フェラーリに続き、マクラーレンF1もレーシング・ポイントのブレーキダクトに対する裁定に不服として上訴した。昨年のメルセデスW10を写真を基に精巧にコピーしたレーシング・ポイントの“ピンクメルセデス”として物議を醸しており、ルノーF1がそのブレーキダクトに対して第2戦から3回にわたってFIAに正式に抗議していた。
FIAのスチュワードは、8月7日(金)にレーシング・ポイントのリアブレーキダクトの設計プロセスが昨年のメルセデスの設計に基づいており、F1の競技規則に違反していると判断し、15ポイントの剥奪と40万ユーロ(約5,000万円)の罰金を科した。しかし、今回の裁定は競技規則に違反ではあるものの、技術規則には違反していないため、今後もレーシング・ポイントは該当のブレーキダクトを使用することができるため、ライバルチームのいくつかは裁定が甘いと考えており、特にレーシング・ポイントの後塵を拝していたフェラーリとマクラーレンは内容を詳しく見直す姿勢を示していた。そして、まずはフェラーリF1が最適について上訴。続いてマクラーレンも上訴したことが明らかになった。上訴は当初の裁定が出されてから24時間以内にする必要がある。 一方、レーシング・ポイントにも上訴の権利はあり、この裁定に“少し当惑している”と認めている。ブレーキダクトを巡る論争により、レーシング・ポイントのマシン全体のデザインにもスポットライトが当てられることになった。レーシング・ポイントは、昨年のメルセデスの写真を使ってリバース・エンジニアリングでマシンを設計したと主張しているが、ライバルはそれは不可能だと考えている。フェラーリF1のチーム代表を務めるマッティア・ビノット「それは非常に難しく、ほとんど不可能だと思う」とコメント。「これまで70年のF1の歴史のなかで実現されてこなかったということは、簡単に考えてできるアイデアではないということだ」 「コピーだけして、そのマシンの完全なコンセプトを簡単に理解することなど不可能だ。それについてはFIAへの書簡で述べたが、我々はコンセプト全てとプロセス全体に強く異議を唱える。レギュレーションは十分に明確であり、そのプロセスにおいてレギュレーション違反があるのではないかと考えている」「だが、今は前を向き、期待している。それは明確にしなければならないことだ。今日の裁定が十分なものだとは思えない。コンセプト全体ではなくブレーキダクトにしか関連していないからだ。それは氷山の一角に過ぎないと考えており、もっと深く議論すべきことがある」 「これまでのF1の歴史で起きたことがないことであり、そんなことは不可能に近い」
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