ドイツツーリングカー選手権(DTM)最終戦のホッケンハイムで、SUPER GTを運営するGTアソシエイション(GTA)の坂東正明代表と、DTMのプロモーターであるITRのゲルハルト・ベルガー代表による共同記者会見が行われた。ふたりは、今回のGT500車両とDTM車両のデモランは、『Class One(クラス1)』規定による両シリーズのコラボレーションの発展を促すものだと語った。
坂東代表は「GT500車両をDTM最終戦に持ってこられて、無事に昨日走行できました。2017年10月14日という日は、日独両国の自動車レースの歴史に新たな一歩が記されたと思います。しかも日産GT-R、レクサスLC500という2台と、ドイツメーカーの3車と共に走れることになりました。5台が一緒に走るところを観て、ちょっと胸を詰まらせる思いがあり、非常にうれしかったです」とコメント。ゲルハルト・ベルガーも「坂東さんが言うとおり、歴史的な日でした。今週末ファンに向けて、日本のGT500車両が走る姿を見せられ、コラボレーションの成果を見せることができてうれしく思う」と語った。今回のデモランに際して坂東代表は「ITRからコラボレーションの意味を深くするため、実際にGT500車両を持ってこられないかと話しがありました。『今がその時だ』と思い、決断しました。本当にITRとの話をひとつひとつ先に進めてきた結果だと思います。(両団体の)会話だけでなく、実際に車両を持ってきてもう一歩先に進めた(一緒に走れた)ことは、非常に有意義なことだと思っています」と語った。ゲルハルト・ベルガーは、GT500車両は2019年から2000cc直列4気筒ターボを採用するが、それを一足先に搭載するGT500車両の走りの感想を問われた。ゲルハルト・ベルガーは「僕はレーシングドライバーだったからね。(DTMよりも)別のクルマが速いのは悔しいよ(笑)。そのために我々も仕事を進めないといけないね。GT500車両は直噴エンジンで馬力も大きい。ストレートも速いね。レギュレーションが変わったらDTMマシンもそうなるだろう。音についても素晴らしいと感じたよ。我々のマニュファクチャラー(自動車メーカー)もいま(エンジンの)開発を進めており、それがいいものになると感じた」とDTMの新型エンジンにも想いを馳せていた。「多くのマニュファクチャラーがコストの問題を抱え、誰もが新たなレギュレーションの未来図を描くことが重要な課題となった。自分もこのコラボレーションをサポートし、将来に向けて推進したいと確信した。最終的には日本とヨーロッパのすべてのマニュファクチャラーがそろい、コストを下げて同じレギュレーションでできるレースが実現すればと思う。他のマニュファクチャラーも参加してほしいと思うし、より大きな、世界的なプログラムにできれば」坂東代表も「クラス1規定の完成に向けては、作業は大詰めに入っています。今後、SUPER GTとDTMの協力体制をより強固なものにしていきたいし、今回のデモ走行により両者のコラボレーションが今後ますます深化していくものになるでしょう。そして、その成功を私は確信しています」と、GTAとITRがさらに緊密にコラボレーションしていくと語った。
全文を読む