アンドレッティは、F1参入に向けて風洞テスト、部品生産、採用を全力で進めており、テクニカルディレクターのニック・チェスターは、レッドブル、メルセデス、フェラーリ、マクラーレンのスタッフが全員このプロジェクトに飛びついたと主張している。アンドレッティ・キャデラックは、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)からF1に適合する承認をまだ得ていないにもかかわらず、早ければ2025年にグリッドに加わることを目標に、F1チームを結成する準備を進めている。
ルノーとフェルナンド・アロンソの2005年と2006年のタイトルダブル獲得に貢献したチェスターが監督するこのF1プロジェクトは、すでに大きな進展を見せている。シルバーストーンにサテライト基地を設けたアンドレッティ・キャデラックは、すでに120人のスタッフを擁しており、そのうちの約50人はテクニカルパートナーのゼネラル・モーターズ(2028年にパワーユニットサプライヤーに昇格することを約束)から派遣されている。技術体制は整備されており、チェスターは同様にルノーとアロンソのタイトルダブル獲得で重要な役割を果たした空力責任者のジョン・トムリンソンがサポートし、ウィリアムズ、アロウズ、ジョーダン、ミッドランド、スパイカー、マルシャ、マノーでF1キャリアを積んだジョン・マクイリアムがアンドレッティ・キャデラックのチーフデザイナーを務めている。部品は生産中で、アンドレッティ・キャデラックはトヨタのケルン風洞で懸命に作業しており、2024年半ばまでにフルスケールのF1シャシーモデルをテストする計画だ。アンドレッティ・キャデラック、F1トップ4チームからスタッフを引き抜くニック・チェスターはThe Athleticの取材に応じ、2023年のコンストラクターズ選手権でトップ4を占めるメルセデス、フェラーリ、マクラーレンだけでなく、2023年の圧倒的な強さを誇るレッドブルからもスタッフを招き入れたこのプロジェクトが実現したことに満足していると語った。「ちゃんとやりたいし、勝ちたいチームなんだ」とチェスターは宣言した。「その気風がないところには行きたくないものだ。私が加入する前に話し始めたように、このチームの背後にあるリソース、勝利のための努力は、とても魅力的なものにしている」「ある意味、このプロジェクトに人々を惹きつけることがこんなにも簡単だったことに、私は嬉しい驚きを感じた。新しいチーム、アンドレッティの名前は本当に魅力的でだ。白紙の場合、非常に積極的な文化が生まれる傾向がある」「レッドブル、フェラーリ、メルセデス、マクラーレンから移籍してきた人たちがいる。みんな新しい挑戦を望んでいた。各部門を形成できるポテンシャルがあるのは、とても魅力的だ」キャデラックの親会社であるゼネラルモーターズがF1パワーユニットメーカーになることを約束する前、特に既存の10チームの間では、アンドレッティ・キャデラックにGMの影響がどこまで及ぶのか疑問の声が上がっていた。しかし、チェスターは、GMがなければアンドレッティ・キャデラックはこの進歩の半分も成し遂げることができなかったと明言。GMは風洞試験と現在部品の製造に関わっていると語った。「GMの関与がなければ、現在の成果の半分も得られなかっただろう」とチェスターは断言する」"物事を前後左右に放り投げるような取り決めではなく、ひとつのチームのようなものだ。本当にうまく統合されつつある」アンドレッティ・キャデラックに対する反対論は現在のF1チームの間にも存在し、収入減やF1カレンダーのインフラ問題などがその理由として挙げられている。しかし、F1チームはまだアンドレッティ・キャデラックを支持していないにもかかわらず、F1会長のステファノ・ドメニカリは支援の言葉を控えているものの、チームのオーナーであるマイケル・アンドレッティは、彼らが存在することでF1に利益をもたらす唯一のシナリオだと考え、準備を進めることで受け入れられると確信しているようだ。F1はアメリカで急速に人気が高まっており、2023年にはラスベガスがマイアミとオースティンに加わり、アメリカを拠点とする3つのラウンドがカレンダーに登場した。「モハメド・ビン・スライエム(FIA会長)が何度も言っているように、われわれがこのスポーツとチャンピオンシップにもたらす恩恵は明らかだ」とマイケル・アンドレッティは主張する。「我々を止めて、現在F1に参戦している伝説的なチームと、生粋のアメリカン・ワークス・チームが真っ向から対決する姿を見る機会を、レースファンから奪おうとする人がいるとは想像できない」