アレクサンダー・アルボンとカルロス・サインツは、ウィリアムズのマシンにおける技術的違反により、F1シンガポールGPの予選結果から失格となった。アルボンとサインツは、マリーナベイ・ストリート・サーキットで行われた土曜夜の予選でそれぞれ12位と13位につけていたが、チームが予選後の検査に不合格となったため、その順位は抹消されることになった。
FIA F1テクニカルデリゲートのヨー・バウアーは報告書で「カーナンバー23(アルボン)および55(サインツ)のリアウイング上部可動エレメントの位置を確認したところ、リアウイング外側部分の両サイドで最大制限値85mmを超えていた」と述べた。これはテクニカルレギュレーション第3.10.10(g)条に違反するものであり、同条項はDRS(ドラッグ・リダクション・システム)に関する規定を定めている。その条文には「DRSが作動状態にあるとき、リアウイングの2つの断面の間隔はスパン全体にわたり9.4mmから85mmの間でなければならない」と明記されている。このようなケースでは標準的な手続きとして、スチュワードが後にアルボンとサインツの失格を正式に確認した。スチュワードの発表には「予選後の車検において、両マシンのリアウイングがテクニカルレギュレーションに適合していないことが判明した。DRS作動状態でのリアウイング上部エレメントの調整位置が、外側部分の両サイドで最大値85mmを超えていた」と記されている。さらに聴聞会でチームは次のように説明した。「予選前に自チームで測定した際は許容範囲内であると確認していたが、FIAが行った測定では規定を超える数値が確認された。したがってリアウイングは規定寸法に適合していなかった。測定手順、方法論、使用された計測機器の精度について異議はなく、FIAの測定結果を全面的に受け入れる」スチュワードはこれを受け、「技術的違反に対して標準的に適用されるペナルティを科す」と結論づけた。両ドライバーは決勝への出走を許可されているが、全ドライバーの最後尾からのスタートとなる。ジェームス・ボウルズ「チームにとって非常に残念」失格が正式に確認された後、ウィリアムズのチーム代表ジェームス・ボウルズは声明を発表した。「予選後のFIA車検で、我々の2台のリアウイングがDRSスロットギャップ検査に不合格となり、その結果アレックスとカルロスは予選失格となった。これはチームにとって非常に残念な結果であり、原因の究明を急いでいる。性能上の利点を得ようとしたわけではなく、当日の自社チェックでは合格していたが、最終的な判断はFIAの測定であり、その結果を完全に受け入れる」「我々はこの週末、ポイントを獲得できるだけの競争力を持ったマシンを用意しており、明日のレースではグリッド最後尾から全力で巻き返す。今後このようなことが二度と起こらないよう、すぐに社内プロセスを見直すつもりだ」今回のウィリアムズ勢のダブル失格は、前戦アゼルバイジャンGPでのエステバン・オコン(ハース)の失格に続くもので、オコンも同様に予選後のリアウイング検査で違反が発覚していた。