フォース・インディアの創設者ビジェイ・マリヤをインドに強制送還することをイギリス内務省が決定したと報じられている。インドの大富豪として知られたビジェイ・マリヤだが、2013年に経営破綻したキングフィッシャー航空を巡る10億ドル(約1,090億円)以上の負債に関する詐欺行為についてインド当局から指名手配を受けており、インド当局は再三にわたって英国にマリヤの身柄引き渡しを要請してきた。
昨年、ビジェイ・マリアが所有していたフォース・インディアが破算管理下に入り、カダナの大富豪であるローレンス・ストロール率いるコンソーシアムが買収。ビジェイ・マリヤはF1界から離れることになった。パスポートが2016年4月に失効しているビジェイ・マリヤは、逮捕状が発行されて以降は英国で生活している。しかし、イギリス内務省はビジェイ・マリヤのインドへの送還を認める決断を下したという。報道によると、内務大臣を務めるサジド・ジャビドがビジェイ・マリヤの案件を“慎重”に検討した結果、「ビジェイ・マリヤをインドへ送還する命令書にサインした」とイギリス内務省の広報担当者が語ったという。これにより、ビジェイ・マリヤは、28日以内にインドへ強制送還されることになる。しかし、ビジェイ・マリヤは異議申し立てを行う権利が認められている。「内務省が決定を下す前に異議申し立てを行うことはできなかった。今後、申し立て手続きを行うことになる」とビジェイ・マリヤは述べた。インドへ戻った場合、ビジェイ・マリヤはインドの刑務所に収監されされることになるが、過去にインドへの送還を要求された際、ビジェイ・マリヤは、インドの刑務所に収監されれば、“殺害される恐れがある”と主張していた。また、ビジェイ・マリヤの弁護団は“インドの刑務所における拷問”も身柄引き渡しに対する強い論点だと述べてた。「彼は送還された場合の自分の命を案じている。英国の裁判所はビジェイ・マリヤがアーサー・ロード刑務所(ムンバイ)で安全な刑務所環境におかれるというインド政府の中央政府保証を考慮に入れている」