2020年のF1世界選手権 第5戦 70周年記念GPの決勝が8月9日(日)にシルバーストン・サーキットで行われ、レッドブル・ホンダF1のマックス・フェルスタッペンが今季初優勝。ホンダF1勢としても3台が入賞を果たした。シルバーストンでの2週連続開催の2戦目は、1950年にシルバーストンでF1世界選手権が初開催されてから70年を記念して『70周年記念GP』と名付けられた。地名関連ではない名称が与えられたのは70年の歴史で初めてとなる。
日曜日の天候は晴れ。気温22.9度、路面温度40.7度のドライコンディションで52周の決勝レースはスタートした。優勝は4番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。上位勢で唯一のハードタイヤでのスタートとなったフェルスタッペンは、スタートで3番手に浮上するとメルセデスの2台にしっかりとついていく。するとメルセデスの2台がタイヤに苦しみだす。フェルスタッペンはエンジニアからの「タイヤをケアしろ」との指示に逆らってメルセデスに攻撃を仕掛ける。その時点でコース上で抜くことはできなかったが、メルセデスの2台がピットインしたことで暫定トップに立つ。26周目、マックス・フェルスタッペンがピットインしてミディアムに交換。3.2秒とやや時間がかかり、ボッタスの後ろでコースに復帰するが、その周ですぐにリードを奪い返す。ルイス・ハミルトンが「フェルスタッペンの内圧低いんじゃないの?」と疑うほど、タイヤの状態に差がある。再び首位に立ってからはレースをコントロール。最終的に2位のルイス・ハミルトンに11.326差をつけて、今シーズン初勝利。昨年のブラジルGP以来となる通算9勝目を挙げた。2位にはルイス・ハミルトン、3位にはバルテリ・ボッタスが続いて、メルセデスがダブル表彰台を獲得。メルセデスがあそこまでタイヤに苦しむのは意外だった。4位はフェラーリのシャルル・ルクレール。今週末の苦戦ぶりを考えれば、最大限の結果だ。5位はレッドブル・ホンダのアレクサンダー・アルボン。予選で振るわず9番グリッドからスタートしたアルボンは全ドライバーで最初にピットインするタイヤ戦略を成功させた。6位はランス・ストロール、7位はニコ・ヒュルケンベルグとレージング・ポイント勢。252日ぶりの決勝となったヒュルケンベルグはしっかりと入賞して代役の責任を果たした。8位はエステバン・オコン(ルノー)、9位はランド・ノリス(マクラーレン)。そして、10位はアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー。チームメイトのダニール・クビアトは11位とあと一歩入賞に届かなかった。次戦はF1スペインGP。3連戦となり、8月16日(日)にカタロニア・サーキットで行われる。2020年 第5戦 70周年記念GP 決勝 結果 順位NoドライバーチームGAPINT 133マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダLAP52 244ルイス・ハミルトンメルセデス11.32611.326 377バルテリ・ボッタスメルセデス19/2317.905 416シャルル・ルクレールフェラーリ29/28910.058 523アレクサンダー・アルボンレッドブル・ホンダ39.1469.857 618ランス・ストロールレーシングポイント42.5383.392 727ニコ・ヒュルケンベルグレーシングポイント55.95113.413 831エステバン・オコンルノー64.7738.222 94ランド・ノリスマクラーレン65.5440.771 1026ダニール・クビアトアルファタウリ・ホンダ69.6694.125 1110ピエール・ガスリーアルファタウリ・ホンダ70.6420.973 125セバスチャン・ベッテルフェラーリ73.3702.728 1355カルロス・サインツマクラーレン74.0700.700 143ダニエル・リカルドルノー1L23.326 157キミ・ライコネンアルファロメオ1L16.393 168ロマン・グロージャンハース1L2.170 1799アントニオ・ジョビナッツィアルファロメオ1L5.800 1863ジョージ・ラッセルウィリアムズ1L0.882 196ニコラス・ラティフィウィリアムズ1L0.607 DNF20ケビン・マグヌッセンハース 【レース展開】トップ10ではマックス・フェルスタッペン、11番手以降ではセバスチャン・ベッテル、カルロス・サインツ、ダニール・クビアト、キミ・ライコネンがハードタイヤを選択。それ以外はミディアムタイヤでスタート。スタートでマックス・フェルスタッペンがニコ・ヒュルケンベルグを抜いて3番手に浮上。ボッタスが首位をキープ。11番手スタートのセバスチャン・ベッテルがハーフスピンを喫して最後尾まで順位を落とす。1周目を終えた時点の順位は(1)ボッタス(2)ハミルトン(3)フェルスタッペン(4)ヒュルケンベルグ(5)ストロール(6)リカルド(7)ガスリー(8)ノリス(9)アルボン(10)ルクレール6周目、アレクサンダー・アルボンがピットインしてミディアムからハードに交換。最後尾でコースに復帰する。翌周にはピエール・ガスリーもハードに交換してアルボンの前でコースに復帰する。その後、ポイント圏外のマシンがパラパラとピットインを開始する。10周目を終えた時点でボッタスとハミルトンとの差は約1.2秒。3番手のフェルスタッペンはトップから約2.3秒差でついていっている。メルセデスの2台にはタイヤにブリスターが出来てきており、ハードのフェルスタッペンがハミルトンの1秒以内に入る。12周目、ハミルトンが無線で「リアが終わった」と伝える。ノリスがハードに交換してガスリーの前でコースに復帰する。13周目にボッタスがピットイン。翌周にはハミルトン、リカルドがハードに交換する。16周目にはヒュルケンベルグがピットインする。(1)フェルスタッペン(2)ストロール(3)ボッタス(4)ハミルトン(5)ルクレール(6)サインツ(7)ヒュルケンベルグ(8)オコン(9)クビアト(10)リカルドボッタスが新品タイヤでファステストを連発してトップとの差を縮めていく。その差は約13秒。18周目にストロールがピットインして6番手で復帰。ルクレールもハードに交換してノリスの後ろでコースに復帰する。ボッタスは前が開けたがフェルスタッペンとの差は約13秒のまま。20周目、クビアトがピットインして15番手で復帰。後方では激しいバトルを展開していたアルボンがガスリーを抜いて12番手に浮上する。23周目にサインツとオコンがピットイン。マクラーレンのピットに時間がかかり、オコンが11番手、サインツは13番手と順位は逆転する。ボッタスのタイヤにブリスターが出来ており、フェルスタッペンとの差は約19秒に広がっている。フェルスタッペンは1分31秒3、ボッタスは1分31秒8と0.5秒ずつ差が広がっている。ハミルトンはボッタスよりも0.6秒遅い。フェルスタッペンのタイヤはまだ綺麗だ。26周目、マックス・フェルスタッペンがピッ...