メルセデスは、ロス・ブラウンがチーム代表の座を退き、年内いっぱいでチームを去ることを正式発表した。メルセデスは、“チームの重要な株主との長期にわたる話し合い”の末、ロス・ブラウンが“チームのリーダーシップをビジネス担当専務取締役のトト・ヴォルフと技術担当専務取締役のパディ・ロウに譲ることを選んだ”と述べた。
ロス・ブラウン「チーム代表としての役目を退くという決断において考慮した最も重要な点は、チームが将来的成功を確実に収めるために正しいタイミングを選ぶことだった。今年、後継計画のプロセスを実行し、私の現在の責任をトトとパディで構成される新しいリーダーシップチームに移行する準備を整えることができた。メルセデス・ベンツは、ブラックリーとブリックスワースの人員とインフラに大きな投資を行った。2つの施設間に実行したワンチームアプローチのおかげで、チームは2014年の成功を約束された素晴らしいポジションにある。その成功の基礎を築く手助けができたことを思う。しかし、2014年はF1の新たな時代の幕開けとなる。そのため、チームが今後できる限り競争力の高いなポジションにいられには、今こそが新しい時代のチームマネジメントを同時に開始するべきタイミングだと感じた。我々はトラックでの実績だけでなく、ブラックリーに築き上げた組織力についても誇りを持つことができる。過去6シーズン、異なるチーム名称ではあったが、このチームは私のキャリアで最も記憶に残る瞬間を与えてくれた。今シーズンのコンストラクター選手権2位という結果は、チャンピオンシップでの成功の道のりで重要なマイルストーンとなる。チームの将来には多くの成功が待ち受けていると確信しており、その業績において自分の役割を果たしたことを心から誇りに感じる」ニキ・ラウダ (メルセデスAMGペトロナス 非常勤取締役会長)「まず初めに、そして最も重要なことだが、我々はロスに感謝しなければならない。2012年を5位で終え、今シーズンの2位にいたるまでの進歩を考えると、この成功をもたらしたのは彼だ。彼は2011年序盤からキーパーソンをリクルートする計画を立ててきた。今シーズンの成績はチームが正しい軌道に乗っていることを示している。我々は、このチームでどのように仕事を続けていくかについてロスと長い時間をかけて話し合ったが、前に進むと決めた人物を引き留めることはできないというのが基本的事実だ。ロスは、このタイミングで権限をトトとパディに譲るのが適切だと判断し、我々も彼の決断を尊重する。トトとパディは、2014年以降我々のチームを率いるのにふさわしい人物だ」ディーター・ツェッチェ (ダイムラーAG 取締役会会長 兼 メルセデス・ベンツ・カーズ統括)「昨年冬、我々はニキ・ラウダのサポートを受けてF1活動の経営陣を再編成した。最初のステップは我が社にトト・ヴォルフを迎え、メルセデス・ベンツのモータースポーツ活動とF1会社を率いてもらうことだった。次のステップとして、2013年にパディ・ロウを獲得した。これによって、我々はロスが現在の職務から身を引く決断をした際の明確な後継者プランが出来上がり、その時が今、訪れた。トトとパディは、ロスの優れた仕事を強化し、我々のチームをワールドチャンピオンシップの成功に導くために必要なバランスのとれたスキルを持ち主であることを信じている。2010年以来、我々のワークスチームを静かな権威で率いてきたロスに個人的に感謝したい。彼はチームの発展に重要な貢献を果たしただけでなく、我々の将来の成功においても間違いなく貢献してくれた。過去4年間、彼と一緒に仕事をするのは楽しかったし、彼の将来の活躍を心から祈っている」