HRC(ホンダ・レーシング)は、ホンダが2026年にアストンマーティンのワークスパートナーとしてF1復帰するにあたり、すでにHRC USと協力して次世代F1パワーユニットの開発を進めている。先月のIMSA開幕戦デイトナ24時間レースに足を運んだHRC社長の渡辺康治は、「北米でHondaのレースをやってきたHPDが昨年の9月にHRC USに社名を変え、連携を深めてきましたが、その新しい体制での最初のレースがデイトナでした。一緒に活動してきた成果を見届けようと現場に来ました」と語った。
HRC USはF1にも関与をしていく。具体的にすでに始まっている作業について「F1のパワーユニットの電動系のところの開発とサポートに入ってもらっています」と渡辺康治は説明。「開発は日本のHRCがメインでやっていきますが、HRC USがそこに加わる形です。HRC USの前身となるHPDにはインディカーのハイブリッドシステムの開発という内燃機関の実績があり、HRCとしては電動の部分に知識とマンパワーが欲しかったためです。まだHRCとHRC USが一緒に働くプロジェクトは始まったばかりで少人数のみ関わっている段階ですが、今後相乗効果が生まれることに非常に大きな期待を寄せています」「HRC USとしても、F1をサポートすることで彼らのレベルが上がることに強く期待しており、もうすでに効果が現れているようで、一緒にやることでいろいろと勉強になるという話などを耳にすると、実感がわきます」また、F1復帰にむけてHRCとしてヨーロッパにも拠点を作る計画であることを渡辺康治は明かした。「2026年からのF1のパートナーであるアストンマーティンはイギリスの会社ですから、パワーユニット供給に向けて拠点を立ち上げようと考えています」「実際にHRCの人間をHRC USに、あるいはHRC USの人間を日本に駐在させるかは分かりませんが、HRD Sakuraにはすでに定期的にサンタクラリータ(カリフォルニアにあるHRC USの本拠地)から人が来ていますし、お互いに出張ベースにはなりますが、交流は拡大しています」HRC USとの交流開始から数カ月での相乗効果について渡辺康治「HRC USは参戦しているIMSAシリーズでの様々なデータ管理をするのにHRD Sakuraの作り上げたソフトウェアを使いだしたのですが、それをさらに進化させました」と語る。「F1用に作ったソフトウェアは元々パワーユニットだけの管理を行うものでしたが、IMSAでは車体側の管理もしていく必要があるため、そちらへと能力を広げたのです」2026年からのF1に向けた準備が最優先ホンダのモータースポーツの大きな柱はF1、インディカー、IMSA GTP、日本のスーパーフォーミュラとSUPER GTとあるが、今後HRC USが新しいカテゴリーに進出していく可能性はあるのだろうか?「HRCのワンブランド体制として協調関係を強化したのは我々にとって第一のステップで、次なるステップとして、HRC USが将来的にグローバルレースに出て行く可能性はあります」と渡辺康治は方。「例えば、現在の我々の計画にはありませんが、仮にWEC(世界耐久選手権)に参戦することになれば、当然IMSAで活動している経験が役に立つでしょうから、HRC USが担当することになるでしょう「WECへの参戦計画は現在の我々にはないのですが、非常に興味はあります。しかし今の優先順位では、2026年からのF1をしっかりと準備していくことが一番です」日本人ドライバーもグローバルに今年のIMSAシリーズでのアキュラはWayne Taylor Racing with Andrettiの1チームからGTPクラスに2台を参戦させた。日本人ドライバーがGTPに参戦する道をホンダが用意する計画はあるのだろうか?「我々の日本以外のレースというと現在はF1で、そちらに日本のドライバーを乗せたいという思いはこれからも当然続いていきますが、それだけでは足りません」と渡辺康治は語る。「日本人ドライバーに海外で活躍する場を提供していく、準備していく検討に入りたいと考えているところです」SUPER GTで活躍するドライバーたちの中には、「GTPにチャレンジしたい」という人がいるのだろうか?「いると思います」と渡辺康治は語る。「日本のGT300と500がある混走のレースでしっかりとマシンが操れる人であれば、アメリカのIMSAシリーズのレースでもうまくドライバーとして務め上げることが可能でしょう。是非トライさせてみたいと思います」「『今年から』ということではなく、『来年からやります』とも言い切れませんが、なるべく早いタイミングでやりたいとは考えています。HFDP(ホンダ・フォーミュラ・ドリーム・プロジェクト)やSUPER GTで活躍したドライバーたちに、次のステップ、世界での戦いの場というのを作ってあげたいと思います」
全文を読む