メルセデスのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグは、F1ハンガリーGPのポールラップのおけるイエローフラッグのルールの解釈についていまだ意見を対立させている。F1ハンガリーGPの予選では、ターン8にダブルイエローフラッグが掲示されていた際、ニコ・ロズベルグがセクター2でセッション最速タイムをマークしてポールポジションを獲得した。
予選日の夜にスチュワードが調査して、この一件はお咎めなしとの裁定が下されたが、日曜日のレース後もこの件は微妙な問題となっており、決勝後の記者会見では、ルイス・ハミルトンがルールの明確化が必要だとの主張を繰り返した。 議論の中心にあるのはダブルイエローフラッグ区間でドライバーが“大幅に減速”し、“方向転換や停止に備えなければならない”とするFIA国際スポーティングコードの解釈だ。ニコ・ロズベルグは、ダブルイエローフラッグが振られているターン8に近づく際に通常より30メートル早くスロットルを戻したことを証明。ラップタイムのロスはわずか0.1秒で、グリーンフラッグが振られていたコーナーのエイペックスで再びスロットルを開けている。 しかし、ニコ・ロズベルグより先にダブルイエローフラッグに当たり、タイムアタックを中止したルイス・ハミルトンは、チームメイトの減速が十分ではなかったと考えている。優勝を決めたレース後の記者会見で、2位のニコ・ロズベルグを隣に、ルイス・ハミルトンはなぜロズベルグの動きが正しくないと感じているかを長きにわたって説明した。 「スチュワードは何らかのソリューションを見つける必要がある。23年間レースをしているけど、イエローフラッグの場合はスローダウンし、ダブルイエローフラッグの場合は停止に備えるものだと思ってやってきた」 「ニコはエイペックスで僕の前の計測ラップと同じスピードだったので、スピンしたマシンがいたり、マーシャルがトラック上にいたりしたら、スローダウンするのはかなり難しかったはずだ。それに対して彼がペナルティを科されていないという事実は、僕たちがここで慎重でなくてはならないことを意味している。なぜなら、僕たちが送っているメッセージは、ここで戦うドライバーたちだけではなく、下位カテゴリーのドライバーに向けたものでもあるからだ。今回のことで、ダブルイエローフラッグが振られている区間では0.1秒落とせばいいということになるかもしれない。それは最も危険なシナリオの一つだし、ここを明確にする必要がある」 「前はイエローフラッグひとつで0.2秒、イエローフラッグ二つで0.5秒だとされてきた。昨日はそれに当てはまらないのにペナルティがなかったし、次のレースではポールポジション争いをして、ダブルイエローフラッグが出たらちょっと戻して0.1秒失えば問題ないとことになって、そのセクターでパープルを出せることになる」 「だからこそ明確化が必要だし、チャーリーとスチュワードはそうしてくれると確信している。はっきりさせる必要があることだからね」 次の質問に移る前、ニコ・ロズベルグは自身の見解を語った。「ちょっといい? (ハミルトンに)意見をありがとう。ダブルイエローでやらなければならないのは大幅に減速することで、安全に通行することだ。僕はあのコーナーで時速20km落としている。時速20kmというのはF1マシンでは別世界だし、きちんと減速していて、すべてが安全だから、僕はあのスピードだったし、ブレーキングポイントの30メートル前で戻している」 「エイペックスに着くまで時速20km遅い状態だったし、エイペックスに着いたら、もちろん低速で入っているので、ラインはかなりタイトで、また加速できた。僕がかなりスピードを落としたのは間違いないし、僕たちがやらなければならないのはそれだった。だからこそ、スチュワードはこのことを完全に受け入れられた。僕がやったことは本当にはっきりしているし、路面は乾きつつあったので、当然ながら1周毎にペースが上がっていた」 「路面は安定していたわけではない。乾いていく路面では出て行くたびにかなり速くなるので、セクタータイムは関係ないよ。ウェットパッチがあるし、それが乾いたときにはずっと速くなる」 「だから、イエローフラッグが出ているそのセグメントで僕はスローになっていた。でも、もちろん大きなセクターだし、路面が改善するなかで、他のコーナー全てでプッシュしたので、僕のタイムは上がっていた。スチュワードにとってはっきりしたケースだったので、僕はペナルティを科されなかった」 その後、メルセデスのモーターホームで記者の取材に応じたルイス・ハミルトンは、ロズベルグのポールポジションラップの合法性についてFIAレースディレクターのチャーリー・ホワイティングへ明確化を求めたことを明かした。 「僕がスチュワードの調査に影響を与えたとは考えていないけど、チャーリーには明確化を求めた」とルイス・ハミルトンはコメント。「だって、次に同じことが起こった場合、1つのコーナーで0.1秒失いさえすればいいということでしょ。すぐ目の前にマシンがあっでも、0.1秒失えばそれでいいということになる」この議論はドイツGPの週末も続きそうだ。ルイス・ハミルトンは、この問題を金曜フリー走行後のドライバーブリーフィングで取り上げると語った。「このことを取り上げるつもりだ。誰かがクラシュしていたり、マーシャルがトラック上にいたり、誰かが道の真ん中にいるかもしれないのに、ダブルイエローフラッグでやらなければならないことが、アクセルを踏んで、戻して、それでもパープルで、ポールポジションを獲ることだとわかっているなら・・・たった0.1秒失うだけで上回ることができたとしてもペナルティがないんだからね」関連:ニコ・ロズベルグ、イエローフラッグ無視の疑いで事情聴取
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