フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)は、F1におけるチーム代表の顔ぶれが変化している現状について、「いまのF1は以前とは違う」と語った。近年は、ビジネス畑出身ではなく、技術バックグラウンドを持つ人物がチームを率いるケースが増えており、その流れが契約交渉のあり方にも影響を与えているという。かつてのF1では、チームのトップが競技面とビジネス面の双方を統括するのが一般的だった。
エディ・ジョーダン、ロン・デニス、フラビオ・ブリアトーレといった強烈な個性を持つリーダーが、チームを象徴する存在として君臨していた時代だ。しかし現在は、技術責任者出身のチーム代表が増え、CEOなどの商業部門トップと二頭体制を組むケースが主流になりつつある。アロンソは、こうした変化の背景には、F1そのものがよりデータ主導の競技へと進化したことがあると指摘する。「違うのは間違いない」とアロンソはメディアに語った。「でも、スポーツ自体が違うし、世界も違う。いまはすべてがパフォーマンス重視で、毎週末に完璧を目指そうとしている。マシンは何千ものシミュレーションで動かされ、セットアップも完璧さを追求している。そういう時代だ」「週末にやっていることに直感が入り込む余地は少なくなった。すべてがデータによって動かされている」アロンソは、過去のF1では「人」を相手に戦っていた側面が強かったとも振り返る。「昔は強烈な個性と向き合う必要があった。ルカ・ディ・モンテゼーモロ、フラビオ(ブリアトーレ)、エディ・ジョーダン、ロン・デニス……みんなそれぞれ違っていた」その一方で、現代のF1においては、ドライバーにとってある側面が難しくなっているとも冗談交じりに語った。「たぶん、いまは契約交渉のほうが大変かもしれない。数字とデータの話になるからね」とアロンソは笑った。現在所属するアストンマーティンについて、アロンソは「技術と商業のバランスが取れているチーム」だと評価する。「僕たちのチームは恵まれていると思う。素晴らしい技術リーダーがいるし、同時にとても強い商業チームもある」「スポンサーがいて、そしてトップにはローレンス(ストロール)がいる。彼は今でも昔ながらのキャラクターで、レースへの情熱が血の中にある。すべてがデータというわけじゃない。だから、いまは本当に楽しいチームだ」アストンマーティンの人材と体制への確信アストンマーティンは、近年テクニカル人材を積極的に補強してきた。アロンソ自身も、チームに明確な「欠けている部分」はないと感じているという。「サーキットにいるチームも強い。アンディ・スティーブンソンをはじめ、経験豊富な人たちがいるし、レースエンジニア、パフォーマンスエンジニア、戦略も揃っている」「ランスと僕の2人で、合わせて35年の経験がある。レースチームの経験や、成功に必要なビジョンが欠けているとは思っていない」「心配していることはない。ただ、来年は速いクルマが必要なだけだ」最新鋭のファクトリーと風洞、そして実績ある人材が揃った今、アロンソはアストンマーティンの成功を確信している。「ファクトリーは完成した。風洞も新しくて、もう使っている」「エイドリアン・ニューウェイ、アンディ・コーウェル、エンリコ・カルディレがいる。つまり、素晴らしい人材と才能が揃っている」「問題は、それらをどれだけ早く噛み合わせられるかだ。数か月で十分なのか、それとも1シーズン必要なのか、それは分からない」「でも、アストンマーティンは成功する。それは保証できると思っている。一番の問題は、いつなのか、ということだ」「僕たちは皆、それをできるだけ早く実現しようとしている」