『ウィリアムズ家、F1撤退』 Twitterのトレンドワードを見てハッとした。名門ウィリアムズを設立したオーナー一家がチームを完全に売却し、取締役からも外れるということはそういうことなのだ。正直、実感が湧いていなかった。先月末、ウィリアムズはF1チームを米国の投資会社ドリルトン・キャピタルに売却。だが、『ウィリアムズ』というチーム名は残り、グローブの施設もそのまま運用されることになっている。
しかし、9月3日(木)、フランク・ウィリアムズと副チーム代表を務めていたクレア・ウィリアムズがF1イタリアGP後に取締役を退任することを発表した。家族経営に終止符。ウィリアムズというチームが存続することから、そのようなタイトルをつけたが、実際のところは、創業一家であるウィリアムズ家がF1から撤退するということなのだ。これまで『撤退』という表現は、コンストラクターやスポンサーとしてF1参戦している企業が関与をやめるときに使用していた。ザウバーの創設者であるペーター・ザウバーがチームの株式を完全に売却したときも、フォース・インディアが破産してビジェイ・マリヤがオーナーではなくなったときもそのような表現はしなかった。しかし、ウィリアムズ家はそれを超えた存在だ。1969年にプライベートチームを率いてF1に参戦したフランク・ウィリアムズは、1977年にパトリック・ヘッドとともにウィリアムズF1チームを設立。ドライバーズタイトル7回、コンストラクターズタイトル9回を獲得し、フェラーリ、マクラーレンと並び、F1を代表する名門チームである。ウィリアムズF1は8月21日(金)、アメリカの投資企業ドリルトン・キャピタル(Dorilton Capital)に1億5200万ユーロ(約190億円)でチームの全株式を売却した。そして、F1イタリアGP後にウィリアムズ家が取締役を離れた。前述のとおり、ウィリアムズという名前は当面は残り、ファクトリーもそのままだが、まったく別の箱となるわけだ。ドリルトン・キャピタルが気持ちを変えれば、まったく別のチーム名が与えられる可能性もある。『ウィリアムズ家 F1撤退』 F1イタリアGPは、ウィリアムズの家族経営の終焉だけでなく、F1のひとつの時代に終止符が打たれるグランプリとなる。
全文を読む