ホンダF1の山本雅史MDが、ヨーロッパでの3連戦を振り返るとともに、次戦F1イギリスGPの重要性について語った。ポール・リカールとレッドブル・リンクでのトリプルヘッダーでは、マックス・フェルスタッペンが3連勝。F1オースラリアGPではポールポジション、優勝、ファステストラップに全ラップリードを加えた“グランドスラム”での圧勝だった。
ホンダとしてはF1通算84勝目。アイルトン・セナとアラン・プロストが11連勝を挙げた“黄金時代”の1988年以来となる5連勝を果たした」「正直うれしいですし、黄金時代のホンダ第2期の話が出てくるようになったのは素晴らしいことだと思います」と山本雅史は F1GPニュース で語った。「連勝って重ねていけばいくほど、エンジニアとかの顔つきが厳しくなるというか、緊張感が高くなる。逆に言うと、みんな士気が高くなっているので非常にいい雰囲気ですよね」「勝ってるときの方がみんな無口だし、顔つきが厳しくなっているというか、やっぱり失敗できないっているのがあるじゃないですか。一人一人の役割でミスをできないとか、険しい顔になっているのは感じましたね」「ハンターの方が攻め方もいろいろなことを考えられるので、そういった意味では追われる方が結構しんどくなると思いますよ。まさに今その状態だと思います」山本雅史は、マシンにバランスが求められるポール・リカールで開催されたF1フランスGPでのポールポジションの重要性について振り返った。「プラクティスでコンマ7秒以上離したときがあって、今までフランスってホンダは結構苦戦したんですよ。今年のホンダのパワーユニットはデプロイも含めて非常に良い状態でエンジンが使えているので、苦手としたフランスがうまくいったということは、他のサーキットでも柔軟性があると思います」と山本雅史は語る。「レッドブルは細かいエアロのチューニングを毎回やっているんですね。特にフランスはリアウイングが重たいやつ軽いやつ、パワーユニットとのバランスでストレートを引き延ばすとか、エアロはフロントウイングも細かい調整をすごく改修しているんですよ。その辺の積み上げも3連戦では良くなってきたと思うんですね。その辺で差が開いてきたのかもしれませんね」レッドブル・ホンダF1としては、今季加入したセルジオ・ペレスがようやく実力を発揮し、2台で戦える体制が整ってきた。山本雅史も「一番うれしいのはペレスがマックスにどんどん追いついていることです」と語る。「フランスは0.45秒くらい差があって、オーストラリアの第1戦では0.32まできてて、徐々に縮まってきているのがチーム力が総合的に高くなるので、もうひとつは唯一3秒台に入れたのがマックスだったので、そういった意味では速さが光ってましたね」一方で、マックス・フェルスタッペンについては、予選はまさに“時計のようだ”と称賛する。「フェルスタッペンは集中しているラップではミスをしない。そこが彼は凄いスーパーなドライバーなんだけど、ミスをしないで1ラップを走り切るのはすごく難しい」と山本雅史は語る。「昨年のアルボンも『どっかで必ずミスしてしまう』とよく言ってましたし、それでコンマ1~2秒タイムが短くなってしまうので、そういった意味ではフェルスタッペンの集中力、タイヤとクルマの動かし方というのが桁外れにうまくすぎるというのがオーストリアの2戦では光ってましたね」「予選は時計見たいですよね。ミーティングしたとおりに走ってに帰ってきちゃう。そこはまだペレスとかアルファタウリの二人とは違いますよね」「レッドブルの車体、ホンダのパワーユニット、もちろん、二人のドライバーの総合力が本当に強さを見せつけたレースだと思いますね」「やっぱりひとつはパワーユニットのマッピングがレースでうまく使われているということと、クルマのアップデートが特にオーストリアの2戦目はフロンツイングのアップデートがマックスにすごくヒットしていたと思うんですよ。だから、どんどん彼自身がいい方向にくるんで、自然とドライバーもゆとりができてくるんじゃないかと思いますね」次戦はF1イギリスGPとなるが、あらゆる要素が要求されるシルバーストンは前半戦の“天王山”だと山本雅史は語る。「イギリスGPが前半戦の天王山だと思います。何故かと言うと、イギリスはF1コンストラクターの本拠地だし、すでにメルセデスが車体のアップデートを入れてくると言ってますから、そういった意味で本当にレッドブルとメルセデスが拮抗する状況になると思いますし、あそこも本当にタイヤに結構厳しいので、そういった意味でイギリスGPが前半戦の山場だと思います」「今回レースのフォーマットも若干変わるんで、観客もフルに入れるということで楽しみにしています」
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