2013年のF1マシンが発表され、その外観に“美しさ”が戻ってきた。昨年は、多くのマシンが“段差ノーズ”と呼ばれるノーズに急激な段差のあるフロントノーズを採用。特に名門フェラーリのマシンF2012は最上最悪の醜さと酷評された。そもそも段差ノーズは、レギュレーションへの対応で生まれた産物。
レギュレーションでは側面衝突などの安全性を理由にマシンのコックピット前から150mmのノーズ最大高を基準面から550mmに制限したが、モノコック前端の最大高は625mmが維持された。F1チームは、少しでも多くの空気を流すためにマシン下の空間を最大限にしたい。そのため、モノコック前端とノーズの高さを最大限まで高めた結果、コクピット前から150mmの部分に75mmの“段差”が生まれた。しかし、FIAも醜いマシンを望んでいるわけでもなく、2013年からチームが段差ノーズ部分に“構造的に無関係”な“カバー”を装着することを許可した。だが、化粧パネルの装着は義務的なものではなく、2013年に最初にマシンを発表したロータスは、重量増加の観点で化粧パネルを採用してこなかった。「パネルは数グラムのウェイトを加えることになる。そのため、チームはそうすることでパフォーマンス面の利益を見つけられることが出来た場合のみクルマにそれを装着することになるだろう」とロータスのテクニカルディレクターのジェームズ・アリソンは説明した。だが、その後発表されたマクラーレン、フォース・インディア、フェラーリは、いずれも化粧パネルを採用している。各チームが口を揃えるのは、化粧パネルの装着は“パフォーマンス面で有効”だということ。マクラーレンのエンジニアリングディレクターを務めるティム・ゴスは、重量による不利な点よりも、ノーズ部分の気流を滑らかにすることで多くのアドバンテージがあると主張している。「軽量構造のカバーだ。構造的な重要性はなく、重量もごくわずかだ」「ノーズの段差を空気力学的に見れば、正直、それほど重要ではないが、いくつか軽い損失は免れない。(段差ノーズに)しないという選択の余地があるのだから、我々はしていない」フォース・インディアのテクニカルディレクターを務めるアンドリュー・グリーンは「重量と重心高に対しての空力的ゲインに向上が見られた」と説明。「上部をパネルで覆うことで、我々が悩んでいたシャシー上部の厄介な現象が解消された。それはCFDブロックを見ても明らかだった。そのエリアで起きていることは『これはマズい』というものだった。風洞に入れてみてわかったのは、小さな100gか200gのパネルによってネットがわずかに改善するということだった」「化粧パネルのおかげで我々はシャシーレギュレーションの限界まで攻めることができた。昨年はそれができなかった。そうしていたら酷い姿になっていただろうし、シャシー上部にも厄介な影響が出てしまっただろう」 (左)フェラーリ F138 (右)フェラーリ F2012
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