レッドブルF1のモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、レッドブルF1がホンダのF1エンジン情報をフォルクスワーゲンに伝えているとするメルセデスF1のトト・ヴォルフの主張は「完全にナンセンス」だと非難した。2021年シーズン限りでパワーユニットサプライヤーのホンダがF1から撤退するという決定を受け、レッドブルF1は独自にエンジンプログラムを運用する会社としてレッドブル・テクノロジーズを設立。
現在、レッドブルF1は集中的な採用活動を行っており、その一部にはメルセデスF1からの技術者の引き抜きも含まれている。レッドブル・テクノロジーズは、ミルトンキーンズの敷地内に建設されている。英国に拠点するもうひとつのメルセデスのF1エンジン部門は30マイルほど離れたブリックスワークにある。そのため、15名のスタッフがレッドブルに異動することは驚くべきことではないとトト・ヴォルフは語っている。レッドブルF1の意図は、2025年に新しいF1エンジンレギュレーションが導入された際に独自にF1パワーユニットを製造することであるが、潜在的な新しいエンジンパートナーのオプションもオープンなままにしている。メルセデスF1のチーム代表を務めるトトヴォルフは、レッドブルがホンダから取得したF1エンジンの知的財産に関する情報をフォルクスワーゲン・グループに譲渡されることになると発言。この発言にヘルムート・マルコは猛反発した。「彼(ヴォルフ)は、ホンダから知的財産権を取得して、それをフォルクスワーゲンに譲渡するという非常に微妙な発言をした」とヘルムート・マルコは F1-Insider に語った。「完全にナンセンスだ。それはアンフェアなことであり、計画されていない。現在のレギュレーションが適用される限り、我々はこのエンジンに対して単独で責任を負う」「しかし、エンジンの命名など、将来的にパートナーシップを受け入れることができるという事実は、すべて可能であり、コストを制限内に抑えるためにも望まれている」「しかし、それが私が言及したメーカーであるか、別のメーカーであるかは、現時点では完全にオープンだ」ヘルムート・マルコは、F1エンジンプログラムを社内に持ち込むことの利点についてさらに説明した。「フェラーリのように、シャシーとエンジンの開発が同じサイトで組み合わされる状況が実現する。想像を絶するほどの夢が叶うことになる」「これには財政的コミットメントも必要であるため、オーナーに非常に感謝している。しかし、私たちはオンスケジュールだ」「最初のステップでは、2022年から2024年までホンダのF1エンジンを製造して使用することだ。2025年に新しいレギュレーションが施行される際には、コストを大幅に削減する必要があることが合意されている。これは、多くの標準化されたパーツも意味する。経験の浅いエンジンスペシャリストがそのようなエンジンを設計することが可能であるべきであることを意味する」