マルケス3番手スタート。今大会がラストレースとなるロレンソは16番手終日、青空が広がる絶好のコンディションの中で行われたフリー走行は、トップから1秒差に12台という接戦となり、チャンピオンとしてホームグランプリに凱旋のマルク・マルケス(Repsol Honda Team)が3番手と好調なスタートを切った。
今大会もFP1、FP2ともにそれぞれ1セットで走行し、タイヤテストに集中した。FP1は前後ミディアムを装着して23ラップをこなし3番手、FP2はフロントにミディアム、リアにソフトを装着して21ラップを周回して、総合3番手で初日を終えた。ライバル勢が最後のアタックで新品タイヤを入れてタイムを更新したが、マルケスは1セットで走行してのベストタイム。1分31秒台前半でラップを刻んだ走りは、今季11回目のポールポジションと今季12勝目を期待させるものだった。右肩の手術のため、終盤の3戦を欠場した中上貴晶の代役として3戦目を迎えるヨハン・ザルコ(LCR Honda IDEMITSU)は、FP1はトップから1.057秒差の13番手だったが、FP2は、FP1から約1.2秒短縮、トップから0.634秒差とし、10番手につけた。代役3戦目のザルコは、着実にRC213Vのパフォーマンスを引き出しており、予選では2戦連続シングルグリッドを目指す。カル・クラッチロー(LCR Honda CASTROL)は、FP1で15番手、FP2でも11番手とトップ10入りを逃した。気温も路面温度も低いことからリスクを負わず、アドバンテージを残しての走行に徹した。前戦マレーシアGPは転倒リタイアに終わったが、終盤戦に入って調子を上げているだけに、2日目のフリー走行でトップ10入りし、ダイレクトでの予選Q2進出を目指す。開幕前日に今シーズンを最後に引退することを表明したホルヘ・ロレンソ(Repsol Honda Team)は、FP1は18番手、FP2は16番手で初日を終えた。今大会が現役最後のレースとなるロレンソは、この日、デビュー当時のデザインを施したヘルメットで走行し、地元ファンの熱い声援の中で着実にタイムを上げた。チャンピオンを獲得したころの走りにはほど遠いものだが、ロレンソらしい深いバンク角でコーナーを攻めていた。マルク・マルケス(MotoGP 3番手)「たくさんのメニューを消化することができました。とても満足しています。今日はタイムがとても接近しましたが、バレンシアのように小さくてタイトなサーキットでは、よくあることです。今日はレースに向けての仕事に集中しました。ペースを見つけて、タイヤをしっかり理解することでした。自分たちにとっては、典型的なレースウイークのスタートでした。明日はタイムアタックのチャンスがあります。予選に向けて集中したいと思います。今日はレースウイーク以外のメニューもいくつかこなしました。将来に向けて少し準備をしました。忙しい1日でした」ヨハン・ザルコ(MotoGP 10番手)「今日の結果に満足しています。初日のフリー走行をトップ10で終われたことは、すばらしいことです。セッションの最後にソフトタイヤを使いました。これでラップタイムを一気に短縮することができました。ソフトタイヤはトップ10に入るのにとても役立ちましたし、とてもうれしいです。トップ10に入れたというのは、FP1からいい仕事ができたという証拠です。いいタイヤをセーブしながら、しっかりコントロールして、いいフィーリングで走れるように取り組みました。今日はいい仕事ができたと思います。リアにソフトタイヤを使ったとき、すぐにラップタイムがよくなったのは、とてもポジティブなことでした。明日はもっと速くなれると思います」カル・クラッチロー(MotoGP 11番手)「午前中のFP1は寒く、セッションが終わるころには風がとても強くなりました。午後も風が強くさらに寒くなりました。このようなコンディションは、決して歓迎できるものではありません。気温があと10℃高くなれば、すばらしいレースになると思います。いろいろなことが楽になるし、マシンをうまくコントロールできるようになるはずです。今日のように寒いとバレンシアは難しいサーキットです。ブレーキングでタイヤにあまりフィーリングがないので厳しいです」ホルヘ・ロレンソ(MotoGP 16番手)「昨日、発表を終えたばかりなので、いつもの気持ちでセッションに挑むのがたいへんでした。今日は集中してがんばらなければなりませんでした。そして、今日はかなりいい日になりました。ポジションはそれほど上がっていませんが、これまでのレースよりもトップに近づくことができました。最終的にトップのクアルタラロとはわずか1.1秒しか離れていません。明日の目標はトップ15に入ることです。そして、もっと前進することができたら、(予選)Q2に向けてプッシュしたいです。全体的なペースでは、まだ取り組まなければならないことがありますが、引き続き前進していけると思います」
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