角田裕毅が今季レッドブルに昇格した後に適応に苦しんでいる現状について、レーシングブルズのCEOであるピーター・バイエルは驚きを隠さなかった。2024年から直接ともに仕事をしてきたバイエルは、これまでで最も充実した状態の角田裕毅を見ていただけに、そのパフォーマンスには首をかしげている。角田裕毅はRB21をドライブし、これまでのベストリザルトは9位と2度の10位。速いはずのマシンを持ちながら、実際にはレーシングブルズの両ドライバーであるアイザック・ハジャーとリアム・ローソンよりもランキング下位に沈んでいる。
「はい、驚いていないと言えば嘘になる」と、ピーター・バイエルは語った。「彼の潜在能力、パフォーマンス、そして精神面を見てきた。フィジカル面での準備も見てきた。これまでで最も強いユウキを見たが、それ以外のことは正直分からない。なぜそんなに難しいのか、ユウキ本人と話したことはない」ピーター・バイエルは原因について、RB21のドライバビリティの難しさを指摘する。「時間が必要だと思う。おそらく非常に運転が難しいマシンなんだろう。それが我々のマシンとの違いだ。我々のマシンはずっと扱いやすく、幅広いウィンドウを持っているが、速くはない。それが違いだ」2月18日にロンドンのO2アリーナで開催された「F1 75 LIVE」に参加した角田裕毅とピーター・バイエルこの見解は、レッドブルとレーシングブルズが同じオーナーシップを共有しつつも独立して運営されている中で、重要な問いを投げかける。より速いが運転が難しいマシンと、ドライバビリティに優れたマシン——どちらを優先すべきかという問題だ。ピーター・バイエルは「グラウンドエフェクトカーではドライバビリティこそがパフォーマンスだ」と持論を述べ、安定した扱いやすさが若手育成には不可欠だと強調した。一方で、レーシングブルズのアイザック・ハジャーはルーキーながら22ポイントを獲得し、リアム・ローソンも中盤以降は好調を維持して計20ポイントを積み上げている。この両名の活躍と対照的な角田裕毅の成績は、パドック内で今季中の交代説や2026年の去就に関する憶測を呼んでいる。リザーブ育成中のアービッド・リンドブラッドの昇格が現実となれば、角田裕毅、アイザック・ハジャー、リアム・ローソンのいずれかがシートを失う可能性が高く、外部からは角田裕毅が最も危ういと見る声もある。しかしピーター・バイエルは、今季中のドライバー交代には慎重な姿勢を崩さず、「今は現状のラインアップを維持し、落ち着いてシーズンを過ごすことが重要だ」と述べた。
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