F1のモータースポーツディレクターを務めるロス・ブラウンは、フェラーリは、今年のワールドチャンピオンシップ争いにッ破れたことで“パニック”に陥ってはならないとアドバイスを送った。シーズン序盤、フェラーリはメルセデスと同レベル、もしくはそれを上回る強さを見せていた。しかし、夏休み後のアップグレードで期待した結果を届けることができず、チームとドライバーのミスも響いて一気に失速することになった。
また、カリスマ性を見せていた前会長のセルジオ・マルキオンネが急死した後、フェラーリ内では幹部の間で権力争いがあったとも報じられている。セバスチャン・ベッテルは、不利な形勢を逆転することができず、ルイス・ハミルトンはF1メキシコGPで5度目のF1ワールドチャンピオンを獲得している。セバスチャン・ベッテルはその結果を“恐ろしい瞬間”だと表現していたが、ロス・ブラウンは、起こったことに過度に反応しないようフェラーリに助言する。「フェラーリとベッテルはこれから新たなスタートを切らなければならない」とロス・ブラウンは Speed Week にコメント。「そして、彼らは何が間違っていたかを理解して、はじめてそれを行うことができる。彼らはパニックや反射的な反応をせずにそれらのエリアを改善させなければならない」2000年代にフェラーリでテクニカルディレクターを務めていたロス・ブラウンは、現在の状況のなかでフェラーリがどれだけ進歩を遂げてきたかを見失ってしまうことは容易にあり得ると語る。「わずか2シーズンでフェラーリは再びタイトル候補になった。メルセデスの紛れもないパワーアドバンテージを考えれば、それはこのハイブリッド時代の開始時にはイメージすることすら難しいと思われていたことだ」とロス・ブラウンはコメント。「今、フェラーリは、大事なものを無用なものといっしょに捨てることなく、前進しなければならない」ロス・ブラウンは、F1メキシコGPのレース後の記者会見でセバスチャン・ベッテルがなぜあれほど落胆していたかを理解できると語る。「全てのシーズンで追い求めているゴールに手が届かなことが決定したときは、多くのことを後悔するものだ。以前のレースを振り返り、何かできたかもしれない。改善できる部分があったかもしれないとね」とロス・ブラウンは語る。「そのような状況は私もよく知っている。私も直接そのようなことを経験している。同じチームでね!」ルイス・ハミルトンは、セバスチャン・ベッテルとの間に大きなリスペクトがあると前置きし、ライバルの状況に同情を示した。「彼は今年激しい戦いをした。彼にとって厳しい時期もあった」とルイス・ハミルトンは Auto Motor und Spor にコメント。「フェラーリは何年もタイトルを獲得していないことで多くのプレッシャーがあったはずだ」