ウィリアムズF1は、2027年マシンに向けてこれまでの命名規則を一時的に変更する方針だ。長年続いてきた「FW」シャシー名の連番をあえて飛ばし、次期モデルは“FW49”ではなく“FW50”となる見込みだという。この決断はパフォーマンスや開発戦略ではなく、チームの歴史的節目に合わせたものだ。2027年はウィリアムズ・グランプリ・エンジニアリングの初参戦から50周年にあたり、その象徴として“50”という番号を優先した格好となる。
50周年に合わせた「FW50」へのジャンプウィリアムズは2020年にドリルトン・キャピタルの傘下に入り、新体制へと移行したが、ブランドと伝統は維持されてきた。その象徴のひとつが、創設者フランク・ウィリアムズに由来する「FW」シャシー名だ。現在、アレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツがドライブする2026年マシンは「FW48」。通常であれば次はFW49となるが、チームはこれをスキップし、2027年に「FW50」を投入する計画とされている。この判断は、単なる数字合わせではなく、ブランド価値と歴史の演出を重視したものだ。節目の年に象徴的な番号を与えることで、チームのアイデンティティを強く打ち出す狙いがある。過去にもあった“番号スキップ”の前例今回のような連番のスキップは、ウィリアムズにとって初めてではない。2017年、チームは40周年を記念して本来の「FW39」を飛ばし、「FW40」を投入した。この時点で番号の整合性は一度リセットされた形だったが、その後の事情が再びズレを生むことになる。コロナ禍がもたらした番号のズレ2021年、新型コロナウイルスの影響によるコスト削減策として、各チームはシャシーの持ち越しを認められた。その結果、ウィリアムズは新規開発のFW44へ進まず、既存車を改良した「FW43B」でシーズンを戦うこととなった。これが現在の番号体系に影響を与え、今回の“スキップ判断”につながっている。「継続」と「象徴」を両立する判断ウィリアムズの歴史を振り返れば、前年型をベースにした進化モデルで成功を収めた例も多い。1992年にタイトルを獲得したFW14Bも、その象徴的な一台だ。今回のFW50へのジャンプも、単なるネーミング変更ではなく、伝統を守りながらブランド価値を最大化する戦略の一環といえる。2027年のマシンは、性能面だけでなく「50」という数字が持つ意味そのものが、ウィリアムズ再建の象徴として注目を集めることになりそうだ。