メルセデスF1のチーム代表であるトト・ヴォルフは、2023年F1シーズンにメルセデスがレッドブルに追いつくことを期待するのは非現実的であると認めている。メルセデスは2022年のシーズン序盤の調子を抑えたポーパシングの再来はなかったものの、その進化型したW14は開幕戦で再びスピード不足に苦しんでいる。
シルバーアローは、エンジンカスタマーであるアストンマーティンの後塵を拝し、レッドブルが圧倒的な強さを見せつけているように見える。レッドブルは、開幕から連続して1-2フィニッシュを飾って王者の風格を漂わせる一方で、メルセデスは両方のレースで大差をつけられた。レッドブルが他を圧倒していること、そして、メルセデスが問題を抱えていることから、トト・ヴォルフは今年F1のベンチマークとなるチームに追いつくと考えるのは現実的な提案ではないと述べた。「今年はまだ2レースが終わったばかりだが、その差を見れば現実的な話だろうか? いや、そうではない」とトト・ヴォルフはAutosportに語った。「しかし、我々は全力を尽くして、その結果をがどうなるかを見たいと思っている」「昨年はバウンシングが激しすぎて、ある意味、それがすべてを覆い隠していたクルマで追いつくことができた」「最終的に我々はレースに勝利し、彼らに近づいた。それが願望である必要があると思う」 バーレーンで受けた衝撃は、メルセデスが革新的なゼロサイドポッドコンセプトから脱却しなければならないとトト・ヴォルフが今後のレースで目に見える変化を約束したメルセデスは、5月にイモラで開催されるエミリア・ロマーニャGPに大規模なアップグレードパッケージを持ち込むことを目標としている。しかし、ヴォルフはメルセデスがレッドブル勢に挑戦するためのマシンをドライバーに装備できるようになるまでには、最長で丸1年かかる可能性があると強調した。「時間の長さは、おそらく6ヶ月から12ヶ月の間だと思う。 というのも、昨年はクルマに何が起きているのかを把握するのに時間がかかったからだ」とトト・ヴォルフは説明した。「つまり、開発スピードが2倍にする必要があり、より強力な開発スロープが必要だ」「論理と合理性は、コンセプトが成熟した場合、レッドブルの利益が徐々に小さくなることを物語っている」「空力的には、そして、風洞の時間を冠がれバ、少しは効果があると思うが、大きくはないだろう」「とにかく、我々は行動を共にしなければならないし、クルマをどこに置くべきかを根本的に理解すれば、そのステップは大きくなるはずだ。だが、完璧でなければならない」F1サウジアラビアGPでフェラーリをしのぐ活躍を見せたジョージ・ラッセルは、メルセデスがこれからのレースに向けて「ロッカーにもう少しパフォーマンスがある」と確信している。メルボルンで開催されるオーストラリアGPに向けて、メルセデスは不本意なスタートを切ったものの、現在コンストラクターズランキングで3位を占めている。8回のF1チャンピオンであるメルセデスは、アストンマーティンと同ポイントで並んでおり、フェラーリに12ポイント差をつけている、首位のレッドブルからは49ポイントもの差をつけられている。