2026年F1レギュレーションを前に、ドライバーたちは次世代マシンの感触を徐々に把握し始めている。その中で、ハースF1チームのエステバン・オコンは、現行のグラウンドエフェクトカーと2026年型マシンの違いを、思い切った表現で語った。「まるでF1からラリーカーに乗り換えるような感じだ。本当にそれくらい違う。グリップに大きな差がある。」
3週間後に控える最初の走行を前に、オコンは次世代F1がもたらす変化の大きさを強調した。アクティブエアロと電動比率の増加2026年からF1は、シャシーとパワーユニットの両面で大きな規則変更を迎える。最大の特徴はアクティブエアロの導入と電動エネルギー比率の大幅な増加だ。これにより最高速は向上する一方、コーナリング性能は低下すると見込まれている。ドライビングスタイルやレース運びは大きく変わり、エネルギーマネジメントがパフォーマンスの中核を担うことになる。今回のレギュレーションの狙いのひとつは、床下空力に強く依存したグラウンドエフェクトカーから距離を置くことだ。これまでのマシンは高いダウンフォースと引き換えに、ドライバーにとって扱いの難しい挙動を示す場面も少なくなかった。2026年F1の実像はまだ見えないFIAの意図は明確だが、2026年F1が実際にどのような姿になるのかは、いまだ不透明だ。各チームはそれぞれ異なる段階で開発を進めており、使用しているシミュレーションも独自のものだ。ライバルの状況が見えない中で得られる情報は断片的で、最終的な完成形を正確に映しているとは限らない。それでも、新車と新パワーユニットが同時に導入される完全なリセットは、序盤で決定的な優位性を築くチャンスを生む。現行世代では接近した戦いが実現したが、2026年は再び勢力差が拡大する可能性もある。ただし、コンセプトの理解が進み、模倣が始まれば、その差は時間とともに縮まっていくと見られている。2025年の課題は優先度が下がるオコンにとって、こうした大変革は2025年に直面した問題の重要度を相対的に下げるものでもある。「正直、最初はそれ以上に重要なことが山ほどあると思う。テストも多いし、新しく学ばないといけないことも本当に多い。」彼は、シーズン終盤に悩まされたブレーキの問題に触れつつ、2026年ではまったく別次元の課題が待っていると語った。ハースの方針とVF-26開発ハースでは、オコンとチームメイトのオリバー・ベアマンに対し、2025年シーズンが終わるまでは目の前の戦いに集中するという方針が示されていた。チームはトヨタと協力して自前のシミュレーターを開発中だが、現時点ではフェラーリのマラネロのシミュレーターを使用している。それでも、チーム代表の小松礼雄は、新レギュレーションによる早期の気の緩みを避けることを重視してきた。「だから、今のところオリーと僕には本当に少しのデータしかない。」「彼らが検討したい技術的な方向性がある時だけ集まるけど、それも限定的だ。基本的にはVF-26でやるべきことに集中している。」コンストラクターズ順位が持つ意味ハースは2025年のコンストラクターズ選手権を8位で終えた。ザウバーには9ポイント差、アストンマーティンには10ポイント差、6位のレーシングブルズとの差もわずか13ポイントだった。この差は小さいようでいて、財政面では極めて大きい。順位がひとつ変わるだけで、数千万ドル規模の収入差が生じるからだ。そのため、短期的な成果を優先するという判断は現実的だった。「それはチームの決断であり、アヤオの決断だ。」「技術的な方向性で必要とされれば協力するけど、彼らの判断を信頼しているし、正しい選択だったと思う。」バルセロナで現実と向き合う時各チームはまもなく、シミュレーションで描いてきた理論を現実のコースで検証することになる。今月後半、カタルーニャ・サーキットで5日間のプレシーズンテストが行われ、各チームはそのうち3日間を選択して走行する。オコンが語る「ラリーカーのようなF1」が、実際のサーキットでどのような姿を見せるのか。その答えは、そう遠くないうちに明らかになる。