波乱に満ちたF1アゼルバイジャンGP予選の結果、決勝はホンダのF1エンジンを積んだマシンのうち2台が、2列目と3列目からスタートすることになった。レッドブル・ホンダのピエール・ガスリーは、昨日のプラクティスセッション中にレースオフィシャルによる計量の指示に従わなかったことによるペナルティーのために明日のレースではピットレーンからのスタートが決まっていた。
それでも今日の予選Q1ではトップタイムを記録し、明日に向けて期待を持たせるスピードを見せた。なお、Q1でのクラッシュによる赤旗中断により30分遅れでスタートしたQ2では、ガスリーは走行を行わなかった。その他の3台も順調にQ2進出を果たしたが、Q2最後のアタックでトラフィックなどの影響によりタイヤをうまく作動できず、トロロッソ・ホンダのアレックサンダー・アルボンはわずか0.1秒差でQ3進出を逃す結果となった。アルボンは13番手のタイムだが、他車のペナルティーにより明日は12番グリッドからのスタートになる。10台で争われるQ3にはレッドブルのマック・フェルスタッペンと、トロロッソのダニール・クビアトが進出。フェルスタッペンは二台のメルセデスと一台のフェラーリに次ぐ4番手。最後にすばらしいアタックを見せたクビアトは、フェルスタッペンの後ろとなる6番手を獲得し、予選を終えた。田辺豊治 (ホンダF1 テクニカルディレクター)「今日の予選は波乱含みで難しい展開になりましたが、フェルスタッペン選手が今日もすばらしい走りを見せて4番グリッドを獲得してくれました。また、Red Bull Toro Rosso Hondaとして今季初のQ3進出になったクビアト選手も6番グリッドを獲得し、明日のレースに向けて前向きな結果になりました。今週末にあわせて競争力のあるパッケージを準備してくれた両チームのメンバー、そしてHRD-Sakuraとミルトン・キーンズにいるHondaの仲間たちの尽力に感謝しています。ガスリー選手はQ1で全体のトップタイムをマークしたものの、昨日のセッション中のペナルティーにより明日はピットレーンからのスタートになってしまうことは残念です。ただ、明日は長いレースになりますし、ここバクーはさまざまな波乱が起こる可能性があるサーキットですので、12番手からスタートするアルボン選手とともに着実に順位を上げ、入賞圏内を目指してもらいたいと思います。明日のレースは4台完走、4台ポイント獲得を狙います」アレックス・アルボン (トロロッソ・ホンダ)「最後は少し不満が残る予選となりました。Q3に進出できるだけのペースがあると感じていたのですが、重要な時に発揮できなかったようです。タイヤを適正な温度にマネージできるよう努力していたのですが、赤旗中断後のセッション終盤に急激に気温が下がった後は、その対応に苦慮することになりました。路面が冷えている時にマシンがスライドしてしまうという状況が発生してしまったのですが、うまくウォームアップできていなかったが原因かもしれません。今日も目の当たりにしましたが、ここではどんな大混乱が起こるかわからないので、明日は気を取り直して決勝を迎えたいと思います」ダニール・クビアト (トロロッソ・ホンダ)「今日はQ3でもいい走行ができ、予選でも満足のいく結果を出せたと思います。このサーキットのようなコースはドライバーにとって勇気を試されるコースであり、いいラップをまとめられると自信につながります。昨日十分に走ることができず、誰にとっても理想的な状況ではありませんでしたが、僕はいいペースをつかむのにあまり多くの周回を走る必要がないタイプなので、大きな影響はありませんでした。走行中トラックウォールをかすめてしまったラップがあったのですが、このサーキットはそのぐらいの度胸を持って攻めなければいいタイムは出せないコースです。明日の決勝は長い一戦となるので、いい結果につなげるにはすべてをうまくまとめなければなりませんが、僕には十分そのチャンスがあると手応えを感じています。決勝は何が起こるか全く予想がつきませんが、冷静に最善を尽くして戦います」ピエール・ガスリー (レッドブル・ホンダ)「Q1をトップタイムで終えることができたのはよかったのですが、明日の決勝はピットレーンからスタートすることが決まっていたので、燃料の少ない状態でのマシンの感触を確かめることを最優先しました。今シーズン始まって以来、初めてではないかと思うぐらい、いい手応えを感じることができたので、とても満足しています。常にどんな状況にも適応できるよう努力しているのですが、その努力のおかげで少しずつ前進できているように感じています。方向性は間違っていないと思うので、結果的にポジティブな予選となったのではないでしょうか。決勝に向けてエンジンのマイレージをセーブしておきたかったので予選ではPUのパワーレベルを上げることを控えたため、あまり期待はしていませんでした。結果的には手応えを感じることができた予選セッションとなりました。チームはいいマシンを準備してくれているので、マックス(フェルスタッペン選手)がQ3でいいグリッドを獲得できるよう願っていました。このサーキットでは予想外のことばかりが起こるので、決勝ではチェッカーを受けるまで最大限、攻めて戦います。マシンの仕上がりには自信があるので、明日はスタートの遅れを取り戻してポイント獲得してレースを終えられるようにプッシュしていきます」マックス・フェルスタッペン (レッドブル・ホンダ)「予選でここまでのパフォーマンスを出せたことはいい意味で驚いていますし、2列目スタートになったことは、悪くない結果だと思います。Q3では1セットしか使用できるタイヤが残っておらず、ライバルと違った戦略を取ることになったため、単独で走行するセッションになりました。このサーキットを単独で走るのは難しく、スリップストリームを使いながら走行している他のマシンと比べてしまうと、もちろんタイムは出せません。自分のQ2の結果と比べても、0.25秒もメインストレートではタイムを失うことになりました。別のもう一本のストレートでは6、7秒先を走行するマシンの後ろに吸い込まれるように付いて走れば、そこで0.1か0.2秒も稼ぐことができます。予選セッション最後のアタックラップで最大限にプッシュをした結果、うまくまとめることができただけに、もし多数のマシンの列からのスリップを利用できる位置にいれば、ポールポジション争いもできたかと思います。しかし、マシンの調子に十分な手応え...