ポルシェ ジャパンのドライビングアンバサダーを務める藤井誠暢が所属するD'station Racingは、2017年のスーパーGT GT300クラス第1戦(岡山国際サーキット)の決勝において911 GT3Rを駆り、予選19番手から追い上げ、9位フィニッシュした。今シーズンより創設されたD'station Racingは、ポルシェ ジャパン ドライビング アンバサダー2017の藤井誠手とポルシェ ワークスドライバーであるスヴェン・ミューラーを擁し、長年ポルシェ911 GT3 RでスーパーGT GT300クラスに挑戦しているKTRとともに参戦する。
チームはオフシーズンに開催された公式テストで好調なタイムをマーク。自信をもって開幕戦岡山に臨んでいた。小雨模様から曇天へと変化した4月8日(土)の午前9時から行われた公式練習でD'station Porscheは予選、決勝に向けたセットアップを進め、ミューラーが1分27秒225というベストタイムをマークし7番手につける。しかし、この時点で藤井、ミューラー共に、タイヤのフィーリングに違和感を感じてしまう。チームは予選に向けて対策を施したものの、午後2時45分から行われた公式予選では、1分27秒096と19番手となってしまい、14台のみが進出できる予選Q2への出走はならなかった。Q1敗退の原因は、ウエットからドライへの路面コンディションの変化によるもの。完全なドライコンディションとなれば、速さを取り戻すことが期待された。翌4月9日(日)は、曇り空ではあるものの待ち望んでいたドライコンディションに恵まれ、決勝での追い上げに期待がかかった。午後2時34分のフォーメーションラップのスタートでは、GT500クラスのマシンにトラブルが発生し、幾度か赤旗中断になるなど、波乱の展開に。スタートを担当したのは藤井。グリップを取り戻した911 GT3 Rは本来持つ高いポテンシャルを発揮し5周目には2台を、翌周には1台をかわすなど徐々にポジションを上げて13周目には12番手にまで浮上。35周を終えてピットインし、給油、タイヤ交換を実施し、ミューラーへと交代した。ミューラーは、交代直後こそスーパーGT特有であるタイヤのウォームアップに苦しんだものの、いったんタイヤに熱を入れてからはペースアップ。49周目にGT300の全車がピットインを終えたときには、9番手のポジションであった。54周目、GT300クラスの車両がウイリアムズコーナーでクラッシュし、安全確保と車両回収のためにセーフティカーが導入されたためD'station Porscheを含む上位勢のギャップはわずかとなる。ミューラーは一時8位に上がるが、最後は9位でチェッカーを受けた。チームは予選19番手からの2ポイント獲得に手ごたえを得つつも、テストの段階で上位争いの手ごたえがあったために、「最低限の結果を得られたが、次戦は優勝争いに絡んでいきたい」と第2戦富士からの巻き返しを誓った。一方、混戦のなかで好調な走りをみせたのは9号車GULF NAC PORSCHE 911 の911 GT3R。ジョノ・レスターがスタートドライバーを務め、予選15番手からD'station Porscheと同様に追い上げをみせていく。37周を終えるとピットインし、峰尾恭輔選手に交代すると、接戦となった4番手争いを制することに。70周目には3番手に浮上し、チーム始まって以来初めての3位表彰台を見事獲得した。次のスーパーGTレース 第2戦は、5月4日に静岡県の富士スピードウェイで決勝レースが行われる予定になっている。
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