ラリーメキシコの最終日、クリス・ミーク/ポール・ナゲル組はこの日も見事な走りを続けた。最終SSのパワーステージでは、フィニッシュ手前数コーナーというところでコースアウトする場面もあったが、シトロエン・トタル・アブダビ WRT のミーク/ナゲル組は、C3 WRCのWRC初優勝を飾った。ラリーの最終日に設定されたのは La Calera(32.96km)とDerramadero Power Stage (21.94km)の2SSのみだった。
クルーがサービスパークを出発する際、小雨が降り始めたため、シトロエン・トタル・アブダビ WRTのクルーは、タイヤ選択を変更。ミーク/ナゲル組はミシュラン LTX フォースのソフトコンパウンド4本とハードコンパウンド2本を、ステファン・ルフェーブル/ギャビン・モロー組はソフト6本を選んだ。この日最初のSSでは、ミークが今大会 5 回目のステージウィンを獲得。ライバルのセバスチャン・オジエに対してのリードをさらに6.3秒広げた。ルフェーブルも、見事サードベストタイムを刻んだ。唯一、チームに緊張が走ったのは、ライブ中継も行われた最終SSのパワーステージだった。ここで、まさかのドラマが発生した。フィニッシュライン近くの右コーナーで、ミークのシトロエン C3 WRCはコースを外れ、マシンはコース脇の、観客用駐車場に飛び込んでしまった。しかし、ミークは冷静さを保ち、駐車場に止まっている車両の合間を抜けながら数秒をロスしただけでコースに戻った。フィニッシュラインを越えたミークは、最終的に2位に13.8 秒差をつけて優勝を決めた。最終ステージの、まるでジェットコースターのような展開の末にレオンのサービスパークに勝者として戻ったミークとナゲルは、祝福と喜びのムードに包まれたチームに迎えられた。ミークとナゲルにとっては、2015年アルゼンチン、2016 年ポルトガルとフィンランドに続く WRC4勝目です。シトロエンにとっては、通算97 回目のWRC勝利となった。イブ・マトン(シトロエン・レーシング チーム代表)「パワーステージでの出来事は、まったく信じがたいことです。アクシデントが発生した時は、何が起きたのか分からず、チームも混乱していました。オンボード映像では大きなアクシデントのようにも見えましたが、GPS トラッキングシステムはまだ走行を続けていることを示していました。マシンがフィニッシュラインを超えた時には、我々は抱き合って喜びました。すべての緊張とドラマから解放されたのです! グラベルラリーでの初勝利によって、シトロエン C3 WRC の基礎が非常に堅実であり、開発段階におけるシトロエン・レーシングの見事な仕事が証明されました。我々の方向性が正しいことが分かり、ここからは向上することだけを目指し開発を続けていくことができます」クリス・ミーク「きっと、この話は何百回とされるのでしょうね。最終ステージでミスをした時は、自分自身にいら立ちました。大きなバンプの後にマシンが横にスライドしてしまったのです。大きなダメージもなく、とてもラッキーでした。タイム差があったため、まだ勝てると分かっていたので、すぐにコースに戻ることを考えました。なによりも大切なことは、初勝利によってシトロエン C3 WRC のポテンシャルの高さを証明できたことです。チームのみんなのためにも、とても誇らしく思いますし、うれしいです。このリザルトは、チーム全員で勝ち獲ったものです」ステファン・ルフェーブル「この週末は、非常に多くの経験ができました。最終日の今日は、グリップが上位陣とほぼ同じという状況のなかで走ったので、そういったコンディションでマシンがどのような動きをするのかを身に付けることができました。クリスとポール、そしてチームの戦いぶりは見事でした。この勝利は、シトロエン・レーシングにとって特別な瞬間です」
全文を読む