォース・インディアとしては初のフルオリジナルモデル。メルセデス製エンジンとマクラーレン製ギアボックスを搭載。 ハイポインテッドノーズ、極端に落とし込んだポット上面など、全体的にフォース・インディアとしての個性溢れるアグレッシブなデザインが採用されている。

イタリアGPからフェラーリに移籍したジャンカルロ・フィジケラの後任として、ヴィタントニオ・リウッツィを起用。

ブラウンGP フォーミュラ1チーム

ジェンソン・バトン ルーベンス・バリチェロ
BGP001

Brawn GP Formula One Team

ホンダのF1撤退により存続が危ぶまれたが、ロス・ブラウンがチームを引き継ぎ、新生「ブラウンGP」が誕生。ドライバーは、ホンダ時代から4年目のコンビとなるジェンソン・バトンとルーベンス・バリチェロが務める。

今季マシン「BGP001」は、ホンダが2008年シーズンを捨ててまで開発を行った意欲作。メルセデスエンジンを獲得し、しなやかなサスペンションや“ダブル・ディフューザー”をはじめとするバランスのとれた空力処理により、テスト登場からいきなり好パフォーマンスを披露。開幕から2戦連続でジェンソン・バトンがポール・トゥ・ウィンを飾るなど圧倒的なパフォーマンスを見せており、優勝候補の最有力として注目を集めている。

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